本棚
1984
ライ麦畑で捕まえて
利己的な遺伝子
そもそも島に進化あり(2023年8月9日読了)
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鳥類学者川上氏による、島嶼における生物の定住、進化、絶滅を語るエッセイ。
故事や古典、懐かしアニメなどの引用を踏まえたユーモラスな文体が特徴的だった。
思わず外に出て身の回りの「島」を見つめてみたくなる一冊。
にっぽんスズメ散歩(2023年8月9日読了)
アイコンデザインのひみつ(2023年8月9日読了)
日本のロゴ(2023年8月11日読了)
日本のロゴⅡ(2023年8月11日読了)
華氏451度(2023年8月14日読了)
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陳腐で受動的な娯楽ばかりがもてはやされ、本が焼き払われる世界を描いたディストピアSF。
何かを遺し受け継ぐこととは何か、「しあわせ」とは何か考えさせられる作品。
1953年初版らしいのだが、ポルポト的な反知性主義や近年物議を醸しているファスト教養を想起するような部分もあり、作者の先見の明が伺える。
作中に登場する陳腐な娯楽(「壁」、視聴者に語りかけるテレビ、「家族」との会話など)は戯画的に描写しすぎているきらいはあるかも
この辺文字ベースだと分かりづらかった
映像作品もある程度格式のある娯楽として受け入れられている現状をみると、記録媒体として本ばかりを持ち上げるのは若干アナクロに思われる
あるいは我々が作中世界に近づいたと考えるべきか
自分もMX4D映画やリコリスリコイルを見て「最近のは陳腐だなぁ」と思うことはあるのでいつの時代の人も同じなのかもしれない
やや読みづらい箇所や分かりづらい表現もあったので、原文も読んでみたいところ
映画版もあるらしいが作品のテーマからするにミスマッチな気もする…
第3部の逃走劇は映像映えしそうだけども…
100分de名著「華氏451度」←趣味の悪いジョークか?
鳥類学者だからって鳥が好きだと思うなよ(2023年8月16日読了)
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鳥類学者川上氏による、鳥類学研究についてのエッセイ
氏のフィールドワークにおける多彩な体験がユーモラスに表現されており、読んでいて楽しかった
適応行動論の講義でも思ったが研究者のフィールドワーク体験記は面白いよなぁ
タイトルに反してしっかり鳥が好きそうなので安心した
暇と退屈の倫理学(2023年8月21日読了)
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「退屈」にフィーチャーし、人はなぜ退屈するのか、どうすれば退屈でないのか哲学者の視点から説いた哲学入門書
パスカルやハイデガーなど哲学者の引用のみならず、人類学、歴史学、脳科学など多様な側面から考察がなされていた
日ごろ感じている空虚感と消費社会への疑問について体系づけられた説明が得られたように思える
説明としては納得いくがそれに対する行動指標は納得いかないところも多い(パスカルとか)
長々と説明しているが結論の一部は割と序盤に出ているような気がした
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?(2023年8月29日読了)
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核汚染され荒廃しきった地球で不法移民のアンドロイドを処理する賞金稼ぎの戦いや葛藤を描いた作品
作者の構築する独特のSF的世界観が刺さりまくった
情調オルガンとか共感ボックスとか
人間とアンドロイドの境界の曖昧化(リックのアンドロイドへのシンパシー、レッシュがアンドロイドだという疑念、レイチェルの行動など)がテーマである一方で、プリスの蜘蛛殺しなど人間とアンドロイドの相容れない面も描写しているのが印象的だった
レイチェルの"無意味"な山羊殺しとプリスの無意味な蜘蛛殺しはある種対比になっていたのかも
宗教的モチーフが絡んでくるのがいかにも欧米的だなぁと思ったり
しかし高度な宗教は人間以外は持ち得ないという点で必要なポイントではある
アンドロイドによる宗教の否定のシーンがあったり、その後でも宗教に縋る人間がいたり
映像映えしそうなシーンが多いので映画「 ブレードランナー」も見てみたいたところ
映画版だと設定や展開の違いが結構あるっぽい
核の灰→酸性雨
アンドロイド→レプリカント
アンドロイドの数5人→8人
リックがアンドロイドであるとほのめかすようなオチになってるらしい(by父)
レッシュの要素を踏まえつつということなのか
wikiによるとそんなことはないらしいが…
ロボット(R.U.R)(2023年9月5日読了)
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人造人間(ロボット)による反乱をテーマとした戯曲
戯曲は初めて読んだが、ところどころ分かりづらい言い回しがあったり
ロボットという言葉の原点となった作品
