アインシュタインの等価原理
最近、娘が自分の制服のブラウスのアイロン掛けを自分でするようになった。軽く脱水したものにスチームアイロンをかけて済ませるので、電気洗濯機の脱水を途中で一度停めて、ネットに入れたブラウスだけ取りだして、他の洗い物はさらに脱水する。一時停止は、洗濯機の前で身構えて人間がやるしかない。うちの洗濯機は、わが家の大型家電に残された最後の National 製品だ(ちなみに電子レンジは最後の SANYO 製品)。
この時、すすぎが完了した後、洗濯槽内の水が抜かれ、脱水に移行するが、すすぎ水の排出に、そこそこ時間がかかる。
洗濯機の前で、娘とふたりで一時停止のタイミングを見計らっている間に、「すすぎ水の排水と脱水は、本質的には同じこと。排水とは、重力加速度1Gで脱水しているのと等価。だから、排水したまま放置しても、やがて脱水したのと同じ状態に達する。黴びるけど」という話をした。納得したような、しないような、という気配だった。
しょうがない。これ、突き詰めると一般相対性理論の話だから。
物理学の基本的の力の中で、重力がいかに小さな、文字どおり桁違いに小さな力であるかを実感できる機会は、けっこう多い。地球の重力、電気洗濯機の脱水力に完敗ですから。