智慧の車座
概要
1対N、5,6人を基本単位にした対話のやり方
チームで本音レベルの話を共有し、そこから本心を汲み出し、現実世界の本気につなげる仕組み
車座になって座り、あたかもひとつのチームのように、お互いの問題をほぐし、智慧を出し合う
所要時間はだいたい1回30〜40分程度
特徴
1. 問題を語りなおす(本人が相談したい問題を提示する)
2. 異なる視点を提供する(さまざまな観点から質問する)
3. 支援メンバーが自分の印象を伝える(問題の"リフレクション")
4. 本人が選択する(問題設定、解決案の自己選択)
5. 自己を相対化する(車座の外から客観視する)
役割
1人が相談者(テーマ・オーナー)
1人が司会進行役(ファシリテーター)
他のメンバーが支援者
場の流れ
セットアップ(2分)
場の掟
守秘義務・正解はひとつではない・素朴な疑問を大切に・無責任に発言する
問題提示(3分)
質問タイム(15分)
問題を明確にするための質問
質問は1度に1つ
2〜3ラウンドが目処
1ラウンド目は、事実や状況確認
2ラウンド目は、一人称の形が進むような質問
「どんな気持ち?」
直感を伝える(3分)
「私には〜に聞こえた/見えた」
解説をしない
テーマの再設定(2分)
ここまでがWhatの話
解決案のブレインストーミング(7分)
「賢者の話し合い」
無責任
暗黙知
解決案の選択 & ふりかえり(3分)
自分で解決案を出してもいい
運営のポイント
前半(第5ステップ)までは、本人の問題意識(What)に焦点を合わせる。すぐに解決策(How)に行かない
相談者のモードになって質問する(相談者にフォーカスする)
1人のメンバーが極端に場を支配しない。質問のリズムや幅を大切に
できるだけ異なる質問をする。幅広い方向性を持っていく
再設定したテーマは、なるべき「私のテーマ」にする。自分はどうありたいのか?といったこと
お互いが自由に無責任にアイデアを出す(自分ができているかは別)
メモ:自分で何度かやってみた時の経験
みんなで相談者の1つの問題に取り組むことができる
その場に「問題 vs わたしたち」の構図ができやすい
相談する人、される人という構図から遠ざけることができる
相談者を質問攻めにして追い詰めたり、相談者対相談される人という構図になるのを避けることができる
無責任に棚に上げることで話すことができることで、できるできないの枠が弱まりいろいろな意見が出る
自分だったらこうしようとするけどどうやろうなぁと発言できる
話している賢者自身も他の賢者の話を聞いて参考にすることができる
問いかけそのものの練習になる
事実確認からスタートして、どんどん内面に入っていく質問になっていくことが賢者の話し合いを効果的にする1つのポイントだが、そのためには良い問いかけが必要になる
ファシリテーターもポイントの1つ
多くの場合、事実確認からすぐに解決策に行きがちで、相手の内面への問いかけや自分自身の直感が場に出てこなくなる
これはこれまでの仕事のやり方に影響している場合も多いのでそういうものだと思う
相談者がある程度、自己開示できるか?というのも大切
最初から出ているのであればいいが、そうでない場合は問いかけを通じて出てくるような場になることをファシリテーターは観察して必要であれば関わっていく
参考書籍