短くシンプルだが後出のロボットSFに含まれる多くの要素(ヒト型のものを奴隷として扱うことの是非、人種問題、ロボットの利用、ロボットの寿命、人間とロボットの違い=生命とは何か)を網羅している
逆に後出の作品は本作の影響をかなり強く受けているというべきか
仮面ライダーゼロワンなどはほぼそのまんまである(本作を読んだうえでそうなったのかは分からないが)
フランケンシュタインのような科学の進歩と倫理への問も含んでいる
本作ではロボットの反乱を引き起こしたのは人間であったとしている
進歩の末に待っているのは怠惰と不妊(=生命性の欠如?)であるとしており、技術の進歩には否定的であると感じた
労働賛美という点ではマルクス主義的かも
生命とは魂とは愛であると結論付けている
結局機能の問題で子供はできないんじゃ…とは思うのだが
作中最後の人間が創世記の一節を引用して閉幕。最終的に人間が頼るのは宗教であるということか。
ザ・ロード(2023年9月10日読了)
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灰に塗れ、死臭に満ちた世界で父子が彷徨う物語
全体を通して叙事詩のような雰囲気が漂っている
リアリティのあるディストピア
容赦ない死体の描写
盛り上がりには欠けるので通し読みより少しずつ読んだ方が面白そう
「火」とは?
善き心
若い世代
横浜駅SF(2023年9月15日読了)
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無秩序に自己増殖を続け、本州を飲み込んだ「横浜駅」を舞台としたSF
「18きっぷ」「自動改札」「非常停止ボタン」など鉄道をモチーフとした劇中用語設定に作者のセンスが光る
鉄道関係ないけどcorpocker(コロポックル)が特に好き
往年のディストピア小説的な要素を多分に含み、また「ターミネーター」「銀河ヒッチハイク・ガイド」などのパロディもあることから作者のSF愛が伝わる
こういう、統治機構は滅んだが機械がひとりでに往時のまま動き続けている、みたいなディストピア描写は好き
「自動改札」が土着信仰を生んでるという設定は凄いセンスだなぁと
カクヨムで公開されているネット小説であり、読みやすかった
面白かったので文庫版も欲しいところ
昭島市民図書館で借りてみたので読んでみる
世界まちかど地政学:90ヵ国弾丸旅行記(2023年10月22日読了)
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筆者が予習なしでカリーニングラードや北アイルランドなど地政学的に重要な場所を訪問し、体験したことを書いたエッセイ。
訪れた土地の様子が事細かに記載されており、街の建造物の様子や食事などは目に浮かぶようである。
特に空港の入国手続きの様子などは国によって多彩であり、面白かった。
予習なしとはいいつつ、もともとの筆者の歴史や地政学についての知識が豊富なので、解説の情報量が多く、勉強になる。
しかしそれによってかえってかなりバイアスが掛かっているのではないかと思われる部分もある。
ちょっと通りかかって見た情景に歴史的な背景がそこまで綺麗に現れるものだろうか…
筆者も数日の滞在でその国の雰囲気が分かるわけがないと前書きしてはいるが…
本文中に妙に政治的皮肉が入ってることがあり、そういうのがなければ読みやすいのになぁと思った
もともとそれ系のライターなので仕方がないとは思うが
時間とはなんだろう 最新物理学で探る「時」の正体(2024年1月4日読了)
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時間をテーマにニュートン力学から始まり、相対性理論、電磁気、量子力学、そして場の量子論など物理学を網羅的に簡潔にまとめあげた一冊。
あまりにも綺麗なまとめ方に脱帽。
さすがに一般相対性理論や場の量子論は一回さらっと読んだだけでははてなマークが飛びまくりだったので文末の参考図書も併せて読んでみたいところ
重力場の歪みの説明がよくわからんかった
あらゆる「影響」を考慮して~あたりも
虐殺器官(2024年1月10日読了)
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9・11を契機に高度な監視社会が成立した世界でCIAの特殊暗殺部隊に所属する主人公が、人々を虐殺へと向かわせる深層文法を操る男との戦いに身を投じていくSF小説
アメリカ英語の小説を翻訳したような語り口になっており、どちらかというとハヤカワSF文庫のような雰囲気がある
そうでありながらも往年のSF的な読みづらさはなく、専門用語や引用の解説など詰まることなく読むことができるような工夫が感じ取れた
オーウェルを始めとした往年のSF小説へのオマージュが見て取れ、作者のSFオタクっぷりが感じられる
終わり方もどことなくそれらしい
作品のテーマとして進化学や脳科学が表れており、それらの学問領域への作者の深い造詣も見て取れる
言語を「器官」と表現しているのには驚いた
謎の頭文字D要素
旧版の表紙の方がシンプルで好きだったかも
主人公の感情や意思について疑問を問いかけられるような終わり方
虐殺の文法に操られている?
