自分たちのやり方を最後に変えたのはいつでしょうか?
なぜ、自分たちのやり方を見直す必要があるのか?
チームがそのやり方になった時の状況、理由、背景、チーム自身の環境のようなそのやり方を選ぶ理由がずっと変わらないとは限りません。
たとえばWorkingAgreementの1つに「休む時にはリーダーの○○さんにSlackで連絡する」とあったとします。これは当時の状況の1つに「リーダーがチームメンバーの勤怠を把握する」というものがあったからだとします。現在はその状況が変わり「勤怠の把握はチーム自身で行う(リーダーに特定しない)」となっていたとします。
そのような場合、最初のWorkingAgreementはすでに役立たないかもしれません。役立たないは言い過ぎでも、もっと効率的、効果的なやり方が見つかっているかもしれません。
このように外的環境もあれば、自分たちの変化によっても今取り得る選択肢が変わるかもしれません。当時はチームメンバーの経験や熟練度が低かったため選択できなかったやり方がチームがうまくなっていくことで取れるようになっていることもあります。
このようにチームがより効率的、効果的なやり方を見つけるために定期的に見直す必要があると考えます。
「やり方を見直す」ことをしづらい理由
日々のタスクをこなすことだけに忙しくなっていると、その忙しさを理由に「忙しいし、今のやり方を見直すよりも目の前のタスクを片付ける方が大事」となってしまってやり方を見直す場を遠ざけてしまうかもしれません。
成功体験(特にリーダーが決めたことなどであれば余計に)に囚われてしまい、やり方を見直し、新しいやり方を実験する機会を逃しているかもしれません(そしてそのことにチーム自身でなかなか気づく機会がない)。
チーム全体がそのやり方に慣れ親しんでいる場合は"変える"ことそのものに対する不安のようなものから少し言い出しにくく感じてしまうかもしれません。
このような状況や認知がある場合には「やり方を見直す」提案が現状否定と捉えられてしまうこともあります。またそのような不安をメンバーが感じることで言い出しにくくなることもあります。
忙しさや成功体験への固執、変化への不安が、やり方の見直しを妨げることがあります。特に、過去に成功したプロセスやリーダーが決めたルールを変えることは、心理的な抵抗を生みやすいです。こうした壁を乗り越えるためには、「より良い状態を目指すための変化」という視点をチーム全体で共有し、変化をポジティブに捉える文化を育むことが重要です。
「やり方を見直す」具体的な方法
1ヶ月に1回など定期的な場を設けて自分たちのやり方を検査し、必要であれば見直すというやり方もあります。
また、チームがふりかえりを定期的に行っているなら、その場で特定のやり方についての話題が出てきたら見直してもいいと思います。また「今回のふりかえりは"WorkingAgreement"に観点を当てて機能しているか話そう」という風にテーマを決めてみてもいいと思います。
やり方を見直すといっても、どのように見直すか?というのが明確でない場合もあります。その場合には"一度に1つずつ実験する"という原則に基づいて、一度にたくさんのことを変えるのではなく、一度に1つずつ変えていくその都度変化を検査していくようなアプローチが望ましいです。
もし見直してみようと検査してみた結果、十分に今のやり方が機能していることがわかれば変えないことを選択するのもいいでしょう。もちろん以降も定期的に検査することはいいでしょう。
また今のやり方が十分に機能していることがわかったとしても、新たな高みを目指すという意図でなにか新しく実験をするというのも1つのアプローチです。
やり方を変える場合にはその記録を取っておくのも良いです。きちっとした記録ではなく、いつにどんな風にやり方を変えたのか?そのやり方を変えてみてどのようなことが起きたのか?チームはどのように感じたのか?考えたのか?といったようなことを記録しておきます。
やり方を見直すステップの例
1;チームのやり方をリストアップ。
2:各やり方の最後の更新日を確認。
3:最も古いものを1つ選び、効果を議論。
4:必要であれば小さな実験を計画し、次回結果を共有。
まとめ
自分たちのやり方をまず変えた方がよいかどうかを検査を頻繁にするのがこの第一歩です。
そして変えた方が良いことがわかれば、小さな1つずつの変化を取り入れてみて実験してみるいかがでしょう?