LtVPickUp~独立系VC「PARTNERS FUND」始動、共同創業とM&A戦略にみる独自のスタートアップ育成_20250815
#Ecosystem_Building #Script #PickUp
▼ケース記事
https://thebridge.jp/2025/05/partners-fund-launches-a-new-6-5-billion-fund
▼要約
PARTNERS FUNDとは?
ベンチャーキャピタル
2025年4月に「PARTNERS FUND 2号投資事業有限責任組合」をファーストクローズ。
総額65億円規模を目指す(前身含め3号目のファンド)。
投資ステージをシード期中心からプレシリーズAまで拡大
1社あたり最大10億円の投資が可能に。
理念:「Co-Founder」「Love the Founder」「Evergreen」
テーマ:起業家と共同で事業を構築。
大学発ディープテック支援・共同創業型支援を両軸に、全国・海外展開を伴走支援。
資金提供のみでなく、創業前の構想段階から深く関わる。
特徴IPO一辺倒ではなく、「セカンダリー+段階的M&A」戦略を採用。
例:投資していた冷凍食品ベンチャー、Greenspoonをグリコに売却前に一部株式を譲渡していた。
事業提携と資金回収を段階的に実施。
セカンダリー+段階的M&Aとは?
不確実な経済環境で資本政策に関してまだ未知な起業家をサポートするための戦略
近年は過剰なバリュエーションが課題
投資契約により創業者や初期投資家の持分が大幅に希薄化してしまう恐れがある。
→セカンダリーで一部株式を低価格で譲渡しつつ、プライマリーではフラット価格を維持:アンチダイリューション条項などの着火を回避。
IRRと安全性を両立。
大企業は実際に協業しながら相性を確かめた後、買収できる。
VC側は投資先企業の成長を待ちながら一部は早めに現金化できる。
スタートアップは早い段階で株式の一部を譲渡し、大企業と関係性を深められる。
運営チームと背景
山田 優大氏(Greenspoon等の実績)、中村 雅人氏(海外VC/CVC開拓)、種市 亮氏(楽天出身、ゼロイチキャピタル創業。)、藤井 智史氏(金融・IPO支援)の4名がパートナー。
前身は山田氏が2018年に独立して立ち上げたFull Commit Partners。インキュベイトファンドから円満独立。
LPとの連携
新ファンドにはFFGベンチャービジネスパートナーズ、TOPPANホールディングス、ポーラ・オルビスHDなどが参加。
特にTOPPANは重点領域で戦略立案から協働する関係性を構築。
展望
東京(五反田・渋谷)、名古屋、仙台拠点を活かし全国のスタートアップエコシステムを強化。
▼初期仮説
初期仮説(個人的にはこういう点が起業家にとっても価値だと思うので深掘りたいッス、な論点)
セカンダリーと段階的M&Aの両立は、今後経済が不安定化する中でより注目されるのでは。
共同創業型のアプローチにはVC側にも技術に詳しい人材が必要なのでは。(現時点Partners Fundのパートナーは全員金融の専門家、という感じ?)
この戦略が広まると、VCが投資資金を現金化するスパンが短くなり、VCと関わるスタートアップが必然的に多くなるのでは。
▼事前リサーチ byJuri Yano.icon
Q. 「VCセカンダリー市場」は24–25年に実際に拡大している?
A. 拡大している。
特に米国では2024年末の約$50Bから2025年では$60Bに。
Source: https://pitchbook.com/news/reports/q1-2025-us-vc-secondary-market-watch
Q. 段階的M&Aは日本でも認知されているのか?
A. ある程度は認知されていそう。メディアなどでも取り上げられている。
Source: https://maonline.jp/articles/minority_investment_pmi2020g
Source: https://bizval.jp/media/news/095
Q. IPOの不確実性はM&Aやセカンダリーを活発化させているか?
A. 流動性低迷とIPO停滞は顕著。ニュースにもある通り日本のM&A市場は特に活発化している)
Source: https://nvca.org/wp-content/uploads/2025/04/Q1-2025-PitchBook-NVCA-Venture-Monitor-19001.pdf
Source: https://www.jpmorgan.com/insights/banking/mergers-and-acquisitions/japan-mergers-and-acquisitions-rebound
Q. 共同創業は技術的な人材を内部に要求するのが一般的?
A. 技術的人材を中核に据える例は多い。
Source: https://www.flagshippioneering.com/join/fellows
Source: https://www.bcg.com/publications/2024/how-to-scale-corporate-ventures
Q. Partners Fundの現パートナー陣は純金融以外の人を含む?
A. 技術的人材もいる。代表パートナーは実際武田薬品出身。
Source: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000159710.html
Q. セカンダリーの普及は現金化スパン短縮や資金分配につながっている?
A. 早めの部分回収は増えているが、業界全体のDPI改善はまだ限定的。
Source: https://nvca.org/wp-content/uploads/2025/04/Q1-2025-PitchBook-NVCA-Venture-Monitor-19001.pdf
Source: https://carta.com/data/vc-fund-performance-q1-2025/
Q. VCのディール件数は増えている?
A. 減少傾向。しきんかい
Source: https://nvca.org/wp-content/uploads/2025/07/Q2-2025-PitchBook-NVCA-Venture-Monitor-19728.pdf
Source: https://www.mckinsey.com/industries/private-capital/our-insights/global-private-markets-report
▼結論
結論(リサーチの結果、個人的にはやっぱりこういう点が起業家にとっても価値だと思うッス、な論点)
セカンダリー市場も拡大しており、今後partners fundが用いているような段階的M&Aとセカンダリーを合わせる戦略はより注目を浴びる、つまり不安定化する経済の中でより効果を発揮するのでは。
VC側に技術的人材を配置することは求められていそう。
資金回収のスパンが短くなる=資金調達に成功するVCが増えるというわけでなさそう。どちらかというと、より一つ一つの投資先との関係が濃くなっていくのでは。
#Sustainable_Living輪読会