ダクソ2感想
#DarkSouls2
この記事の執筆時点で既に遊んだ→1、2、SEKIRO、AC6
遊んでない→デモンズ、3、ブラボ、エルデン
要約
2は1と世界観が共通しているだけの別ゲー、もしくは外伝として、異なる軸を置いて評価すべき
新しいチャレンジは良くも悪くも評価に値する。少なくとも私はチャレンジを肯定したい
感想
ボリューム満点
素直に良いと思っている。ただし以下の点から、1と同じ観点で評価すると見劣りする。2を2でなく別のゲームないし外伝として解釈すると真の評価に近づく。マップがシームレスなのは1と同じだが、構成は平面的でオープンワールドに近い。1やSEKIROが上下の繋がりでマップを構成しているのに対して2は1つの国全体を旅する感じ。エルデンはまだやってないけどマップ設計はエルデンにフィードバックされていると思う。エンデの『はてしない物語』の世界観に似ている気がする。
code:mermaid
graph LR
subgraph Lordran
direction TB
AnorLondo"アノロン"
Shrine"火継ぎの祭祀場"
Village"病み村"
AnorLondo --- Shrine --- Village
end
subgraph Drangleic
direction LR
Madula"マデューラ"
Forest"虚ろの影の森"
Castle"ドラングレイグ城"
Madula --- Forest --- Castle
end
subgraph Ashina"葦名"
Miya"宮"
Ashinajo"葦名城"
Soko"葦名の底"
Miya --- Ashinajo --- Soko
end
Lordran ~~~ Drangleic ~~~ Ashina
敵が多すぎる
道中の敵が多い。これは枯らす選択ができるのでまだ良い。量はValheimやったことある身としては寧ろ標準レベルと感じた。
ボスも複数戦が多い!1だと山羊頭のデーモン、鐘のガーゴイル、オンスモくらいしか無かったが、2だと体感1/2くらいの確率で複数戦になる。ラスボスの前座とDLCの最後のボスも複数戦だったのでもうこういうゲームだと途中から割り切った。
マップの繋がりが直線的過ぎる
マデューラから行ける他のマップの間に繋がりが無いのがちょっとびみょい。特に序盤で地理的な繋がりが全くない忘却の牢にカラスor船で突然突っ込まれるのが手抜きに感じる。マップの再利用もあまり多くない。朽ちた巨人の森と巨人の記憶の対応くらい?SEKIROの城下/寺/宮の開始地点/広場/落ちた橋/ボスみたいにマップ構成の緩やかな対応とかがもしかしたら仕込まれている可能性は無いではないが、気づけなかった。
code:mermaid
graph LR
初期拠点 --> マップX
初期拠点 --> マップY
マップX <-->|これが無い| マップY
2のマップの繋がりはこんな感じの木構造で表現できる(できてしまう)。これではマップの再利用も難しく、マップ間の関連も掘りにくいのでストーリー考察もあまり捗らない。また、1の城下不死街と下層のように、上下の繋がりを示唆(あるいは直接移動)する仕掛けもマデューラの大穴以外特にないのも世界観への没入を損なってしまう。マデューラが世界の最西端にあるのがいけない。個人的には虚ろの影の森近辺に初期拠点があって、忘却の牢と狩猟の森に歩いて行けるようになると良かったかもしれない。あるいは、忘却の牢にある月の鐘楼と溶鉄城にある陽の鐘楼が全く同じ構造で、特定の扉を使って忘却の牢/溶鉄城間をシームレスにワープできるとかだと面白かったかもしれない。どうせ歪み切った世界なんだからそれくらいやってもいいじゃん。
矢印にキャプションを入れた通り、道中のボリュームが非常に充実しているのでその点は評価できる。
code:mermaid
graph LR
madula(("マデューラ"))
giant"朽ちた巨人の森"
oj{{"巨人の記憶"}}
sinner{{"忘れられた罪人(1/4王)"}}
king{{"鉄の古王(1/4王)"}}
black{{"腐れ(1/4王)"}}
forest(("虚ろの影の森"))
tseldora{{"ジェルドラ公爵(1/4王)"}}
palace(("ドラングレイグ城"))
chasm{{"ヴァンクラッド(王の証)"}}
dragon"古の竜"
want{{"デュナシャンドラ"}}
madula --> giant -->|忘却の牢\n罪人の塔経由\n(一方通行)| sinner
madula -->|ハイデ大火塔、隠れ港、忘却の牢\n罪人の塔経由\n(一方通行)| sinner
madula --> forest
madula -->|狩猟の森、溜りの沼\n土の塔、溶鉄城経由| king
madula -->|クズ底\n黒渓谷経由| black
forest -->|冬の祠経由| palace
forest -->|アン・ディールの館\n護り竜の巣、祭祀場経由| dragon
forest -->|ファロスの扉道\n輝石街ジェルドラ経由| tseldora
giant --> oj
palace -->|アマナの祭壇\n不死廟経由| chasm
palace --> want
※ジェルドラ公爵ルートのボスは「公のフレイディア」だがフレイディアが偉大なソウルを持っているわけではない。
篝火の位置も直線的過ぎる
ショトカの開放で既に来た篝火に戻れるパターン(ショトカ篝火パターン)も少なかった。とにかく再利用できるマップがほとんど無いのが1から劣化しているように感じてしまう。1だと例えば城下不死街や教区でショトカ篝火のパターンがあって面白いと感じていた(おそらく未知のエリアを抜けた先に既知のエリアがあることへの感情の緩急が要因)のがあまり無くなってしまった。未知のエリアは恐怖や嫌悪の感情に通じるが、既知のエリアは安堵の光で我々を照らしてくれる。ショトカ篝火の絶対量は変わっていないがゲームのボリュームが増えたので印象に残りづらくなった?DLCだと全てのマップでショトカ篝火パターンが採用されていた。
code:mermaid
graph LR
篝火 --> 探検 --> ボス前 -->|ショトカ| 篝火
ボス前 --> ボス
あったような箇所
朽ちた巨人の森、メレンティラがいた篝火
忘却の牢、鍛冶屋の篝火
狩猟の森、橋の下の篝火と牢屋の中の篝火
虚ろの影の森、スロープで上がった所の篝火
ファロスの扉道、最初の篝火
ドラングレイグ城、王の扉前の篝火
DLC1サルヴァの聖壁、最初の篝火
DLC2黒霧の塔、中層の篝火
DLC3エス・ロイエス、最初の篝火
なんだ結構あんじゃねぇか。だとすると絶対数の不足な気がする。
考察
巨人とは何だったのか
明確に1には無かった要素。何かのメタファー?
