NFT
Non-fungible tokenの略
ジャック・ドーシーが最初のツイートを3億円で売ったというので調べてみた
調べてみた雑感
それNFTじゃなくてもできるんじゃね?という案件が多い
例:「限定20個」みたいに制限を付けるのは普通のECサイトでも可能
シリアル番号を埋め込むのもデジタルコンテンツなら普通に可能(例:pragmatic bookshelf)
新規性
通常の絵画などは転売時に価格が上がっても作者には何も入らないが、NFTの場合は転売時に一部を作者の口座に振り込ませる(というか、そうしていない取引をエラーにする)ことができる
Ethereum等はブロックにプログラム(Ethereum VMオペコード)を入れられるのでそれでチェックするんだと思う
NFTについて
NFTアートを購入することは、通常の絵画等を購入するのとはだいぶ意味合いが違う
アートを「所有する」というよりも、「所有者と名乗る権利を得る」というべきではないか
「所有」の概念を書き換えようとしている
これはNFTが最初ではなく、デジタルコンテンツの所有は物の所有とけっこう違っている
例えば電子書籍は購入してもサービスが終了したら消失する可能性があるし、あるいは運営の判断で強制削除することもできる(例:2019年の電気グルーヴの配信中止騒動)
ソシャゲの「ガチャ」も似たようなものだが、キャラの絵が手元にあることを「嬉しい」と感じる人は多い(それこそ大金を投じるほどに)
「所有」の概念を書き換えることで誰がメリットを得るのか
例:ジャック・ドーシーは何を得たのか
当該のサービスはTwitter上の投稿をNFTと結びつけるものだったので、話題になることでTwitter社にメリットがある
ツイート(のNFT)を買った人は何を得たのか
ブロックチェーン分野の社長らしいので、NFTが話題になることで会社に直接・間接のメリットがある
その他の、NFTに大金を突っ込んでる人たちは何をしているのか
NFTを転売することで利益を得ている
高値で買う奴の気が知れないが、そういう人間がたくさんいれば利益が出る可能性はある
ブームが終わったときに売り抜けられなかった人が損をする、でかいババ抜きをしている
これって所有だよね、という共通感覚ができることで得をする人もいる
NFT売買サービスをやってる人
暗号通貨交換所をやってる人
デジタルアーティスト
前述の、転売時に分け前がもらえる(ようなシステムにできる)という話
あとデジタル作品は値段を上げるほど複製されるリスクが高まるが、NFTで「閲覧」と「所有」を分割することで後者の値段を青天井にできる
極端な話、閲覧は誰でもできるとかでもよい
問題はこの「所有」に金を払う人間が(NFTブームが過ぎたあとでも)いるのかどうか
NFTは普及するか
現代美術方面で普及する可能性はありそう
こういう新しい概念と親和性が高そう
デジタル作品にも大金が投じられるようになることで面白いものが出てきそうで夢がある
一般人が使う可能性はあるか?
名誉にどれくらい金を払えるか、というのがネックになりそうだが
Skebとか見てると、うまくやればえらいことになりそう お気に入り絵師のイラストを自分の「コレクション一覧」に表示できる権利、を売買する
NFTの課題
暗号通貨の値段が不安定すぎる
NFTを買うためにはまず暗号通貨を手に入れないといけない
永続性の問題
売買サービスが潰れたら、「おれはこのコンテンツを所有してたんだ」という思い出だけになってしまう
ブロックチェーン上の記録は残るかもしれないが、それにどれほどの意味があるのか…
少なくとも他人にみせびらかすのは難しくなる
proof-of-workは電気を食いすぎるという批判
その他の話
ゲームアイテムに使うという話
1社では意味ない(NFTでなくてもよい)が、複数社、あるいは極端な話「誰でもこのアイテムを使ったゲームを作ることができます」というのがNFTならできる