マネジメントするとはどういうことか?
このメモは?
「マネジメントする」ってどういうことだろう?と話し合う機会があったので現時点の自分の考えをまとめたものです。
マネジメントするとはどういうことか?
マネージャーやマネジメントという言葉は、日本語では「管理」と訳されることが多いですが、英語の "management" に対応する本質的な概念が、日本語に存在しておらず、結局どういうことなの?と難しく感じていると思います。
「マネージ=何とかする」
「manage to ~」という熟語があるように、私は「マネジメントする」とは、状況を何とかすることだと考えています。つまり、ありとあらゆる手を使って、状況を前に進める。それがマネージャーの役割です。
「何とかする」は全部自分でやることではない
ここで大事なのは、「何とかする」とは自分ですべてをやることではないという点です。
自分だけでは難しいときは、人脈やネットワークを活用して助けを求める。
チームが手を出しにくいところに対して、マネージャーとして影響力を発揮する。
どうしても何とかならないと判断したときは、
スコープを調整しにいく
早期にエスカレーションする
より上位の判断や支援を要請する
こうしたことも「何とかする」うちに含まれます。
もちろん、時には自分自身がプレイヤーとして一緒に入り込んで「何とかする」こともあるでしょう。ただ、現場に“がっつり入ってプレイヤーとして解決できる”というのは、実際には限られた場面でしかないとも思っています。むしろ、チームが手を出せない/出しづらい領域を整えたり、つないだりすることこそが、マネージャーの本領です。
「進捗管理=マネジメント」ではない
「遅れてるじゃないか、頑張ってくれ」と言うだけのマネージャーは、マネジメントしているとは言えません。それは、単に“何とかする”責任を相手に押し付けているだけです。
もちろん、進捗管理が不要と言いたいわけではありません。私自身は、アジャイルの文脈であれば、進捗管理はチーム自身が行うのがより適切と考えています。
マネージャーがその進捗を見てもよくわからない場合は、「どういう観点で状況を知りたいのか」をチームにフィードバックすればよいでしょう。要は、“進捗どうですかおじさん”だけではマネジメントとは言えない、ということです。
状況を読み、準備し、影響力を発揮する
マネジメントとは、状況を冷静に把握し、必要であれば先回りし、いざ何かが起きたときに「何とかする」ための準備や行動をとること*です。
問題を早く察知できるような関係性を築く
助けを求められるネットワークを持っておく
自分自身の経験やスキルを高めておく
こうした準備を活かして、いざという時に自分の持てる影響力・リソース・人脈を総動員して「何とかする」。それこそが、マネジメントをするということだなと考えています。