デザイナーとしてのアクセシビリティとの向き合い方
ユーザビリティの高いものを作るために、デザイナーは、どんなユーザーが、どんなときにどんなふうに使うのかを想定しながら設計していきます。そのユーザーの利用状況は、当然それを届けたい対象としてそれなりに納得感のあるものでしょう。ほとんどの製品なりシステムなりサービスは、それなりの人数に売れるように作られるだろうし、そのためにはそれなりの人が使えなければなりません。 アクセシビリティの観点を知らなくても、デザインしたものを誰かに使ってもらうことはできます。それは障害者や高齢者、あるいは何か想定外の状況にあるユーザーでも使えるかもしれません。しかし、アクセシビリティの観点を持っていなければ、どんな状況で使えてどんな状況で使えないのかを想像して作ることができません。なので、最初に作った製品Aはアクセシビリティがとても高いが、次に作った製品Bはそうでもない、なんていうことが起きてしまいます。 アクセシビリティの観点を持つというのは、安定して毎回アクセシビリティが高い状態でものを作れるようになることなのではないでしょうか。前に作ったものを使える人が、次に作ったものもまた使えるという状態にできるるというのが、デザイナーがアクセシビリティの観点を持つ意義なんじゃないかと思っています。 であれば別に、わざわざ作り終わってからチェックしなくてもいいのでは?ということになるのではないでしょうか。チェックリストを先に作って、ある程度デザインができてきたらチェックをして、NGになった場所を直しつつブラッシュアップして、できあがったら再度チェックをするようにすれば、作り切ってから全項目のチェックをして、たくさんNGが出て作りなおしになってしまうよりも効率がいいはずです。