ソラリス(2024年2月25日読了)
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一つの惑星の地表を埋め尽くす巨大な知的生命体「海」との接触について研究者の戸惑いと挑戦が描かれた作品。
複数回にわたり過去のソラリス学の文献について引用があり、長きに渡るソラリスの研究の流れを感じることができた
具体的な研究の内容については読みづらく感じることも多々あった
接触と言っても「海」側の意思が直接表現されることはなく、海から反応があるものの謎に満ちているという扱いとなっており、ソラリス学者達の苦悩を追体験することができた。
ハーモニー(2024年2月27日読了)
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医療が発達し過保護なまでに健康を管理・監視されるようになった「優しい」世界を描いたディストピア小説。
前作「虐殺器官」に引き続き自由意志や意識をテーマのひとつとしており、前作同様生物学、進化学的な見地からそれらに還元主義的にメスをいれる
意識を複数の欲求モジュールによる合議制システムと解釈
「虐殺器官」の数十年後の未来が舞台となっていることが示唆されており、作中世界の技術の発展(意識までも操れるようになった)とともに問いかけれる疑問もより高次で根本的なものとなっており、意識の要不要にまで議論が及ぶようになった
作中の医療ディストピアのきっかけとなった「大災禍」はどうも前作ラストに主人公が誘発させたアメリカ内戦とつながっているらしい
感情や事象の並立が<>で説明してある奇妙な文体
まさかラストの伏線だとは…
ミァハの意識に関して
バグダットに送られて以降のミァハには意識がなかったはず
意識がないものが全世界の人間の意識がなくなるように行動している
ウイルスというか利己的な遺伝子のような無為の増殖の気味悪さ
トァンの最後の行動について
目先の復讐に気を取られ判断が鈍っている
双曲線的な価値判断
最後の行動を通じて、作中で言及されている人間の価値判断や意思の曖昧さ、不合理さが強調されている
価値観の変容の仕方の描き方が丁寧
「破廉恥」「猥褻」といった言葉が不摂生に対して用いられるようになっている
社会に対して公然に認められないものが「破廉恥」「猥褻」と表現されているのなら、現代社会の「破廉恥」「猥褻」とは…?
作中では進化はその場しのぎでつぎはぎなものであると繰り返し言及されている
作中世界では欲求のバランスが完全に管理され意思を失った状態が最適だったということだろう
しかし環境が変わったらどうなってしまうのだろうか
再び感情や意識が必要な世界が訪れたら?
そもそも意識とは
意識の有無は外観からでは判断できない
作中ではfMRIによる脳活動によりさらっと規定していたが…
これ系のディストピアってシステムそのものが問題というより単一のシステムに身を委ねすぎているのが一番の問題に思えてしまうんだよな…
やだなー本 その「やだなー」はアイデアに変えられるかも、変えられないかも(2024年3月2日読了)
人間たちの話(2024年3月3日読了)
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氷に閉ざされた日本で春を求めて南へ進む少年たちを描いた「冬の時代」、オーウェルの「1984年」を基にしながらコミカルな、しかしよく考えると恐ろしい監視社会を提示する「たのしい超監視社会」など6作品を収録したSF短編集。
シュールな話から心温まる話、ぞっとする話まで幅広いテイストの作品が収録されており、作者の万能ぶりに驚かされた
設定面から作者の想像力と科学的造詣の深さが感じられる
三体運動を使ってラーメンを攪拌する場面では思わず吹き出してしまった
あらゐけいいち氏の表紙イラストが可愛い
ます牛を球とします。(2024年3月4日読了)
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遺伝子操作技術が発展し培養肉が普及したり遺伝子操作による多様性の担保がなされる世界を舞台とした「まず牛を球とします。」、不発弾だった原子爆弾の処理に右往左往する科学者たちを描いた「沈黙のリトルボーイ」など14編を収録したSF短編集。
小説という形式を取っているものの、取り留めのない思い付きについて話を膨らませたような短編が多く、エッセイのような趣がある。
小説的な盛り上がりを期待して読むと拍子抜けするかも
重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る(2024年3月5日読了)
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身近ながらも謎が多い重力について相対性理論から場の量子論など最新研究について歴史的経緯を踏まえながら説明されている。
数式はほとんど使われておらず気軽に読みやすかった
やっぱりよく分からないところは多い
月は無慈悲な夜の女王(2024年3月12日読了)
