やる詩
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2.
電子詩は「語る」のではなく「やる」。
電子作品を読むということは、それらを操作したり演奏したりすることに近い(ゲームに似た要素をもつ作品もあるが、どちらかといえば楽器に近い)。
E-poetry does things rather than says things. To read e-works is to operate or play them (more like an instrument than a game, though some e-works have gamelike elements).
Electronic poetry, Stephanie Strickland
ここで「E-Poetry」における「Do」の意味は、
例えばブラウザに読み込まれ処理が加えられ出力される、ということだったりする
もっといえばブラウザ上で操作することによって生成されるインタラクティブな詩を指したりする
ex.) The Dreamlife of Letters, Brian Kim Stefans
つまりコンピュータによって実行されることなしにはE-Poetryは読めない
ところで「Poetry」はそもそも(言語学的な起源として)「歌われる」ことや、あるいは「朗読される」ことによって成立していた。つまり、「Poetry」も(朗読という人間的なインターフェースを介して)「実行される」ことによって存在した。
であるなら、いま、人間にとって詩とは?
山本浩貴が言うように
詩とは、既存のコードを逸脱する新規コードを人体に発見・上演させる装置の制作
ならば
詩は、
人間は(他者によって)発見されなければいけないし
人間は(自らによって)上演しなければいけない
ここで人間にとっての「他者」とは例えばコンピュータとしてみよう
人間は朗読することによって詩を実行する
コンピュータは処理することによって詩を実行する
この両者の実行プロセスが入り混じることで、
人間は「実行」-「反復」-「生成」を通して、
他者=コンピュータと接近する
そのとき、逆説的にも「人間はチューリング完全である」と言うだろうか?
Olia Lialina “Turing Complete User”
そのとき、エイダ・ラブラスの反転した問いが、つまり「人間は知性をもつか?」「人間は創造性を持つか?」という観点が人間へと跳ね返ってくる
しかしまったくばかげた問いだ
そうだろう?
ならば
「機械は知性を持つか?」「機械は創造性を持つか?」という問いすら
まったくばかばかしい問いだ
だから
人間/機械の区別に基づく問いは本質的ではない、ということだ
この発見こそ
詩の効用(「既存のコードを逸脱する新規コードを人体に発見・上演させる装置」)であり
詩を「やる」ことが詩である、そのことの意味だ
「やる詩」の詩
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詩を実行する
code:rule
1.もととなる詩を朗読する
2.コンピュータに打ち込む(手動)
3.パラメータに応じてランダム性を加える
4.その文字列をプリンタで印刷する
5.朗読する
…… ……
を繰り返す
1.もととなる詩を朗読する :
(自らの心拍数=BPMやその他生体センサーによって次のサイクルのパラメータが決まる)
2.コンピュータに打ち込む(手動):
(打ち込む時のスピードや誤字も記録する)
(人間はまた、必ずしも忠実にやるばかりではなく、あえて文章を逸脱したりすることもできる)
3.パラメータに応じてランダム性を加える:
(文字を最初は一定程度意味がわかる範囲内でずらされていく、あるいは再構築される)
1.のときに取得された「心拍数(BPM)」、「体温」/2.のときに取得された「誤字の記録(BackSpaceで消した文字を記録したり、原文と比較したdiffをとる)」や「キーボードのタイプ速度記録(最初に入力されたキーから計測開始して、終了されたキーで計測終了)」などをパラメータとする
4.その文字列をプリンタで印刷する
〇〇〇〇〇
コンピュータでの処理
code:process
入力文字列
↓
(崩すモジュール(Decompose) )
↓
(生成モジュール(Reconstruct) )
↓
出力文字列
技術的なお話の検討
崩すモジュール(Decompose)/ 生成モジュール(Reconstruct)に関しては
アルゴリズミックに処理するか
あるいは創造性を重視して
軽量のローカルLLM系を用いるか
LLMの設定
〇〇〇〇〇
出力のシミュレーション
例えば想定するようなシミュレーション例(※実装時にこうなるかは不明)
最初に与えるもととなる詩
code:諸侯の挨拶 12/28
年の瀬も押し迫り、いよいよ大晦日を望む頃となりました。
旧年中のご高配、まことにかたじけなく存じます。
来る年も、変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
サイクル1(崩す)
code:Decompose
年の瀬 おしせまり
いよいよ 大晦日 のぞむころ
旧年中 ごこうはい
まこと かたじけ ぞんじます
来る歳 ご厚ぎ たまわります
お願い もうしあげ
※この崩しに関しては、コンピュータに処理させるか、あるいは人間がキーボード入力するときに崩壊させるか、というのがある
サイクル2(生成)
code:Reconstruct
ころ の 光 が のぞく
まこと の おもい は そっと
あの人 に 届く
願い は 年 を 越えて
新しい日 が はじまる
サイクル3(崩す)
code:Decompose
こ ろ の
ひ かり のぞ
ま こと おもい
あの 人 に
願 年 越
新 日 はじ
サイクル4(生成)
code:Reconstruct
ひかり の すきま が
そっと うごき
あの人 の こえ
まこと の おもい を 運ぶ
ゆめ の かたち が ひらく
.......
以下、繰り返されるサイクル
もとの文から、だんだん逸脱しつつ、最初の残響が背後に漂った詩が発生していく
※サイクルの途中で、やめて、もう一度新しい詩文を与え直してもいい
〇〇〇〇〇
最初に与える詩文の選定を考える
・「やる」日になぞらえて、たとえば12/28の場合、年末の「諸侯の挨拶」を詩に生成させるようにするとか
code:諸侯の挨拶 12/28
年の瀬も押し迫り、いよいよ大晦日を望む頃となりました。
旧年中のご高配、まことにかたじけなく存じます。
来る年も、変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
・聖句から引用する
code:テサロニケへの手紙 第一5章18節
すべてのことに感謝しなさい。
・ふつうに詩をつかう(自作)
code:CO2吐く君が
CO2吐く君が
呼吸するなら
息をとめる
「地球に優しい」子
火力発電を
知らぬまま死ね