ちょ古っ都製本工房さんへのPDF入稿のやり方
こんにちは、冗談ですかというレベルの同人誌作り初心者です。
原稿のWeb入稿がよくわからない、クリスタをまだ使いこなせない、漫画機能難しい、SAIとかPhotoshopならある程度わかる
そんな初心者同志の方に、初めての同人誌作りにおすすめなのが、ちょ古っ都製本工房様での本作りです。 特徴
格安での製本が1冊から可能
漫画同人誌だけでなく、小説、パンフレット、アルバムなどの冊子なども作れる
多種多様なオプション(遊び紙、表紙加工、印刷の紙が表紙・本文で選べるなど)もお安くつけられる
予約注文→入稿→納品までの期間で割引がある(選べる)、割引フェアもある
入稿期限までであれば本の仕様が変更できる(ページ数、オプション、冊数など)
更に、いつもそうなのかは不明ですが、注文した冊数におまけで、同じ仕様の本をプレゼントしてくれます。
これ、他社さんも同じですか…??(知らない)
(私の場合、3冊→5冊ほど(うろおぼえ)おまけ 10冊→2冊おまけ 15冊→3冊おまけ でした)
とにかく安いのが一番の特徴ですが、1冊からでも作れるのが、初心者としてはとても嬉しいところです。
安いのに仕上がりもとても良く、カラーも綺麗に印刷してくれます。荒い、ぼけてる、ということもありません。
もちろん他社と比較した訳ではないし、感じ方には個人差があるとは思いますが、私は十分おすすめできるクオリティです。
素敵な印刷会社さんはたくさんありますが、ちょこっとさんもその選択肢に十分入れるのではないかと、思っています。
ちょこっとさんはなぜ安いのか?
その理由の一つは、おそらく入稿ファイルがPDFだからということが大きいと思われます。
ちょこっとさんでは他に紙入稿、Word入稿なども選択肢はありますが、ここではPDFに特化します。
入稿すれば、あとはそのファイルを開いてそのまま印刷すればいいだけなので、その分の負担が減ります。
他社さんでは色々な拡張子での入稿が可能で、入稿後に印刷会社側にも作業が発生する(はず)。
だから安いんだろうなあと思いつつ、今回そのPDFに原稿を仕上げ、入稿完了するまでにはちゃめちゃ苦労したので、
備忘録と、もし同じような境遇の方の参考になればと、書かせていただきます。
以下は主に私自身の失敗&入稿までの軌跡なのですが、よろしければご参考ください。
前提:原稿作成の使用ツール
SAI(大半の本文作成、原稿はPSDで保存)
CLIP STUDIO PAINT(最初のキャンバスサイズの設定、カラー・吹き出し・文字入れなど、最後の原稿調整)
まず今回鬼のようにはまりこんだのは、「キャンバスサイズ(クリスタ)」と「ちょこっとさんへの入稿サイズ(PDF)」の違いでした。
クリスタでは、
「製本仕上がりサイズ」(=断ち切りサイズ)
「内枠サイズ」(=ここに絵を収める)
これが基本的なキャンバス設定で、下記オレンジ工房様なども、これが基本の設定です。 というより、この考え方が、基本的で一般的な原稿設定だと思われます。
(このページの解説を参考にしたから余計に混乱した模様)(混同するほど初心者)
オレンジ工房さんもグッズ制作なども小ロットでお安くできるので、おすすめです!
しかしながら
ちょこっとさんの入稿定義では、「塗り足し3ミリ(断ち切り)」と「内枠サイズ(収める)」のみ、と言う概念。
クリスタでいう「キャンバスサイズ」「製本仕上がりサイズ」「内枠サイズ」とは、そもそもの構成が違うのです。
この「塗り足し3ミリ(断ち切り)」がクリスタで言う「製本仕上がりサイズ」(一番外側)にあたりますが、
クリスタでは更に外側に「キャンバスサイズ」が存在するため、
私は一番最初にキャンバスを作った時にうっかり
外側(キャンバスサイズ)に「製本仕上がりサイズ」を合わせると言うミスを犯し、不備の連絡を(二度も)もらいました。
死ぬかと思いました。
もしこのまま印刷すると、本来であればキャンバスサイズの内側に「製本仕上がりサイズ」があるのに、
それがないので、断ち切り想定より内側まで断ち切られてしまうことになる。
=絶妙に読めない。
という訳で、クリスタでのA5サイズのちょこっとさん仕様のページ設定です。
原稿を作る際、まず初めにこれでキャンバスをまず設定することをおすすめします。
作る同人誌のサイズ(A4、B5など)と、ちょこっとさんからの原稿作成HowToを見て、設定してください。
https://gyazo.com/6efef7da355da733e15e7678a91e54d4
<参考>
この時、左側のキャンバス設定は気にしなくて良いのです、あくまで右側の原稿範囲の設定が大事。
私はこの左側に、「製本仕上がりサイズ」の設定を入れてしまっていたのでした…実に愚か…
つまり、この「製本仕上がりサイズ」(154×216)の部分に合わせて、ちょこっとさんでは断ち切りがされる、というお話。
落とし穴としては、Web公開の際には原稿用紙設定で描いていないのが通常の自分の為、
「印刷範囲」の外と内、という観点がそもそもなかった、ということです。