ヴァンクラッドはなぜ巨人の力を欲したのか?巨人の力とは何か?ヴァンクラッド(亡者)が巨人のソウルで弱体化するのはなぜか?
考察中。
考察するとわかる1の要素
※逆に言えば考察しないと1の要素がわからない。プレイヤーは永遠に1の面影を探してしまうので余計に2を冠するメリットが薄まってしまう。
人物対応
4王の正体は1のボスのなれの果てであり、彼らの神の力は既にほとんど残っていない(神がいない世界、人間の世界)。これに初見で気づけるヒントはギリギリ無い。
罪人←イザリス
鉄の古王←グウィン
腐れ←ニト
ジェルドラ公爵←シース公爵
さらにジェルドラ公爵の後ナヴァーランを乗っとってアン・ディールと色々やってた説があるらしい
4人の公王はどこ…?
任意の複数ボス(笑)。なにわろてんねん
真面目に考えると分け与えられ過ぎて消滅してしまったのかも
ラスボスはDLCと対応する。
デュナシャンドラ、エレナ、ナドラ、アルヴィナ←マヌス
だとするとヴァンクラッドはグウィンよりアルトリウスとの対応があるのだろうか?
無理やりこじつけるならアン・ディール←シフ、愛しいシャラゴア←宵闇orエリザベスの対応が取れるかもしれない
シャラゴアはフラムトやカアスとかと同じ系列のセカイ系生物かもしれない
マップ対応
地理的な対応はロードランの時空歪み設定でどうでもよくなっている
土の塔←最初の火の炉
見た目
上に鉄の古王(←グウィン)と関係する溶鉄城がある
これが人間の世界に露出している時点で神の世の終わりが見て取れなくもない
エス・ロイエス←イザリス
古き混沌の存在から
名前の音感が共通しているように感じられる
ハイデ大火塔←アノロン?
他の考察ではよく見かけるが個人的にはあまり共感できない
オンスタ、ゴシック建築以外の関連を見出せない
ドラングレイグ城はヴァンクラッドがゴーレムの力で建造したはずなのでアノロンとの関連は無さそう
その他、DLCマップが{壁/塔/壁}型のマップという点でロードラン(城下不死街/アノロン)の面影が垣間見えるので、いつかの時代のロードランあるいはロードランの模倣という説が考えられる。特にエス・ロイエスの中ボス(虎)→聖堂は城下不死街の中ボス(牛頭デ)→教区に通じる。
継承と解脱
火継ぎエンドと探究エンド
神に倣って火を継ぐと世界は維持されることが分かっているが、それだけでは世界は徐々に弱まっていく
弱まった極みが作中のドラングレイグ
探究は人間にしかできない試みであり、新しい世界を作り出せるかもしれない。ハイリスクハイリターン
敢えて継がないことに光明(not闇)を見出している点が1とは異なっているように思える。神が衰えたことで神のしきたりが意味をなさなくなり、人間が自ら光を見出さなくてはいけない世界という点で1とは決定的に世界観が移ろってしまった。その点でストーリーの始まり/終わりが1とは異なるものになってしまった。
メタ考察とその感想
1はヒットした
2で同じ路線を行くこともできた(継承)
そこをあえて外した(解脱)
しかし試みは失敗してしまった
ダクソ2がダクソ2という名前であったばかりに。外伝としてのダクソ2なら今よりももっと高い評価を得ていただろう。継承するだけでは新しい面白さは作れない、しかしプレイヤーは傑作の継承を望んでいる(それしか想像/期待できない)というジレンマを感じてならない。結局3は1の直接的な続編になって大ヒットした。クリエイターのはしくれとして同情を禁じ得ない。
なんだかんだ言って最後まで走らせてくれるゲームだし、いいところも悪いところも勉強になることばかりだった。1より先に2の感想をここに書くくらいには自分で考えさせられることが多かった。遊んで良かった。