ラダーリング
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ラダーリングはラダーアップとラダーダウンからなり ます。ラダーアップとは、被験者の根源的心理状態に近づけてゆくための質問であり、ラダーダウンとは対象の具体的状態を定めてゆくための質問です。
例をひいて説明しますと、A という椅子と B という椅子を比べた場合に「A の方が背もたれが大きいから好き」という評価が現れたとします。これをラダーアップするには「背もたれが大きいとなぜよいと感じるのですか。」と聞き、「疲れないから」というような、より抽象性の高い表現へと導いてゆくのです。
逆にラダーダウンとは「A の方が疲れなさそうだから」という評価が現れた時に「疲れないための条件はこの場合なんですか」と聞き、「リクライニングできる」「クッションが適当な硬さ」といった具合に、より具体性の高い表現へと導いてやることです。
この手順を繰り返すことで認知構造全体を「定性的に同定」するのが評価グリッド法ということになります。もちろんこれは人間が知覚しうる一面だけの評価であり、具体的な椅子の設計にいたるには別の面からさらに定量的な検討をすることが必要です。