“まずは1人でやる”より、“最初はみんなでやる”という作戦
チームの誰もがまだ取り組んだことのない課題や完了までの道筋があまり見えていない課題に挑戦するときに、“まずは誰かが1人で試す”というアプローチを取るのを見聞きすることがあります。もちろんこの方法でも突破できるならいいのですが、"最初にみんなでやってみる"というアプローチを紹介してみます。
"最初にみんなでやってみる"ことで、知識や理解の分散を防ぐことができたり、早めに今の状況について共通認識を持てるという特徴があります。
よくあるうまくいかないパターン
この“まずは誰かが1人で試す”アプローチについて掘り下げてみます。
このアプローチでよく見られるのは、まず先行した1人がやっていき、うまくいかないとわかった時点で、呼びかけたりして新たに人が関わっていくような形です。
このアプローチは以下のような点で効率が悪くなりがちです。
最初にやっていた人が、後から関わってきた人に説明するコストがかかる
自分が「なにがわかっていて、なにがわかっていないのか」「ここまでなにをやってきたか」を明確に言葉にして説明するのは意外と難しかく、混乱していたりすることも少なくありません
後から参加した人は背景を理解するためにキャッチアップの時間が必要になる
1つ目の裏返しになりますが、そのような状況にある人から適切に情報を伝えてもらったり、聞き出したりするのが大変なこともあるし、時間をかけてもそれを適切にキャッチアップするのに苦労します
このようなことが起きると、結果として無駄が多くスムーズに進まないことが少なくありません。
おすすめのアプローチ
私が推奨しているのは"最初にみんなでやってみる。やっていきながらちょうど良い人数を見つけていく"というアプローチです。
1. 最初は全員で取り組む
新しい課題に取り組む際には、できるだけ多くのメンバーが参加します。 ちょっとやってみると「あ、自分はこの課題の解決には貢献できそうなことはないな」「さすがにこの人数は多くて効率が下がっているな」ということに気づきます。
2. 徐々に人数を減らす
例えば、最初は5人で始めて「3人で十分だな」とわかったら人数を絞っていきます。さらにその3人でしばらく続けていくと「ここからは1人でも、あるいはペアでも対応できる」と判断できたら、さらに減らしていきます。
3. ちょうどよい人数を見つける
このように、最初に1人で始めるのではなく、みんなで取り組み、わかったことを踏まえて減らしていくことで、その活動に必要なちょうどよい人数を見つけやすくなります。
まとめ
最初は全力でみんなで取り組む
その後、徐々に人数を減らしながらちょうどよい人数を見つける
人数を追加して探るのではなく、減らしながら見つけていく過程で、実際の経験から今の自分たちに合った効果的なやり方を素早く見つけられると考えています。そうすることで、結果的により早く課題を解決でき、ものごとが前に進むのではないでしょうか?