なぜ「スクラム開発」という用語に違和感があるのか?
なぜ「スクラム開発」という用語に違和感があるのか? | Ryuzee.com
スクラムには「(比喩的に)全員が一丸となること。一致団結すること」という意味もあります(デジタル大辞泉)。 もし「スクラム開発」=「みんなで一丸となって開発すること」を意図しているのであれば、これは特に違和感はありません。
しかし、アジャイル開発のなかでよく使われるのがスクラムだということを考えると、より明確さを出すために、「アジャイル」という単語を「スクラム」に置き換えたものだと考える方が自然です。 つまり「スクラムを使った開発」を「スクラム開発」と呼んでいるのです。
スクラムガイド2020年版では、「スクラムの一部だけを導入することも可能だが、それはスクラムとは言えない。すべてを備えたものがスクラムであり、その他の技法・方法論・プラクティスの入れ物として機能するものである。」と言っています。 これを踏まえると、スクラムは度合いで評価できるものではないと考えるのが妥当そうです。 所詮フレームワークなので、「あなたの組織は、どれくらいスクラムか?」という質問は意味をなしません。
形容詞+名詞(英語の場合、日本語だと形容動詞+名詞)の組み合わせになっていて、度合いを評価できる「アジャイル開発」から、名詞+名詞の組み合わせで度合いでの評価ができなさそうな「スクラム開発」に無自覚に置き換えている点が違和感の元でしょう。