機能横断型なチームになるためのアプローチ
利用者にとって役に立つプロダクト、サービスを届けるための活動をできるだけチーム自身が完結させることが望ましいです。これはスクラムでも"機能横断型"として書かれています。 なぜ機能横断型が望ましいのか?
前提として、ここでのチームは共通の目的を持ち、お互いが協働しながら、その共通の目的に近づくために集中して活動する集団とします。
そして、共通の目的にできるだけ早く近づき、実現することが、事業やビジネスが成功するために大事であるということも前提です。
その俊敏さが大事とした時に、上記のような機能横断型のチームだと目的に素早く近づきやすくなります。
一方で、チームの外の人たち(個人であれ、他のグループやチームであれ)と連携しないとこの共通の目的に近づくことができない場合、この俊敏さは落ちてしまうこともあります。
チームの外の人たちには、その人たちなりの別の目的、それを実現するために取り組むべきタスクや異なる意思決定の判断軸を持っているかもしれません。また、多くの場合、チームが異なるとその忙しさなどの状況も異なるものです。
そのため、自分たちが目的に近づくための活動を、チームの外の人たちが一番最初に取り組んでくれるとは限りません(相手には相手の事情があります)。
このような理由から、「利用者にとって役に立つプロダクト、サービスを届けるための活動をチーム自身で完結できる」機能横断型なチームは、俊敏さを高めるために効果的なことが多いです。
機能横断型なチームになるためのアプローチとしてどのようなものがあるか?
機能横断型なチームに近づくためには「自分たちでそのスキルを学んでいく」もしくは「そのスキルを持っている人をチームに招き入れる」という大きく2つのアプローチがあります。これらを上手く組み合わせることで、より早く機能横断型なチームに近づくことができます。
自分たちで学ぶ
自分たちで学んでいく場合、チーム内で学習すること外部のトレーニングを受けることを組み合わせることも効果的なやり方です。
また先に外部のトレーニングなどを受けておくと、それを参加できなかった人に共有したり、復習したり、自分たちになにが適応できるかを考えることで学んでいくこともできます。
余談ですが、このような外部トレーニングを受ける際にはチームから複数で参加することが望ましいです(理想は全員)。なぜなら、1人だとそのトレーニングに対する理解などが限定的になったりするからです。
また、後述のスキルを持つ有識者をチームに招き入れるという作戦に加えて、その人から知識や技術の移転をしてもらう仕事のやり方も1つの方法です(ペアワークや]モブプログラミング を活用します)。 スキルを持つ有識者をチ ームに招き入れる
スキルを持つ人を招き入れる方法には「社内の別チームからの移動」と「外部からの採用」の大きく2つの選択肢があります。
いずれの方法でも、自分たちにとってどのようなスキルがどれくらいのレベルで必要なのかを把握しておくことが重要です。 さらに、一時的ではなく中長期的にチームに招き入れる場合は、どのような特性や価値観を持った人が望ましいか、といった採用で大事なことにも向き合う必要があります。
また新しい人をチームに招き入れるアプローチはリードタイムが比較的長くなります。また新しく人が入ることでチームの構造や関係性が変わることもあるのでそれに対する適応の活動も必要になるかもしれません。その点を考慮すると、必要なスキルがよほど特殊で難易度が高いものでない限りはまずは自分たちで学んでみるのがいいかもしれません。
余談:チームが必要なスキルをどのようにすればわかるか?
必要なスキルの一覧、それをそれぞれメンバーがどの程度保有しているかを見える化する「スキルマップ」などを作ってみるのもオススメです。 補足:必要なスキルの重要性が低い場合は?
上記のようにスキルマップを作ったりした結果、機能横断型ではないがその足りていないスキルが自分たちの俊敏さを高める上で影響が小さい場合もあります(将来的にはわかりませんが)。そのような場合にはチームの外の人たちと協働する作戦を取り続けるのも1つのアプローチです。