うまく行かなかったことを積極的に話す
マネージャーやリーダーは自分が実際にやってうまくいかなかった出来事をより積極的に話してみるとよさそうです。積極的にうまくいかなかった出来事を話すことは以下のようなメリットがあります
うまくいかなかった出来事を開示することで相手との距離が縮まる
時にマネージャーは(本人が望まなくても)メンバーから"自分より優秀"という前提で見られることがあります。さらにその前提から"なんでもうまくできる人"と思い込みを持たれることもあります(ここまで極端ではないかもしれませんが)。これらが強くなると「自分とは別種の人間」のような見方になりどこか話しかけるのを遠慮したりしてしまう行動を誘発してしまうかもしれません
そのような状況において、マネージャーがうまくいかなかった出来事を話すことで、「優秀そうに見えるこの人でもうまくいかなかったことがあるんだ」と相手が感じ、話しかけやすくなるかもしれません。このうまくいかなかった出来事を話す際にには(相手と同じような)経験の頃でもいいですが、最近のうまくいかなかった出来事の方が望ましい場合があります。つまりある程度の責任ある役職についているマネージャーでも(今でも)うまくいかなかった出来事はあるんだと知ることで、現在の関係性に影響を与えることあります
相手がうまくいかなかった出来事を話してくれるようになる
1つ目に書いた距離が縮まるようになることにも関係しますが、自己開示とマネージャーとの距離が縮まることにより、メンバーが自分のうまくいかなかった出来事を積極的に話してくれるようにもなります。マネージャーに対してうまくいかなかった出来事を話そうとしても評価や叱責を不安に思い正直に話せないこともあるかもしれません。そんな場合でも、マネージャーが自分からうまくいかなかった出来事を話すことで、安心して話すことができるようになることも多いです。
余談ですが、マネージャーが実際にうまくいかなかった出来事を話すことも大事ですが、場づくりの文脈で「この場はうまくいかなかった出来事を話しても評価に響くことはない。その出来事をインプットにお互い学んでいこう」といったグラウンドルールを共通認識として作っておくことも有効です
うまくいかなかった出来事から学ぶ機会になる
前述にあるようにマネージャーが最近のうまくいかなかった出来事を話すことは、(もしかすると)将来その話を聞いているメンバーが近い状況になり、その状況に対して取り組んだ時の出来事を少し先回りして学ぶこともできます。もちろん誰しもマネージャーになるわけではありません。それでも比較的幅広い経験をしているマネージャーのうまくいかなかった出来事を聞き、自分なりに思考実験をしたり、意見交換をすることで擬似的に学ぶことができます
またメタ的な視点ですが、うまくいかなかった出来事を話すことそのものから学ぶこともできます。このような出来事を話すには勇気もいりますし、ついいろいろ言い訳のようなことも付け足したくなります(防御反応として)。ただマネージャーがこのような出来事を事実と解釈、判断、またその時の感情などを分けて扱い、簡潔に話すことを実際に見せることで、うまくいかなかった出来事の取り扱いそのものを学ぶ機会にもなります