AIを最初から使うかどうか?
これは誰に向けた話か?
この文章は、AIをまだ使い慣れていない人に向けて書いています。すでにAIをバリバリ活用している人というよりは、これから使おうとしている人、あるいは「うまく活用できていないかも」と感じている人を想定しています。そんな方が、AIをどう取り入れるかを考えるきっかけになればと思います。
AIの使い方には2つのパターンがある
仕事で誰かと一緒に作業をしたり、ペアワーク、モブワークなどをしていると、「AIをどのタイミングで使うか?」によって、けっこう結果が変わるなと感じることがあります。
たとえば、お客様への問い合わせや確認のメールを作るといったタスクがあったとします。そのときのAIの使い方には、大きく分けて以下の2つのパターンがあります。
パターン1:自分で書いてからAIにチェックしてもらう
まず自分で文章を書いてから、AIに誤字脱字や意味が通じているかをチェックしてもらい、そのフィードバックをもとに自分で修正する。また最終的にAIにチェックしてもらってから完成させる、という使い方です。この場合、AIは「フィードバックをくれる相手」として活用しています。
パターン2:最初にAIに叩き台を出してもらう
もう一つは、最初に「こういうことを伝えたい」とAIに投げて、文面の叩き台を作ってもらい、そこから「この部分をもう少し自然な表現に」といったやりとりを重ねながら仕上げていく方法です。最終的に自分で少し手を加えることはあっても、ベースはAIが作成します。
最初から使った方が早く進む
当然ですが、後者のほうが作業は圧倒的に早く進みます。最初にAIに叩き台を作ってもらうことで、自分の頭で一から考えるよりスピーディに始められます。
ここで大事なのは、AIは「チェック役」としても「叩き台づくり」としても使えるということです。どちらか一方に偏る必要はありません。たとえば、まずAIに文案の叩き台を出してもらい、それを自分で調整し、さらにAIにチェックさせて整えるといった両方の使い方を組み合わせることで、より効率的かつ品質の高いアウトプットが実現できる可能性があります。
叩き台に使うときの注意点
とはいえ、AIが出してくれる叩き台が必ずしも正しいとは限りません。パフォーマンスは日に日に向上していますが、それでも「誰に、何を、どう伝えるべきか」という判断は自分自身で行う必要があります。
つまり、「この叩き台で本当に伝えたいことが伝わるか?」という観点での見極めは欠かせません。ここには、単なる文法や表現以上の構造的な判断が含まれています。
「ゼロから考える」経験は減るかもしれない
もう一つ、AIに最初から任せるほど、自分でゼロから考える経験は減っていくという側面もあります。
たとえば、誰にどう動いてもらいたいのかを考えたり、構造を設計したり、問いを立てたりする力は、AIに頼らず自分でやってみることで鍛えられるものです。AIを活用しながらも、そうしたスキルをまるごと手放さないようにする意識は持っておきたいところです。
まずはやってみるといいかもしれない
いずれにしても、仕事を効率的に進めるという観点から言えば、AIを最初から使って叩き台をつくってもらうという選択は、有力な手段です。
「いきなりAIに任せるのはちょっと不安…」という方もいるかもしれませんが、まずは軽いメール文面やメモなどで試してみると、ハードルはぐっと下がります。自分の仕事のやり方を振り返ってみて、AIの使い方を少し変えるだけで、成果もスピードも変わるかもしれません。
#仕事のやり方