チームのために少し勇気を出して直接伝えてみる
こんなことがあったらどうしますか?
MTG中、その内容とは違うこと(内職)をやっている様子を見かけた時、どうしますか?
チームみんなで取り組むと決めたことをメンバーの1人がやっていない時、どうしますか?
直接、そのメンバーになにか働きかけますか?それともリーダーやマネージャーになんとかしてほしいと依頼しますか?
直接伝えてみる
まずは、直接伝えてみるのはどうでしょう?
直接の伝え方としては大きく3つの形があります。
1:観察した事実を伝える
「今、ミーティングの内容とは違うことをしているように見えたけど、何かあった?」
2:自分の気持ちを伝える
「ミーティング中に別のことをしているのを見かけて、少し気になったんだけど、大丈夫?」
3:自分のリクエストを伝える
「今はミーティング中なので、できればMTGに集中してほしいと思っています。もしやらないといけないことがあれば、先にみんなで対応してもいいし、少しだけ時間を取ることもできるので、教えてほしいです」
相手との関係性によっては「相手がイヤな気持ちになったらどうしよう」「なにか仕返しされたらどうしよう」「自分も時々やってしまうし、言える立場じゃないの」などいろいろ気になることもあるかもしれません。
ですが、目的に到達するために(その時は一瞬)耳が痛い、気まずくなることでも言うといった"誠実なコミュニケーション"をチームでできることが大切です。こういうことが言い合えるチームには規律が生まれますし、効果的な取り組みができチームのパフォーマンスも変わってくるものです。
これは「ルール違反を取り締まるために監視しよう」という話ではなく、チームの到達したい目的、そのために「今、なにに集中するのか?」「われわれはなにを大事にするのか?」という観点から振る舞おうという話です。
みんなの学びになる
伝える人、伝えられる人、その一連の出来事を見ている人、すべての人々にとって学びとなります。
伝えた人はいろいろなフィードバックを受けることができますし、伝えた行為そのものが経験として残ります。
伝えられる人は自分の行動をアップデートするきっかけにすることができます。
その一連の出来事を見ている人(伝える人、伝えられる人含む)は言葉の使い方やその時の態度、雰囲気などを見ることで自分の引き出しを増やすこともできますし、自分だったらどうするかな?という思考実験のきっかけにもなります。また"誠実なコミュニケーション"をどのように扱うといいか?という体験をみんなで共有できます。
リーダーやマネージャーが相談を受けた場合
では、メンバーの1人が上記の話をチームリーダー/マネージャーのあなたに相談してきたらどう伝えますか?
こういう時の対応として以下の3つの分類があります。
1:その人が本人に直接伝えることを勧める
「このことに関するあなたの心配事、気持ちを相手に直接伝えてみましたか?」
その人が本人に直接伝えることを望まない場合は2に進みます。
2:一緒に本人に伝えることを提案する
「このことに関するあなたの心配事、気持ちは相手も知った方が良いと思います。私も一緒に行くと助けになりますか?」
その人が(一緒に伝えるとしても)不満を伝えがらない場合は3に進みます。
3:自分が代わりに伝えることを提案する
「このあなたの心配事を私からその人に伝えてもいいですか?」
これはできるだけ避けるようにします。これを頻繁にやってしまうと"不満を伝達するメッセンジャー"になってしまいます。また伝えられる側としても(言い方次第ですが)"間接的に伝えられる"状態になってしまいます。
まとめ
「直接伝える」ことは決して簡単ではありません。 勇気がいるし、うまく伝わるか不安になることもあります。
それでもチームが成長し目的に到達するため直接伝えてみる。この一歩が、規律あるチームになり、より誠実で信頼できる関係性を育てていきます。
まずは、気になったことをそのままにせず、 事実や気持ちをシンプルに伝えるところから始めてみると良いと思います。