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月植民地での月行政府の転覆から独立までの戦いをある計算機技術者の視点から描いた長編SF。
独立運動での細かな方策、独立を求める政治的駆け引き、圧倒的戦力差のある地球を打ち破る作戦などが非常に高いディティールで描写されており、本編の長さと相まって壮大な歴史ドラマを見終えたような読後感が味わえた。
「後から知ったことには~」「歴史には書かれてないこと~」など主人公が歴史を語っているような書き方をされている箇所もある。
意識を持つ高性能計算機、位置エネルギーを利用した質量兵器などSF的な読みごたえも充分。
計算機「マイク」は本作のメインキャラクターの一人であり、八面六臂の大活躍をする。
月世界での独特な風俗文化(婚姻、調停の仕方)や言語(何語なんですかそれは…)などもよく考えられていて独特なものとなっていた。
日本の不思議な建物101(2024年3月14日読了)
夏への扉(2024年3月16日読了)
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婚約者の策謀により職を失った技術者の青年が時をかけ、奔走するタイムトラベルSF。
一点の曇りもない圧倒的ハッピーエンドでとても爽やかな読後感。
見事な伏線回収。最後の過去へのタイムトラベルではこれまでの謎が一気に解き明かされ、読み進めながらパズルのピースが埋まっていくような興奮が得られた。
タイムトラベルものは複雑になりがちだが本作ではタイムパラドックスを扱ってないので分かりやすかった。
過去へのタイムトラベルでの結果が既にタイムトラベル前の未来で反映されていることになっている。(タイムトラベルで未来を変えるのではなく、未来の通りになるように主人公が過去の人物に働きかけている。)
読みやすいけどこれ書くのは相当難しかったんじゃなかろうか…
ねこかわいい
ねこつよい
武器持った成人二人相手にほぼ無傷は強すぎでは…
会社法や株取引、アメリカの地理等の知識はあったほうが楽しめそう
作中の未来(2000年)のレトロフューチャー具合も味があってよい
やはり21世紀への憧れみたいなものはあったのだろうな…
21世紀生まれの私にはない感覚
1970年も出版当時からしたら未来だったのだろうか
コールドスリープとか3度目の世界大戦とかアメリカの首都移転とか
タイムトラベルを描くにあたって未来とそのさらに未来を描くというのはなかなか奇抜
進化と人間行動(2024年3月26日読了)
理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (2024年3月26日読了)
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論理、科学、選択の観点から人間の理性の限界について説いている
選挙制度や論理の不完全性など
対談方式をとっており、疑似的に多様な視点からの意見や見識を取り入れることができた
カントになんの恨みが…
代体(2024年4月2日読了)
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病人や死に瀕した人が意識を転送できる「代体」が普及しつつある世界で人の意識を巡る動乱が巻き起こる
代体に関わる制度や法律の設定がその矛盾も含めよくできていた
一方で科学的な考証については若干控え目に感じた
場面ごとの引きや演出、展開などどこかテレビドラマのような雰囲気があり映像化に向いていそう
こういう小説で最終的に犯人や主人公の個人的な問題に帰着するのはなんとなく誤魔化されたような感じがある…
三体(2024年4月29日読了)
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未知の文明「三体文明」とのファーストコンタクトに纏わる騒乱を描いたSF長編。
中国の小説は初めて読んだが登場人物の名前を覚えるのに苦労したり…
未知との遭遇というある種古典的なテーマを扱いつつも、中国国内の政治情勢、環境問題、VRゲーム、ナノテク、量子論など多種多様な要素を盛り込んだ意欲作。
加速器にエラーを起こさせ地球の技術進歩を止める陽子コンピュータ「智子」やナノ材料「飛刃」を使って船を切断する作戦など各要素を器用に扱っていた
宇宙は何でできているのか(2024年8月13日読了)
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素粒子から宇宙の誕生まで、物理法則の根源をたどる入門書
量子力学って現状一番ファンダメンタルな物理学ということもあって、「仮説に矛盾がなければOK、問題がある箇所は補正」みたいな科学の在り方が一番よく現れてるよなぁ
ここは全ての夜明け前(2024年8月17日読了)
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機械との融合手術を受け不老となった女性のモノローグ形式で綴られるSF小説
