読書メモ: 発想法
目的
純粋に発想力、アイデア力がないなと感じたので根本的に「発想力を高める方法」が気になった
自分だからこそ出せるユニークなアイデアを出したい
起業時のアイデア出しに使いたい
内容
人間らしく生きるには創造が不可欠
創造は問題解決を首尾一貫して成し遂げること
問題解決はとくべき問題を見つける発想段階が重要であり、この発想法を体系化してまとめたものをkj(k川喜田 j二郎)法としてうみだした。
序盤は著者がなぜkj法を編み出したかまでの背景が語られている
研究には、書斎科学、実験科学、野外科学の3つがある
野外科学を押しているわけだが実験科学とは大きく違うのは"場"であり、野外科学はありのままの自然を場として使っており実験は人工的な自然を場として使っている。
人工的な自然は仮説検証には適しているが、現実では都合の良い自然は発生しないため人間がとくべき問題を探索、発見する段階とは区別する必要がある。野外科学はまさしくこの問題発見、仮説発見を行う研究なのだ。
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野外科学はニュータイプな手法であり、あまり認められていない。(それが故に研究費が安いという嘆きがあった。。)
が故に体系的にまとまった手法がなく感覚的に継承されていた。
それをまとめたものがkj法
どうやら研究だけではなく、普段の仕事や会議などに役立ちそう
中盤はkj法について
カードに洗い出したアイデアをまとまりに分ける、その後まとまりに一言見出しをつける。さらに大きなグループに分けてまた見出しをつけるこれを繰り返す
kj法を一言で言うと「ビジュアルで構造化した後、文字に起こすことで問題(仮説)を発見する手法」
構造化故に材料の洗出しとそれを実行することは含めておらず本書でもブレーンストーミングでアイデアを出してkj法で構造化し仮説を見つけたらあとはpert法で計画を立てろと言っている
ビジュアルで構造化する理由は要素の関係性が見えるから
自分の頭の中に何となくあった関連性をはっきりと境界づけることで全体像が鮮明になる
一見関係ないと思っていた要素の関係性が見出せる
はじめて問題の構造がわかる
ビジュアルにすると瞬時に関係性や結びつきを理解することができる
一方で結びつきの強さはわからないことに注意
今まで気づいていなかった発想を刺激する
文字に起こすとビジュアルの関係性はわからなくなるが関係性の強さや因果関係、性質がわかる。その過程で洞察を深めることができ実際は意味がない/薄い関係性に気づける
kj法注意
グループに属さない塊があっても良い。分けれないことに意味があるから無理に塊にしてはいけない
最初に小分けした段階から大分けに進まなければならない
細分化の方向に進めると個人の独断的な判断に従うことになるから。「どの方向に分析を進めるべきか」の気づきに価値があるため民主的に決める必要がある。
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終盤は日本人にkj法が適しているのかと説得づけ
日本人は要素の輪郭をぼかして捉えるから関係性を見出すのに向いている。
欧米人は要素をはっきりと定義するためあまり関係性とか関係ない、また全ての通りを試して行動する傾向があるとのこと(?)