ヒザに登ってくるカメの話
その中にひとつ、大好きな話があってね。
その方が飼っているカメがいて、
休みの日かなんかに、
部屋を歩かせて、それを眺めていると、
自分のヒザに登ってくるんだそうです。
その学者さんはもうおじいちゃんなんですけど、
彼は、自分のヒザに乗ってくるカメのことを、
まるで孫のことを語るように、
ところが、一方でその人は学者でもあるから、
「カメというのは変温動物で
温度がなければ生きていけないから、
人間の温度を目的にヒザの上に登るんだ」
というふうにも平気で書くんですよ。
つまり、ヒザに登ってくるカメのことを、
近いんじゃないかなと思って。
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