✅The Firm, The Market, And The Law
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ほぼ論文そのまま
アホ長い
疲れたけど結構骨のある内容
企業が存在しないのではなく存在する理由を、厳密な考証によって「取引コストが存在するから」に結論づける
超簡単にいうと、取引コストが0の場合、全ての経済活動がオープンな市場を通じて行われる = 企業という組織が必要ない
しかし現実には取引コストが > 0である。その場合、全ての経済活動を市場を通じていると取引コストが莫大になる。
例) スマホ組み立て作業員を1h毎に契約更新する事もできるが、契約自体のコストが馬鹿げた大きさになる
また、全ての取引が巨大な1社の内部で行われないのは、企業の規模が拡大すると、内部組織コストが膨れ上がるから。
上記2つの変数によって企業の最適なサイズが決定される(= サイズ > 1 である場合、企業の存在意義ともいう)
余談
Trustという観点から見ると、僕がweb 3界隈の人の"trustedな企業に支配されている! 全部trustlessでやった方が正しい!"という言説に感じていた違和感を完全に説明してくれる。
そもそも企業が存在する理由が、「Trustedな領域を作ることで取引コストを最適化し低下させる」事にあるのだから、よりコストを払えばtrustlessにできる事など当たり前
確かにtrustlessでやりとりする際のコストはblockchainで多少変化したので企業の最適なサイズに影響を与えるとは思うが、全てがtrustless=最適な企業サイズが常に1にするものとは程遠い
blockchainがtrustlessにできるのは情報の記録のみであり、その他取引コストの大部分を占める情報の収集・人の説得等には全く寄与していない
この本の研究は1990年代にノーベル経済学賞を受賞しているが、web3系の人は誰も知らなかったのか...?