おかげでクリスタで言うキャンバスサイズ(=印刷時に断ち切りされる更に外側の範囲)が
一番外側という誤認をしてしまったのでした。
初心者あるあると言えるのかはわからないけど、本を作るのであればこの理解は必須だと思いました。
(ある意味ちょこっとさんにお願いするときだけのような気もしますが)
更に紙で描くときの原稿用紙はまたちょっと違うようなので、機会があったときは注意したいなあと思います。
本を作るのに慣れている方にとっては「なぜそんな間違いを」というレベルのことではあると思うけど、
もし自分と同じようにWeb公開に慣れていて、本を作ったことはない、という方の参考になれば、嬉しいです。
あと、おまけでPDFの作り方
使ったのは、以下2つのソフトです。無料で使えて本当にありがたいです…
①はインストール→原稿を統合してJPG、PNGにしたあと開いて、印刷画面で使います。
表紙(フルカラー)は300dpiでJPG、本文(モノクロ)は600dpiでPNGで保存
表紙はCMYKで保存するけど開くとどうしてもRGBになってしまうため、今回は開き直りました PDF入稿では仕方ない
ちょこっとさんではPDF入稿だからだけど、他印刷会社さんでは拡張子クリスタやPSDで入稿できたりする
その時にはCMYKで保存する
本文はグレースケール それぞれイラスト、コミックで保存する…本文ノンブル忘れた…ちょこっとさんの場合は大丈夫
なぜちょこっとさんではノンブルがなくても大丈夫かといえば、PDF入稿の際本文をすべて連結させるから。詳細後述
https://gyazo.com/05417d7d71e033754edf0be8c93a0b38
CubePDFはここ(ファイルを開く→印刷画面)で使える
アプリとして開くことはできない
プリンターの選択の際に、「CubePDF」を選択すると、「印刷」したらPDFとして保存してくれる
設定によるかもしれないけど、自分の場合はPCデスクトップに保存された
https://gyazo.com/ccc67b13f1a5c6d33bbd817b6e854d67
「印刷」したらPDFに変換してくれますが、このときA5(原稿)サイズにするのを忘れない。
(初回間違えました)
「印刷」→設定が出てくるので、解像度600に合わせます。
表紙(カラー)は、解像度300にします。
https://gyazo.com/6c8c541216af958724cc87aa1fcdd9fb
初期設定では「JPGに圧縮」にチェックが入っているので、チェックを外します。
https://gyazo.com/10634d760234a80874de3221998ec040
設定を確認し、「変換」をクリックします。
これで1枚1枚PDF化していきます。(苦行)
クリスタでいっぺんにPDF化もできるようですが、有料のプラグインが必要らしいです。
全てPDF化できたら、続いてちょこっとさんに入稿するために本文のPDFを全て繋げる作業をします。
それが、②のソフトでできるのです。
②のCubePDF UtilityはPDFを結合できるソフトです。これは、デスクトップにショートカットを置けます。
1ページ目をまず開いて、ひたすら繋げる作業をします。順番には気を付けて。見事な手動です。
https://gyazo.com/6dac345572e87e32c57815190631c0be
50Pとか100Pとかになると、なんの修行だろうって感じになりますね。
全部繋げたら別名で保存して開いて、並びや表示に問題ないか最終確認。
これで、入稿ファイルが完成です。
今回の入稿は、ちょこっとさん指定のようにフォルダにまとめ→ZIPで圧縮→サイズ的に外部アップロードサービスを使うことにしました。
指定のサイズ内であれば、ちょこっとさんHP内のアップローダーで入稿可能(割引される)
指定のサービスの中から、ギガファイル便さんを使用しました。気軽に重いファイルも圧縮できておすすめです。
350MBくらいだと、アップロードに20分くらいかかります……
そしてアップロードしたURLをメールでちょこっとさんにお知らせ、これで入稿完了です。
お疲れ様でした…
本を作ろうと四苦八苦したおかげで、ようやく入稿前に知っておくべきことを肌で感じることができました。
誰もがこんな苦行をすべきとは一切思いませんが、
誰か(強いて言えば忘れたころにまた本を作るかもしれない未来の自分)の役に立つといいなあと思います。
PDF入稿はこの通りめちゃめちゃしんどいし手間がかかるので、
クリスタでの原稿作成がよくわからない、入稿自体がよくわからない
あんまりたくさん作ろうとは思っていない
金銭的なコストを抑える為に、ちょっと時間と手間をかけてもいい
という方にはおすすめですが、クリスタやPhotoshopなど1本で入稿できるようになるまでは、
こうしてPDF入稿に挑戦してみるのもいいのかなと思います。
ちょ古っ都製本工房様には、心からの感謝を。
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。