その場に新しくやってきた人にしかできないこと
このメモは
新卒や中途など新しくやってくる人が比較的多い伴走先の現場に向けて書いた文章です。
素朴な質問の価値
新しくその場にやってきた人にしかできないことがあります。それは、現在その場で行われているやり方などに対して素朴に質問することです。その場で出会うすべてのことを新鮮な目で見ることができるからこそ、疑問が湧き出てきます。その疑問をそのままにするのではなく、素朴に質問してほしいと思います
ここでの新しくその場にやってきた人とは、新卒だけではなく、中途入社の方もそうですし、新しいチームや部門に移った人なども含みます
この新鮮な目や疑問に思うこと(時には素朴に質問することも)は、多くの場合、数ヶ月、長くても1年もすれば弱くなりがちです。その後は、全くそういう目で物事を見なくなったり、疑問に思わなくなったり、質問をしなくなったりしてしまいます。
もちろんこのような視点を持てるか、行動するかといったことは個人差があると思いますが、人間の持つ「環境に慣れる」能力がそうさせるものなので良い悪いということではありません
質問への対応がもたらす気づき
そのため、その場に新しく入った人はその状況を存分に発揮して、どんどん質問してほしいです
一方、その質問を受ける人たち、つまり以前からその場にいる人たちやそれに取り組んでいた人たちは、「前からこうだったから」「ルールで決まっていることだから」「黙ってこれをやっておけ」などという反応や対応ではなく、新しくやってきた人たちの質問に、そして質問そのものをしてくれたことに感謝しつつ、向き合えるといいなと思います
そのような質問に答えようと考えてみると、自分たち自身もその理由や背景を(自分自身で)納得できるほど詳しくわかっていないとわかるかもしれません。また、当時は納得できていた理由も、今となっては状況が違って納得度合いが変わったいることがわかるかもしれません。やり方も別の方法が見つかっていることもあるでしょう。そういう時には、それを思い出させてくれたことに感謝を伝え、そのやり方をアップデートしていくと良いでしょう
質問する際の気づかい
質問する人たちはどんどん質問をしてほしいのですが、1点気をつけた方が良い点があります。それは、当時の決断や現在のやり方を「愚かなことをやっている」と貶めないことです。当時関わっていた人々は状況に応じて、その時点で持てる知識やリソースを使ってベストを尽くしたことを信じてほしいです
繰り返しになりますが、新しく人がやってくるということは、その場のやり方、あり方や関係性を見直す大きな機会になります。こうした機会を自分たちだけで意図的に作るのは難しいことです(もしそれができているのはそれはそれで素晴らしいことです)
ですので、チームや組織がもっとうまくなれることを目指して、新しくその場にやってきた人にしかできないことを活用してみてほしいです