【ネタバレ】GQuuuuuuXのすごいところn選
2025年1月17日に公開された「機動戦士ガンダム GQuuuuuuX Begining」。期末テストやらなんやらの影響があり、遅ればせながら先日28日についに劇場で見ることができました。その内容があまりにもなんというか衝撃的だったので整理のために色々書き綴ってみようと思います。
すごかったところ
「ガンダム」の新しい枠組みを作った
昨年45周年を迎えたガンダムシリーズ。数多くの作品が存在するのですが、大きく「宇宙世紀シリーズ」と「アナザーガンダム」の2つに分けられます。宇宙世紀シリーズは、第1作「機動戦士ガンダム」から連綿と続く宇宙世紀の歴史を舞台とした作品群です。ファーストガンダムで描かれる連邦 vs. ジオンの1年戦争を起点に多くの物語が描かれます。一方でアナザーガンダムはこの宇宙世紀の世界とはまた別の世界で繰り広げられる作品群です。昨年話題になった「機動戦士ガンダムSEED」はコズミック・イラの世界が舞台ですし「機動戦士ガンダム水星の魔女」はアド・ステラの世界が舞台です(西暦が用いられてるガンダムなんかもあります)。
ところがどっこい「機動戦士ガンダム GQuuuuuuX」はこのどちらにもあてはまりそうにないのです。GQuuuuuuXは宇宙世紀での出来事を描いた作品です(したがってアナザーガンダムではない)。しかし「宇宙世紀シリーズ」にも組み込めそうにありません。どういうことかというとGQuuuuuuXは1年戦争でジオンが勝った世界の物語。すなわちこれまで触れられてきた宇宙世紀とはまた違う、パラレルワールドの宇宙世紀なのです。これまでも実質パラレルといっていいような作品はありましたがそういった作品でも「1年戦争で連邦とジオンが戦い、連邦が勝利した」という根本的なナラティヴを崩すことはありませんでした。GQuuuuuuXはそうした宇宙世紀の概念を根底から覆してしまったのです。
ファーストガンダムへの変態的なまでの執着
本編が始まった途端「してやられたな…」と思いました… というのもスクリーンに映し出されたのはなんだか既視感のあるコロニーの映像と「UC0079…」から始まるナレーション。そして、「Begining」の文字と同時に流れる効果音。もう完全に1979年放映の「機動戦士ガンダム」のそれでした。
このように「機動戦士ガンダム GQuuuuuuX Begining」の前半はパラレルのUC0079の説明に充てられます。ここで注目すべきはファーストガンダムに対する異様なまでの拘りです。やたら池田秀一っぽい声、安彦良和っぽいキャラデザ、見覚えしかない構図、フレクサトーンの音、しまいには当時のセル画を再現した背景の星々など嫌でもここが宇宙世紀であることを分からせられます。馴染んだ絵柄がかえって状況の異常さ、パラレル感を強調しているように感じられました。
リファインされたモビルスーツのデザイン・メカニック
GQuuuuuuXのデザインが初めて公表されたときはかなり衝撃を受けました。ファーストガンダムとは対称的な有機的な曲面、むき出しのプロペラントタンクなど宇宙を翔ぶ機械であることがこれでもかと主張されたデザインは、すっかり私の心を射止めてしまいました。
そして劇場でさらに目にすることになったのはリファインされたザクやガンダム(RX-78)です。こちらも巨大なバーニアを備えパイプやタンクが露出した風貌で「宇宙で運用される兵器」という説得力がましにまされていて思わず息をのんでしまいました。
さらに感銘を受けたのは機械としての細かなパーツの動きです。バルカン砲への給弾、ホーンが展開するときのボルトの動きなど鶴巻監督の「癖」を感じる仕上がりになっていました。
日常と戦闘のギャップ
前半の1年戦争パートが終わるといよいよアマテ・ユズリハを主人公とするUC0085のパートが始まります。ここで強調されているのが駅の案内板、高速道路の標識、グラタン、学校などの日常風景です。
今回の主人公は普通の女学生ということで日常からクランバトルという非日常への飛躍が印象深く描かれていました。
今後の展開の気になるところ
ガルマ散らず
ガルマ・ザビは本来の宇宙世紀の歴史では1年戦争中に盟友シャアの裏切りを受け、ホワイトベース隊の攻撃によって非業の死を遂げる人物です(なぜか葬儀のシーンの方が有名な気がしますが)。しかしGQuuuuuuXでは彼は退官した設定になっており、おそらくUC0085でも生きています。兄のドズルは普通に死んだことになっているのでわざわざ彼を生かしておいた理由があるのではないでしょうか。
哀しみのアルテイシア
白いガンキャノンに乗ってシャアと交戦したセイラさん。その直後ガンダムがゼクノヴァを起こしたことからこの現象になにか関係があるのかもしれません。今後のキーパーソンとなりうる人物です。
GQuuuuuuXと赤いガンダムの型番
GQuuuuuuXはgMS-Ω、赤いガンダムはgMS-αの型番が振られていることが本編中の映像から確認できました。どちらもgMS-(ギリシャ文字)の型番になっていることから、他のギリシャ文字のガンダムも存在することが予想されます。すなわちgMS-ΖやgMS-νがおそらく存在するという訳です。本編で触れられることはないかもしれませんが出てきたら嬉しいですね。
サイド共栄圏?
今回の映画ではジオン戦勝後の政治体制について事細かには語られていません。おそらくギレン・ザビが実権を握っている一方でその支配は各サイドまで及んでいるわけではないようです(エグザべ少尉のセリフからサイド6はジオンとは友好関係にあるようですが)。もしかすればガンダムUCでフル・フロンタルが提唱したサイド共栄圏のような状況がUC0085の時点で成立しているのかも。