読書メモ: 問いかける技術-確かな人間関係と優れた組織をつくる
3行まとめ
人間関係の重要性は散々叫ばれている割に人間関係よりタスク遂行のためのコミュニケーションばかり。
要因は多々あるが、いずれも「謙虚な問い」ができていないに集約できる。
謙虚さとは相互依存を自認すること。
問いとは一時的に自分を弱い立場に置くこと。
本書の「問いかける」はただの「問いかける」と「謙虚に問いかける」を使い分けているのでできるだけ区別して読む。
現代の悩みは人間関係に集約できる。人間関係の構築で「いかに自分が話すか」に注目されがちだが、実はそれは間違いである。本書では「謙虚に問いかける」技術こそ重要だと主張している。
謙虚に問いかけるとは
謙虚に問いかける」は、相手の警戒心を解くことができる手法であり、自分では答えが見出せないことについて質問する技術であり、その人のことを理解したいという純粋な気持ちをもって関係を築いていくための流儀
まずはこの3点を自分に刷り込む必要がある。順を追って説明する。
1. 自分から一方的に話すのを控える
2.「謙虚に問いかける」という姿勢を学び、相手にもっと質問するように心がける
3. 傾聴し、相手を認める努力をする
話すより問いが大事な理由
問いかけと対極に「自分が話す」という行為がある。特に「自分が一方的に話す」は社会学的には上から見下す格好になる。
(あなたは知らないだろうから教えてあげましょうを示唆している)
問いかけは自分を一時的に弱い立場に起き相手に何らかの情報があるという状態になる。この方が相手の警戒心を解き良いコミュニケーションを取れる。
謙虚さが大事な理由
特に部下が上司に対して間違えを指摘するような問いは上司の面子をつぶしたり、問いが間違えだった場合に自分の立場を落としめるような行為になるためである。
これを解消するには上司が「問い」を歓迎するという信頼関係を作る必要があり、その状態を上司が部下に対して謙虚である状態だと定義できる。 傾聴が大事な理由
コミュニケーションには「問い」と「謙虚さ」が大事なことがわかった。これらは打算的にやるものでも、いつ、どこで、何をいうかなどチェックリスト化できるものでもない。傾聴の姿勢から導かれるものである。
謙虚に問いかけるを実践
「謙虚に問いかける」は、相手があなたに心を許して話をしてくれるようになったり、あなたがまだ情報を持っていないことについて誰かに質問したり、その人に対する興味と好奇心に基づいて付き合いを深めたりするための技術であり、流儀である。
問いかけの違い
問いにもいくつか種類があり、ただ自分の話をせず問いを投げるだけでは謙虚な問いにならない。中には誘導したり怖がらせることがある。他の問いはどのようなものがあるだろう。
1. 謙虚な問いかけ
自分が知らないということを積極的に認め、偏見を持たず、相手を怖がらせない方法
2. 診断的な問いかけ
質問が相手の思考プロセスに影響を与える
ex. どうしてxxxしたのか?
相手が気にしていなかったことや考慮したくないことについて無理やり考えさせてしまう
相手との関係や聞き方で謙虚な問いかけになりうる
3. 対決的な問いかけ
質問の程を取りつつ自分の考えを差し込む
議論を挑まれているように感じるので謙虚な問いかけになることは少ない
相手がサポートされていると感じるなら謙虚な問いかけに該当する
4. プロセス思考の問いかけ
快話を客観的に分析する
謙虚なプロセス思考の問い は意図による
ex. 相手との会話がおかしな方向へずれてしまったら「どうなさいましたか」のような主旨の質問
自分の問いをこの4つに分類し謙虚な問いになっているかを確かめると良い。
とはいえ、無自覚にやっている部分も多いので一定の訓練と自己を律する気持ちが求められる
文化
表面化していないので見落としがちだが、文化的な暗黙の背景が「話すこと」偏重の理由になっている。
チームの力が大事と言いながら評価が個人単位になっている
人間関係よりも課題の遂行に価値を置く
実用主義的な価値観
再提起
複雑化していく社会で人々はますます相互依存するようになるため、コミュニケーションが肝要となる。そのために「謙虚に問いかける」ことが鍵となる。
謙虚邪魔する力
学ぶべきことは、地位的に差がある人同士が支え合っている時にその溝をどう埋めるか。
まず、用具的関係と表出的関係を区別する必要がある。
用具的とは他者から得たいものが明確にある場合
表出的関係は関係者が好感を持ち、相手との付き合いを深めたいという個人的なニーズ
「謙虚に問いかける」は個人的なつながりを持つことを含んでいる。
相手に興味や関心を抱くことが基本だから。
上記の表出的関係に当たる。
踏み込んだ話(ex. フィードバック)をするにはまず自分の方から個人的な部分を出すことでお互いの関係性が発展し、謙虚な問い行われるようになる。
また、踏み込みすぎた問いかけは上司の機嫌を損なった場合は命取りになるので線引きは上司の役割
仲良くなるとは
親しくなって通常は他人に見せない一面をもっと曝け出すことである
ORJIのシステムで知覚と判断をしている
ORJI
Observe
認知は歪曲されている
見えているものを論じるのではなく、自分が考えたり論じることができるものが目に入る
Reaction
感情を観察する
Judge
データが間違っていたら間違った判断になる
Oの歪曲は最小限にするよう努める
Intervention(介入)
不正確な判断が反射的な対応となる
論理的に判断したからといって正しいとは限らない
上述のバイアスは「謙虚な問い」で最小限にできる
話す前に自分に「謙虚に問いかける」
= マインドフルネス
「謙虚に問いかける」は、状況が正しく見極められていることを前提としているので、「ほかになにが起きているのか」と自問することは不可欠である。
他者と文化的なステレオタイプを切り離すためには文化の鳥を作る必要がある。 めちゃくちゃ良いなと思った例
誰も得意な人がいないスポーツで競う
簡単に行えるとしては上司が間違った判断をした時にどのように取り組んだかを議論する