読書メモ: 人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まる
現実は実力主義ではない。そんなフェアで夢の話にワクワクするが実際は泥沼の中で錯覚資産という卑怯な武器で殴り合う戦い
錯覚を味方につけるという話。
錯覚とは具体的に言うと脳のバグ。
錯覚を利用すると自分の実力以上の評価を相手から受けることができる。「錯覚は本当の実力じゃないから本質的には意味ないじゃん」と思ったが、錯覚を活用しないと成功できないと当書には書いてある。つまり、成功を手にしたいなら錯覚を味方につける必要がある。
錯覚は心理学的にはハロー効果といっている
ハロー効果の具体例は一つのプラスの属性値に引っ張られて、他の属性値も底上げされる現象のことである。たとえば学歴が高ければ他のことも普通以上にできるように見える。逆に一つの失敗で何もできないレッテルを貼られると、他のすべてのことができないように見られてしまう。
錯覚によって得られる効果を錯覚資産と呼ぶ
錯覚資産の大きさは「ハロー効果」 x 「それを知っている人の数」 x 「思い浮かびやすさ」x 「思い浮かべる人の質」で導くことができる。ハロー効果は先述の通りだがそれを知っている人がないと大した効果はないし、さらに思い出してもらわないと意味をなさない。また、思い出す人も経営者や意思決定できるポジションの人の方が良い。
錯覚は複利で増えていく。人間は複利を直感的に理解できないことに注意してほしい。直感以上に凄まじい効果がある。
実力を出すと錯覚資産が溜まり良い環境が手に入り実力が伸びる。実力が伸びると錯覚資産が大きくなる。これらは相乗効果で増大する。
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タイトルを読んで、最初は錯覚は偽物で、本質的にはそこじゃないよねという考えで読んでいた。実際は錯覚が全てで綺麗な生き方をすると負けると言うことがわかった。この価値観の広がりに当書の価値があったように思う。
美しき敗者 <-> 醜悪な勝者
自分はどちらになりたいか。勝者になりたいのであれば今から錯覚資産をミカがないといけない。錯覚資産は複利で増えるからだ。投資と同じで錯覚資産への投資を始めた者とそうでない者の差は10年後には越えられない壁となる。
一番のポイントは脳みそが勝手に書き換えているというところで自覚がない部分にある。
生物的に不可避な部分である。
脳は過剰に次の3つを求める
一貫性
「山田くんは何をやっても優秀」、「山本くんは何をやってもダメ」
原因
偶然に無理やり原因を見つける
偶然を実力だと錯覚する
結論を急ぐ
ハロー効果
一つのプラスの属性値に引っ張られて、他の属性値も底上げされる現象
ex: 学歴
少数の法則
少数のサンプルからそのデータが示す法則性が真実だと思い込んでしまうこと
運を実力だと錯覚する
利用可能性ヒューリスティック
思い浮かびやすい情報だけを使って答えを出すこと
デフォルト値バイアス
過剰にデフォルト値を選んでしまう傾向
認知的不協和
自分の中で矛盾がある時、無意識のうちにその矛盾を解消しようとする
ex. 高いレストランでの食事
感情ヒューリスティック
好きなものはメリットだらけでリスクがない<->嫌いなものにメリットはほとんどなくリスクだと思い込む