CADに囚われてないか?
物を設計するとき、「さいきょうのCADデータ」を作ることを設計と同一視してないか?
特に3Dプリンターは形状を工夫すれば一体成型できることが多いから、頑張って詰め込もうとしがち
でも設計というのは、何かを作るいい感じの手順を確立することであって、それはCADのデータと幾何形状だけではない
一体化できそうだけどしない方が良い例があった
こういうモジュラーなレール部品
穴にマグネットx2を入れて接着
反対側に同じインターフェースを付き合わせる
ラックで移動、両側のL字になってる溝が摺動面・支持面
端のchamferで位置合わせのずれで移動が引っかからないようにする
https://gyazo.com/e80e1112ff7de59085c62fb1af024226
組み合わせ
この「magnet x2のでっぱりと穴 + ラック 1 pitch分」は「簡単に」一体化できるし、したくなる。
https://gyazo.com/09e669a9f06b051539b98af618604035
インターフェース部分
でもやらないほうが良いケースが結構ある。
たとえば最初の図の
ここは別で作って接着した (good)
https://gyazo.com/cb5a0b86a0fc98aaec66f58d2f6eaf10
https://gyazo.com/8e42bbe8edffdf525867483a69c58972
ここは頑張って一体化してしまったけどほんとは別の方が良かった
https://gyazo.com/3ee9ee8b65838c58f69829b2f9a42621
ここは造形(3Dプリント)の限界的に、別部品にするしか無かった
なぜか?そもそも同じことをするために、いくつかパターンがある (用語はfusion)
a1. 同一sketchの中にインターフェース部分を書き込む
a2. 同一component/bodyのタイムライン中で別のsketch+featureとして書き込む
b. slicer内で結合
今回は考えない (試してない)
c. 後で接着
a1: 設計編集の速度が下がる & 意図が不明になる。インターフェースを変えたいときに大変 (コピペとかできなくなる)
a2: これは設計が安定してればアリ。特にparametricでいくつも作るようなものなら結構嬉しい。
ただ、設計が全然安定して無くてfeatureとかsketchを足したり消したりしてるときはタイムラインで別れてても邪魔になる
そもそもCADの操作とは別に、暗黙の認知負荷がある。部品の本質じゃない制約を常時背負い込むことになる。
e.g. 底面を同じ高さにしないと(サポートが増えるから)良くない
e.g. 全体を上向きに印刷できる形状にしないといけない
...
c: 実は結構美味しい。設計は完全にreusableになるし、「magnetを入れて接着」操作をバッチ処理しやすくなる。
特にここの工程が治具で高速化・高信頼化できるならおそらく一番手を動かす時間も短くなりうる
で、この「組み立ての手順」はCADには明示されてないが、かなり出来る物の品質も作業の楽さも左右する
接着剤をどの順番でつけるか、待ち時間は
圧入は何個まとめてやるか
マグネットの極性をどうやって判断するか
全てを手加工で作ってたら作ること=設計、なんだけど、手加工 -> CNC切削 -> 3Dプリント、
と形状再現自由度が高い(けど無限に高くはない)手段に移ると手段に囚われて忘れがち
そうすると、ソフトウェアで言うところの、ほぼ何にでも使える(けど最適ではないことも多い)「○○アーキテクチャ」とか「○○パターン」を知ったら全てをそれでやろうとしてる人みたいになっちゃう