東京ゲームダンジョン6 感想
感想の主な観点は新規性。既存のゲームとは異なる新しくて良い要素が無いか見に行った。
以下、順不同で試遊したサークルの感想を書いていく。
D-17 221Games
プニヒ運輸(仮)
プニヒローダー2のサークルが今回はレースゲームを出してきた。プニヒが乗る輸送車を使ってコースを走る。
マリカ風味のドリフトとミニターボが実装されている。
せっかくのプニヒが三人称視点で全く見えないのが惜しい。というかプニヒは人間と体型が違うのだから、人間用っぽい乗用車やトラックに乗せるのは設定が活かしきれてないのではないだろうか。個人的にはR2-D2みたいに上半身が露出しているのがかわいくて好き。それこそプニヒローダーなんて名前から運輸感があるのでこれを輸送車として使えば良かったのではないか?
レース車両でなく輸送車でレースをやるなら、積み荷の状態(壁に当たると状態が悪化する)とかもゴールタイムと同様に評価項目に入れられそう。
D1 RaStar Studio
別々のゲームを3本展示していたのでARゲームのみ体験。
二丁サブマシンガンで敵を倒していくゲーム。かなり3DSの顔シューティングに近い。
サブマシンガンは弾切れになると撃てなくなるが、銃口(コントローラ)を上に向けてトリガーを引くとリロードする。これがかなり自然な体験だった。とにかくトリガーを引くという操作しか無かったのが良かった。
E-7 FThingSoftware
三態変化アクション アクアクションメタモルフォーゼ
固相、液相、気相の三相に変化するスライム君をゴールまで操作するアクションゲーム。パズル味があってコンセプトはかなり新しくて面白そうだと感じた。
ただし実際は液相だけでクリアできるルートがあり、うまく差別化できていないのではないかと感じた。
固相と気相でバグがあったこともありうまくコンセプトを実装に昇華できていないと感じた(昇華だけに)。現状液相の実装だけで開発が間に合っていない感じがした。コンセプトは好きなので今後に期待。
A-9 Tonkobitta
横スクロールホラー風探索ゲーム(?)。
プレイアブルキャラクタが箱やふすまを掴んで移動できるアクションでどんどん次の部屋を目指して冒険する。
今回のデモは世界観の提示がメインらしい。ゲーム体験としてはよくある形だった。
おそらく、トンカチを振るおじさん(?)が建物を建て続けて無限城を作っちゃった感じの世界で女の子が赤子を背負って脱出しようとしている。赤子に何か秘密がありそう。トンカチを振るおじさんのギミックで地形がどんどん追加されるようになるとかなり面白いのではないかと感じた。
今後の開発でもしも女の子が重力子放射線射出装置を手に入れたらもれなくBLAME!になってしまうのだが、もしかして影響受けてたりするんだろうか?世界観の換骨奪胎としての昭和風味なら興味深い。
H-9 Motto
3文字限定対戦クロスワード
既に盤面にある文字を含む3文字の単語を盤面に追加していく。CPUと対戦する。
体験としてはほぼもじぴったんだが、単語を下から(右から)読んでもいい点、3文字全てが既に盤面にあっても新しい単語を見出せばポイントになる点が新体験だった。後者はようするに、新しい単語の判定を「1つ目の文字」と「1つ目の文字から読み始める方向」の組合せで行っているので、新しい組を見つければ新しい文字を追加しなくても良いということ。
試遊中はどうやって単語を判定しているんだろうと思っていたが、おそらく3文字だけの単語が入った辞書が内蔵されているのだろう。
F-8 LabyLab
ラビィとふしぎな惑星
クイズゲーム。スマートフォン対象。
とにかくグラフィックが綺麗なので企業かゴリゴリのフリーランスが関わっているのではと感じた。
ゲーム体験はほぼほぼみんはやと同じで、単純にクイズを解いていく感じ。個人的にはもう少し新しさが欲しかった。
「ふしぎな惑星」と言いつつ、プロローグでラビィと同型のロボットが原住民顔で登場するので世界観がよくわからなかった。
B-9 UNLIMITED GAMES
Variable Arms Frontier
航空機に変形するロボで戦う。オープンワールドゲーム。
アセットは全てUEのサンプルを使っているらしいが割とクォリティ高めだった。