SF的な詳細な設定は現れないのでSF小説か...?と言われると要検討
歪んだ愛と憎しみと無関心、不老化と安楽死と自殺、合理と不合理がグロテスクなまでに鮮烈に描かれており、吐き気すら覚えた
「面白かった」「感動した」というより「とんでもない小説を読んじゃったなぁ」という読後感
物凄い衝撃を受けたがそれ故にもう一回読みたいとは思わないし、他人にすすめるのも憚られる
作者の生い立ちとか精神状態が不安視される
温暖化が進んでまともに外に出られない世界という設定の説得力があまりにも強い
主人公の名前が伏せられているのは何故だろう
アルジャーノンに花束をの影響とかあるのかな(読んだことないから分からない)
ある意味おねショタなので刺さる層には変な方向から刺さりそう
日本語という外国語(2024年8月27日読了)
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日本語を母語としない人に対しての日本語教育について書いてある
言語学的な比較を期待して買ったのだが、教育の手法についての記述もかなり多かった
「国語文法」と「日本語文法」の違いなど興味深い記述もあった
英文法なども母語話者に対しては違う説明がされてたりするのだろうか
母語を第三国視点から眺めるという初めての感覚
外国語学習に役立つ観点かもしれない
哲学のすすめ(2024年9月5日読了)
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哲学を物事の根本にある価値判断とし、社会や学問などあらゆることに対する哲学の必要性を説く
哲学という学問そのものの入門書であり、内容が分かりやすく興味が湧きやすいような工夫を感じる
哲学を自然科学と比較したり類似点を取り上げる箇所があるが、肝心の自然科学への理解が不足しているように感じられた
ふしぎな国道(2024年9月12日読了)
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国道マニアの作者が送る、国道を隅から隅まで味わい尽くす入門書。
国道の制定の歴史や変遷などディープな世界が感じられた。
ただ通行するだけでなく標識に注目してみたり逆に通行しないで見たりと国道の多様な楽しみ方が面白い
近所の甲州街道や圏央道についても言及されていた
今後は見え方が変わるかも
国道グッズが欲しくなった!
無意味のススメ(2024年9月13日読了)
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「意味」に溢れた現代において、「無意味」に意味を見出し楽しむことを提案する一冊。
筆者の提示する「無意味」の例からセンスの一端が見え隠れしている
くだらないようで(くだらないからこそ)面白い
JR中央線あるある(2024年9月13日読了)
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中央線文化の識者による中央線愛に溢れた地元ネタを集めた一冊。
若干古い本なので昔の様子なども窺い知ることができ楽しかった
豊田にイオンができる前だったんだなぁなど
負けヒロインが多すぎる!(2024年9月25日読了)
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恋に破れた「負けヒロイン」たちの敗走と一時の青春を描くライトノベル。
今はアニメが大人気で絶賛品切れ中。
永山のブックオフで偶然遭遇
1巻はアニメでは1~4話に相当
「主人公」「ヒロイン」に対する「負けヒロイン」というフィクションで頻発する構造を逆手に取ったラブコメとしては斬新な設定。
「負けヒロイン」らしさのありつつも個性豊かなキャラ設定
やっぱ負けヒロインといえば青髪だよなぁ
先にアニメを見たのでだいぶ印象が変わるなぁと
八奈見さん、遠野ひかる女史の声で再生しないとだいぶキツめのキャラに読めるなぁ…
珍獣の獣の部分がアニメではある程度ナーフされていた模様
財布の残金がないことを確認して後に大量注文してたり
泥棒猫発言で気まずい空気を展開したり
見比べてみるとカットされてるセリフ、棘のないように改変されてるセリフが結構ある
アニメの良改変に感心しつつカットが惜しいシーンも多々
はじめての構造主義(2024年9月27読了)
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レヴィストロースの築いた構造主義について彼の人間関係からそのルーツを探る解説書。
ソシュールの言語学、抽象的代数学など構造主義に影響したと思われる学問について丁寧に解説されている。
入門 東南アジア近現代史(2024年10月3日読了)
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土着国家から植民地国家、近代国家に至るまでの東南アジア国家の変遷について学ぶ入門書。
東南アジアの多様性に富んだ文化について歴史的背景から考察し、現代の東南アジア統合の枠組みの在り方についても洞察を加えている。