ハンガーフライトのすすめ
皆さんは、こんな経験はありませんか?
同僚や普段はあまり一緒に仕事をしない人と、自販機の前でコーヒーを飲みながら話しているとき、「こういうことで困っているんだよね」と相談すると「それならこんなツールがあるよ」「この本を読んでみたらどう?」「自分も同じような時にこうしたよ」といったアドバイスやお互いの経験を交換し合う。そういうことがきっかけで自分の困っていることが解決したり、新たな経験を得られるという経験です。
飛行機乗りの世界では、ハンガーフライトという言葉があるそうだ。天候が悪ければ、良くなるまで、ハンガー(格納庫)で待つ。その間、同じように天候の回復を待つ他のパイロットと雑談をする。この雑談が、飛行に関する貴重な情報源となっていたらしいい。というのは、一人の人間が経験できることは限られているからだ。お互いの体験談を話すことによって、それぞれの経験を共有することができる。
ハンガーフライトの価値は、お互いの経験や考えを交換し合うことで、他者のそれを利用して自分の知識や視野を広げることができる点です。
1人の人間が仕事に関して経験できることは、1日8時間、1週間で40時間程度です。しかし、他の人の経験を共有してもらったりすると、それが2倍にも3倍にも広がります。また、自分では経験できなかった分野のことも知ることができるかもしれません。
目の前のタスクに一生懸命取り組み、個人の技術を磨くことはもちろん大切です。一方で学びや自分の経験を広げる方法として、一人で頑張るだけでなく、他者の知識や経験を借りることも有効だったりします。
今回紹介した「ハンガーフライト」はそういう他者から学ぶ機会になり得る1つの場かと思います。