「誰も反応しない会議」を活発なコミュニケーションの場に変える方法
「誰も反応しない会議」を活発なコミュニケーションの場に変える方法
オンラインまたは対面の会議で、発言者が何か発言しても誰からも反応がない状況は時として起こります。リアクションも相づちの声も反応する声もなく、そのような会議の場はなかなか活発に進行することはできません。その結果として、発言者のモチベーションは下がり、エネルギーは消耗していき、その人が発言しようとする気持ちを萎えさせてしまうこともあります。
「誰も反応しない」状況がなぜ生まれるのか?
「誰も反応しない」状況がなぜ生まれるのでしょうか?その理由はいろいろあると思いますが以下の3つを上げてみます
1. 話題やその発言に対する関心がない
2. 発言内容に対して同意できていない。同意できていないことを反応しないことで示す
3. 発言することはあるが、そのタイミングを見計らっていたりする(誰かの発言を待っているなど)
「誰も反応しない」状況が起きた時、場に対してその理由を見つけてみるアプローチをすることで状況をよくするヒントが見つかることもあります。
後述するように事前に会議のグラウンドルールなどを話し合い、参加者で決めておくことである程度緩和することはできます。しかし、実際その場になった時にメタ認知的に問いかけることも効果的なこともあります。 反応があると何が嬉しいのか?
誰かの発言や場の状態に対して反応することは何が嬉しいのでしょうか?
まず何よりも、反応するということは、相手の発言を少なくとも受け取り、理解したということを示すことになります(同意、不同意や理解の深さは別として)。なので、反応する際に自分なりの理解やそこに何か付け加えることで、その場にいる人々(本人含む)の理解を深くすることができます。またこのようなやりとりを通じて、新たなアイデアが生まれることもあります
加えて、発言に対して反応し合うことで、コミュニケーションが活発になり、会話が続きやすくなります。場に熱量のようなものが満ちてくるようなイメージです。場に熱量があると、参加者はそれに影響を受けてより活発に発言しやすくなったり、他の人もその発言に対してより反応しやすくなるなどの相乗効果のようなものも産まれやすくなります。
そして何より大切なことが、反応することで相互理解と信頼関係が深まることです。相手の発言に反応を返せば、相手も自分の言ったことが受け止められ尊重されていると実感できます。それによって不安が柔らなくなり、場や相手に対して信頼できるようになります(まだ土台かもしれませんが)
特にオンライン会議などでは、相手の反応が伝わりにくいため、不安を覚えてしまい積極的に関与できなくなるリスクがあります。そのため、オンラインでこそ、リアクションの確認や言葉での受け止めなど、反応し合うための工夫が必要になります。
反応し合うということは、単なる「傍観者」ではなく、積極的に関わり、場の質や議論の質を高め、より場をよくしていくことで信頼関係を構築し、場の目的を達成するために関わっていく1つの大事な活動になります
反応がない状況を打破するには?
このような状況を打開するには、まず会議の冒頭で「この場はフラットであり、全員が発言や反応を求められる」というグラウンドルールを示すことも有効です。
単に言葉で伝えるだけでなく、ファシリテーターが質問を投げかけたりチェックインとしてまずはみんな発話してみることで、場に参加する状態に近づけることもできます。
さらに、一定の時間(例えば20分ごと)を区切りとして会議の進行を一旦止め、メタ的にふりかえりの時間を持つこともおすすめです。この時間では、会議の進行状況、参加者の発言の活発度、場の空気や権力関係の影響などを客観的に検査します。そして、工夫できる点やもっとうまくできる点、うまくできている点などを話し合い、次の進行に活かしていきます。
他にも、反応することの当たり前さを伝えることも必要です。伝えて終わりではなく、それを実際にやれるように練習してみるのも一緒にやってみるといいかもしれません。
まとめ
このようにして、グラウンドルールの共有、ファシリテーターによる場の活性化、内省の時間の設けるなどのアプローチを組み合わせることで、自らが場の質を評価し改善する機会を意識的に作ることができます。
さらに、反応することの重要性を伝え、実際に反応し合う練習を行うことで、参加者全員が活発に意見交換できる"善き"議論の場を継続できるようになっていきます。そうなると、「誰も反応しない」という望ましくない状況は減っていくと思います。