変形シーケンスがまだ無かったので実装に期待したい。
オープンワールドで所謂「馬」の役割として航空機へ変形するとのことだったが、それだと航空機だけでよくなってしまう場面がほとんどな気がするので、どうにか理屈を付けてほしいと思った。ロボ状態と航空機形態でカメラやブーストなどの操作感が変わってしまうのが少し気になったが、慣れれば問題ないかもしれない。
F-12 三ツ矢工房
ゲームではなく入力ツールの宣伝っぽい。
特殊なボードの上に特殊なカードを乗せると、ゲームエンジンにカードの位置や回転が伝えられてゲームオブジェクトの挙動に反映できる。デモでやっていた戦略ゲームの隊列を動かすやつが結構刺さった。開発者の方が不在らしく細かいメカニズムは聞けなかったが、今後に期待。
G-3 DORASA.NET
勇者ローグ
操作性にとことんこだわった王道ローグライク。
「操作性にとことんこだわった」点がデモ中でほとんど説明されなかったのがかなり損していると感じた。操作性を意識しなければ単なるローグライクなのでいまいち面白さが伝わりにくい。デモの後口頭で操作性の話もしてくれたが、よくわからなかった(ローグライクに詳しい人なら需要があるのかも、それを差し引いてもローグライク素人が来るイベントへの出店としてはやや説明不足に感じた)。
階層に入ってすぐの部屋に次の階層への階段が見えたので、マップ生成のアルゴリズムがちょっとおかしいのではないかと感じた。初心者向けマップだからかもしれないと一瞬思ったが、それなら階段への経路を長くしつつゴールまでの階層数を減らす方が探索感があって良さそうなのでやはりおかしいのではないか?
D-19 エルフセリアゲームス
ゴーストシューター
ゴーストを倒せる銃で上からやってくるゴーストを撃ち倒していくゲーム。
プレイアブルキャラクタは上下左右に移動できるので体感としては東方に近い。弾幕はボスだけが出してくる。
ゴーストの中には盾を持ったものもいたが、おそらく体力が多いだけだった。盾を通常弾以外の方法で壊してからでないと攻撃が通らないなど、特別なギミックがあると面白いと感じた。
企業展示Z-3 CRI-ミドルウェア
ADX LE
ハイエンドなゲームサウンドシステムを実現するミドルウェア。
インタラクティブミュージックが好きなので使用を検討してよさそう。
売上1000万円を超えるまでは使用無料らしい。本当に助かる。
企業展示Z-1 株式会社スマイルブーム
BAKIN
プログラミング不用のRPG製作ツール。
自分がプログラマなのでそもそもnot for meだが、2Dレベルを軽く作ってみるような機会はありそうなのでこういうのがあると助かるかもしれない。
所感
思ったより新規性が無い
企業と違ってせっかく収益を気にせずゲームを作っているインディーゲームサークルならさぞ新規性に満ちたゲームが見られるのだろうと思っていたが、どこかで見たことがある内容のゲームが多くて意外だった。ゲームを作るモチベーションが自分とは違うと感じた。
想像できる線としては
ゲームを作るという行為そのものが楽しいからやっている。プラモや草野球などと同じ
イラストや3Dモデル等のクリエイターが自分の成果物を披露する場としてゲームを作っている
自分が気づいてないだけでその筋の人からすると新規性に満ちている
特定のジャンルのゲームが好きすぎて無限に摂取したいと思っている
あたりだろうか。
2Dゲーム多め
私が普段やっているタイプのクラフト系やソウル系がインディーゲーム全体でみるとかなり少数派かもしれないと感じた。
2Dゲームは用意するアセットの量が3Dゲームと比べると段違いに少ないらしいので、インディーゲームサークルの規模感とマッチしているのかもしれない。2Dゲームはほとんどやらないので、全体的にnot for meなゲームが多かったように思った。そもそもクラフト系もソウル系もまとまった時間が必要なタイプのゲームなのでこの手のイベントには出しにくいというのもありそう。
グラフィックは大事
一見新規性が無さそうなゲームでもとりあえずサムネ(グラフィック)だけ見てふらっと行っちゃうことが結構あったので、やはりグラフィックは大事だということを思い知った。私も早くグラフィックデザイナーが欲しいけど、人脈が、ウゴゴゴゴ。