社会契約説三羽がらす
from 2025/06/01
社会契約説三羽がらす
ホッブス、ロック、ルソー
教科書的に謎に横並びの比較表で語られる奴
実際に著作を読むとかなり違うし、別では?という奴
うどんとラーメンとスパゲッティの共通点と相違点を論じる料理評論家とかアホでしょ
まぁ確かに麺類ではある。麺類では。
ホッブス
加藤弘之(かとうひろゆき)
明治新政府のイデオローグ
ルソー
中江兆民(なかえちょうみん)
自由民権運動のイデオローグ
ジョン・ロック
戦前は政治思想としての需要はなし
Two Treatises of Governmentの翻訳は戦後
鵜飼信成 訳、岩波文庫「市民政府論」>後半部分のみの訳出
現在の加藤節訳がでるまでのスタンダード
わたしも中学生の頃に買って読んだけど、鶴飼訳はクソ訳(当時の中学生の私がプロジェクトグーテンベルクとかで公開されていた英語の原文とあわせて読みながらの感想)
他にも中公訳とかもあるけど、現状なら加藤訳が無難
加藤訳は研究者の抑制的な訳なんで、思想書として読むのに手軽?かと問われるとビミョー
戦後の日本民主主義という背景で読むなら鶴飼訳でよい(後述の松下の理解をするのであればなおのこと)
松下圭一(まつしたけいいち)
戦後民主主義のイデオローグ?
とりあえず加藤の流れからは目の敵にされてた
たぶんコミュニストからも近代主義者、プチブル思想家として嫌われてそう
社会契約説の受容として、ゴリゴリの神聖国家論者(加藤)とふわふわユートピア国家論者(中江)がメインで、ジョン・ロック流のリバータリアンな社会契約説が本邦社会には実装されてない、というとちょっと粗雑すぎるかも
何にしろ、ジョン・ロックの受容が遅かったというのは事実になる
本邦でゴリゴリの自由主義者やるととりあえず浮く
自由権を称揚すると自称自由主義者のリベラリズムになんか違うという顔をされる
加藤と中江の差分
天賦人権をめぐって>ここやってることは政治神学
加藤「人権新説」
中江「民約訳解」
国会開設をめぐって>具体の統治手法をめぐって