私の研究テーマ
English version is available from here. とりあえず現状までで、自身の研究上の関心(Research interests, Research topics)をまとめてみる。
研究者としての私の紹介にもなるだろうし、自分自身の次の方向性にもつながるだろうし。
修士論文: 「性別移行の「病理化」と「医療アクセス」—— 現代日本における性別移行医療の(脱)病理化論」
具体的には、「現代日本の医療領域において、ジェンダー非定型な人々の病理化と性別移行に関する医療制度の成立がどのように関連しているのか」を明らかにした。
研究分野:医療社会学/トランスジェンダー・スタディーズ
修論で特に焦点を当てたテーマ
具体的には以下のものがある:
医療社会学とトランス・スタディーズ間の緊張関係(方法論の決定)
性別移行のための治療の正当性の構築プロセス
分析視角・研究方法:歴史社会学(医療化論)・医学言説研究
グローバル化する性別移行医療の制度と、その日本における輸入
分析視角・研究方法:歴史社会学(医療化論)・医学言説研究
「公的な」性別移行医療とその他の医療アクセスの関係性
研究方法:フィールドワーク、医学言説、資料調査
性別移行医療における「診断」のプロセスと効果
研究方法:性別移行医療を利用する人々へのインタビュー調査
病理概念、診断モデル、医学的介入に関する(性別移行医療を利用する)人々の両義的な感情と向き合い方
研究方法:性別移行医療を利用する人々へのインタビュー調査
現状これらの内容をもとに、複数の論文投稿を予定中。
今後の研究の方向性として考えていること
トランス医療の枠組みのグローバル化システムと日本への輸入(歴史社会学・医療社会学)
トランス医療における医療従事者に対する経験的研究(医療社会学)
臨床実践やその意味づけ
医療アクセスに関する国家間の比較(比較社会学)
国家間の医療(保障)制度、ないしは文化社会的背景の差異がトランスアイデンティティ、医療へのアクセス、身体的な移行の選択、病理概念との距離の取り方などに、どのような差をもたらしているのか
SRHR(Sexual and Reproductive Health and Rights)との関連性での性別移行医療の正当性構築の議論(生命・医療倫理、フェミニズム)
もっと将来的には...
性別移行以外のトランスの医療・健康問題にもアプローチしたい(ジェンダー論、STS)
認知的不正議論(STS)
おそらく、医療社会学とイギリス障害学の緊張関係とパラレルに議論可能だと思われる
インターセクショナルな医療経験への着目
例えば:Neuro-diverseな人々にとっての「実生活経験(RLE)」
例えば:子供であることとトランスであることの意味づけの変化
単に社会学研究者としてだけではなく、現実の目の前にいる人々に対して何かしてあげることが可能なことをやりたい(...なんらかの臨床家になる?)