ゆとりを持つために予定をすべて埋めないという作戦
ゆとりを持つ方法として、すべての予定を埋めないという方法があります。
1日8時間の稼働時間とした時、そのうち6時間分を使える時間として考えて計画するというものです。1週間単位で考えると2時間×5日間の10時間を余白としておくということです。
物理的な余白の時間を作るメリット
物理的な余白の時間を作っておくメリットとして以下のようなものがあげられます。
急なタスクへの柔軟な対応が可能になる
日々の業務の質を向上することが可能になる
精神的な余裕が生まれストレスが減る
新しいアイデアを生み出すことができる
急なタスクへの柔軟な対応が可能になる
1週間単位で予定を立てていても、その日のうちに対応しなくてはいけないタスクが発生したり、見落としていた必要なタスクが見つかることがあります。このような場合に時間的余白があることで他への影響を考えずに取り組むことができます。時間的余白がないと他のタスクと比べて判断したり調整が必要になったりします。
日々の業務の質を向上することが可能になる
日々のタスクに取り組む中で「なんとかできたけど、わからなかったことが残っている」「このやり方で今回はできたけど、もっと良いやり方があるのでは?他の人はどうしているんだろう?」ということもあります。そういう場合にこの余白の時間を使って、自分で調べたり、チームメンバーや有識者と相談したりすることで学び、業務の質を向上することが可能になります。
精神的な余裕が生まれストレスが減る
時間に余裕がない状態だと追い立てられているように感じてしまい知らず知らずのうちに精神的なストレスを受けてため込んでしまう人もいます。このような状態だとチームメンバーの相談や会話においてもどこか余裕がなく短絡的な結論に飛びついたりします。またストレスが高い状態では関係の質が上がるような会話も十分に取れなくなります。
新しいアイデアを生み出すことができる
このような物理的な余白があることで現在のトレンドを調査したり、広く現状や未来に想いを馳せることができます。このような活動が現状の延長線ではないような新しいアイデアを生み出すことにもなります。
具体的な余白の作り方
先に書いたように1週間で10時間(2時間×5日)の余白を取る場合ですが、チームが計画づくりを1週間単位でしているなら、タスクをサインアップする際にお互い1日6時間分、1週間30時間分になっているかどうかを相互に検査してみるのも1つのやり方です。
また個人レベルでも自分のカレンダーに余白の時間を確保することで他者からMTGを入れられたりしないようにするのも良いと思います。
チームで仕事をしているなら余白の時間はチームで合わせるのも1つです。その他の時間はタスクを終わらせることに集中して、相談したり、ペアやモブワーク(モブプログラミング)に取り組んだりします。 「でもやらなければいけないことがある」という話
多くの場合、こういった余裕を作ることに対して「でもやらなければならないことがたくさんある」という声が出ます。しかし、余白のない状態で長く過ごしてしまうと、日々の成長をする機会が減ってしまったりして、中期的には成長が停滞してしまいます。いわゆる"木こりのジレンマ"に陥ってしまいます。一時的にやる量、やれる量を少なくして余白を作り、その余白の中で業務の質を上げるための学んでいったりすることで、急なタスクを効率的に対応しその急なタスクが次は発生しないように手を打つなど業務改善をしたりすることも結果的にできる仕事の量が増えることにもなりますし、質もよくなります。 このような決断をチームが自律的にできるのが'理想ですが、組織によってはマネージャーが決断することでチームが安心して余白を含めた計画づくりに取り組むことができます。