納得感に好き嫌いを混ぜない
納得感に好き嫌いを混ぜない
仕事の場で「この仕事に納得感を持てません」という言葉を聞くことがあります。その"納得感"の中身をよくよく聞いてみると、その理由の軸の大半が「単に自分の好みではない」ということもあります。
もちろん、好き嫌いは仕事へのモチベーションに影響を与える要素の1つですが、私は「好き嫌いは納得感の軸にはなり得ない」と私は考えます。
納得感は戦略や方針との整合性から生まれる
仕事における納得感は、単なる好みではなく、戦略や事業の方針との整合性によっても生まれるものと考えます。たとえば、施策Aを実行することが、現在の戦略や組織の方向性と合致しているかどうか、その度合いによって、納得感の大小やあるなしが変わってくるものと考えます。
マネージャーはメンバーが組織の戦略や事業の方針を適切に理解して良い仕事ができそうか、そして良い結果をもたらせそうかを気にかけています。
また、戦略を考える人も人間なので、自分たちが見落としているより効果的な施策があったり、(知らず知らずのうちに)戦略と施策のズレが起きていることもあります。そういう観点でのフィードバックを望んでいます。
このような軸を持っているマネージャーに対して「これは自分が好きじゃないので納得できません」と伝えたとしても、それは戦略や事業の軸とは違うため話が噛み合わないでしょう。
※「自分の好みではない」の話ですが、「利用者の状況、気持ちを考えた時に自分はこれは利用者が好まないと考える。なぜなら〜」という話なら議論の余地はあると思います。
好き嫌いの問題と納得感を切り分ける
「自分が好きなこと」を知ることは自分のモチベーションを高くするための1つの軸です。自分の好きなことに関連する要素が含まれている仕事に取り組むことは成果を出す確率を高くする作戦の1つです。そういう意味で「より好きな仕事を任せてもらうためにマネージャーと交渉する」ことも必要かもしれません。
しかし、「自分の好きなことではないから納得感が持てない(なのでやりたくないです)」という姿勢では、マネージャーからは「仕事をお願いしづらい人」と認識されてしまったりして、結果的に自分がやりたい仕事をできない可能性があります。
これは"マネージャーの言っていることを黙って全部承諾しろ"と言っているわけではありません。前述したように議論するのであれば、まずもってその軸(戦略や事業の方向性といったこと)を合わせましょうということです。
仕事を「好きになる試み」をする
「でもやっぱり好き嫌いが影響してしまう」という場合は、自分でその仕事を好きになるように取り組んでみるのはどうでしょう?
直感的に「これは好きじゃない」「やりたくない」と感じたことでも、その中に楽しめる要素や、自分の興味を引くポイントを見つけることはできます。
たとえば「この部分なら面白いかもしれない」「こういう視点で取り組むと興味が湧くかもしれない」と考えてみるのも1つだと思います。最初から嫌いと決めつけてしまうと、いつまでも好きになれませんが、意識的に楽しめる要素、好きになれる要素を探すことで、仕事の見え方が変わることがあります。
また少し取り組んでみた後に立ち止まってふりかえってみることで、経験したことから「面白いと感じている部分」に気づけるかもしれません。
このように、仕事に対する見方を自分で捉え直すことで、主体的に取り組む姿勢が変わることもあります。そしてそれは結果的に成果が伴うことも多いものです。
また、そうした姿勢によってマネージャーや他の仲間の信頼を得やすくなり「この人なら仕事を任せても大丈夫だ」と思われ、結果的に自分がよりやりたい仕事を引き寄せる可能性も高まります。
まとめ
納得感は「好きか嫌いか」ではなく、「戦略との整合性」で決まる
「好きじゃないから納得できない」という考え方では、仕事の本質を見誤る
納得できないなら、戦略や事業方針とのズレがないかをまず確認しよう
「好きになれる要素」を探すことで、納得感を持ちながら仕事に取り組める
主体的な姿勢は信頼を生み、結果的に「好きな仕事」を得る近道になる
仕事に対する納得感を「自分の好き嫌い」ではなく、「戦略との整合性」によって高めることができるともっと成果を出せたり、スムーズに仕事ができることも増えるんじゃないかなと思います。
#仕事のやり方 #考え方