modular roboticsの離散空間への執着
2026-03ぐらいに気付いたこと
modular robotics / universal constructor系は離散空間(もっというとキューブの格子状の敷き詰め)を前提にしてることが多い。
M-BlocksとかCenter for Bits and Atomsの多くの研究
教育的なスマートブロック
離散空間へ過度に執着してるのでは?というのが今回の気づき
そもそも
von Neumannのuniversal constructor研究が発端
この時点ではcellular automataとkinetimatic modelが両方あったが、前者の方が扱いやすいので主流に
alife界隈でもcellular automataが圧倒的主流
だし、hashlifeみたいな都合いいアルゴリズムもある
物理的にも良さそうに見える・美しい
完全に抽象的・離散的なアルゴリズムに帰着できる
ネジとかコネクターとかを完全に消せる
open-loop制御にできる
「汎用ユニットをいったん設計すればなんでもできる」という夢がある
ユニットをum, nmレベルにすればOKみたいな理論的なゴールも見える
cf. ナノマシン
量産できたら安そう
そして映える
物理的に実装するときに、要素を離散的に組み合わせるほうがトータルで見て良いか?はまだ不明のはず。
でも離散の方が流行ってる
離散空間が引き起こす問題
体積あたりの性能が低下する
何かの機能を実現する最適形状を作ると当然グリッドぴったりにはならない。グリッドにあわせるために余白があちこちに必要。
とくopen-loop制御にすると、バッファもあちこちに必要
いったん失われた性能はconfigurationでは戻ってこない
性能 = 構造全体のヤング率・扱える電力・情報帯域・etc
できる操作が少ない
そもそも実際に有用なタスクで完全に離散的に表現できるものはほとんどない
それはユニットを「十分小さく」すれば解決するが…
体積当たり性能でも律速される
unviersal constructorの汎用性向上の目処が立たない
unitの定数倍の離散的な運動だけでrobot自身の部品 (unitより小さい)を十分に操作する目処が見えない
離散空間が解決しない問題
位置の同定
完全に同じサイズの元素の結晶でもよほど慎重に育てないと様々な結晶欠陥が発生する。製造欠陥があるユニットならもっと早く結晶欠陥が発生する。
これらを検知するには
結晶の連続的な歪みのシミュレーションや連続的なセンシングが必要
これらを抑制するには
機構のコンプライアンスを増やす
体積当たりの性能はさらに低下
全体がふにゃふにゃになって位置精度は低下
どこかで自重に耐えられなくなって最大サイズが決まってしまう
位置を補正するには
何らかの方法で位置のずれ(連続)を知って、さらに連続値で補正が必要
(今はユニット数が少なくて発現してないだけで本質的な課題)
おそらく完全な1 unitずれの前に、「押し込もうとしても入らない」「コネクタが微妙に浮いて接続できない」みたいな地味だけどクリティカルな問題が多発する
-> なんのために離散やってたんだっけ?
良さそうなアプローチ
データ表現: 離散トポロジー + 次元が限定された連続DoF
最初から連続の操作とセンシングを前提に設計
連続設計で使える設計アイデア
機構: 1軸の自由度があるスリット穴や細長い電極パッドは性能をそこまで落とさずに連続位置決めができる
連続のまま転写: 「現物に押し当てて固定」みたいな操作で(たとえば)長さを高精度に転写できる
これによってたとえば標準器を使った校正が可能
inspection / 冪等性 / 可逆性
センサー閾値や正常性の判定手順 (e.g. 基準物体に当てて最後まで動くか途中で当たるか) を作っておいて、検査pass/failなどに状態を量子化する
全ての連続データは最終成果物・タスク自体が連続のときだけ保持しておけば良い
それ以外は{正常,異常} (dynamic) + 正常の場合の確率分布 (static)、でよい、これなら離散的なアルゴリズム
操作が可逆の場合 (移動、ネジ締めとか)なら
passになるまでretryすればいい (reconciliation loop)
ずっとfailが続ければより大きなアセンブリに異常をpropagateさせる
離散的なアルゴリズムは依然として使える
高級なセンサーをつけまくったSLAMとかデジタルツインは不要
これは連続空間の罠