社内エバンジェリスト
社内に対する啓蒙を行うエバンジェリストのこと。
背景
通常、エバンジェリストとは社外に対する啓蒙を指し、広報の役割が強い
何を啓蒙するかは様々
自社の製品、サービス、ブランド
特定の技術
一方で、啓蒙は社外だけでなく社内にも向けることができるが、現状このようなポジションはありそうでない
概要
社内の社員全員に対する何らかの啓蒙を行う役割
何を啓蒙するか
クリエイターエバンジェリスト。ものづくりで用いる技術
ワークウェアエバンジェリスト。仕事術や組織改善などワークウェア ウェルビーイングエバンジェリスト。コミュニケーションやメンタルヘルスなどウェルビーイング系
ガーディアン。会社の文化(ガーディアン)
社内エバンジェリストは専任者であり、以下を備えている:
単独で全社員に対する情報発信、コミュニケーション、問い合わせを行う権限と裁量を持つ
多用な間口を持っている
継続的な情報発信、ドキュメントによるまとまった情報公開、勉強会など参加型イベント、オフィスアワー、チャットコミュニティやフォームでの募集 etc
特定のプロジェクトやチームにはコミットしない
常に一歩引いた立ち位置を維持し、特定単位にコミットしないことで高い裁量を維持する
社員は誰でも自由に意見をぶつけていい
社内エバンジェリストは自律性を持っており、ぶつけられた意見はヒントとして活用する
自律性と自立性
自律。自分なりの信念や意思に基づいて意思決定ができる
自立。自分ひとりで行動に移せる
予算、計画、締め切りといった管理にとらわれない
機密性のともなわない成果を社外にも出せること
社外への発信やそれに伴う交流は社外エバンジェリストのモチベーションの源泉である
すべては不可能にしても、なるべく尊重するべきである
Q&A
社外への発信など、従来のエバンジェリスト活動はしないのか?
Ans: しないか、してもいいがメインではない
使うリソースや労力が違う
社内エバンジェリストは社員向けに行うため、社外ほど取り繕わなくていい
その分、ラフで率直でスピーディーで高密度なやりとりを行える
従来のエバンジェリストはしないのが望ましい
その分も社内エバンジェリスト活動に充てたい
あるいはたまに(まれに)社外に発信する程度ならアリだが、それでも負担にはなるため望ましくない
社内エバンジェリストと社外エバンジェリストを分けるのが理想
例(おそらく事例なし)
動画エバンジェリスト
動画配信、編集、収録方法など動画全般を啓蒙する
たとえばYouTuberなど配信者を雇うことが考えられる
生成AIエバンジェリスト
生成 AIの全般知識や利活用を啓蒙する
最新動向やマニアックな内部仕様のキャッチアップというよりは、生成AIに詳しくない大多数向けの底上げに貢献するイメージ
ワークウェアエバンジェリスト
ワークウェアを啓蒙する
ガーディアン
会社の文化の周知、浸透を担う
第三者として相談役になったり、能動的に顔を出したり、継続的に発信して社員達に想起させたりする
通常はCEOなどトップが担うことが多いが、トップはここをガーディアンという役割として外に出せるとその分楽ができる
余力があるなら「言語化されてない文化」を言語化して共有するのも良い
既存事例
社内エバンジェリストのレベルで定着しているかは怪しいが、イメージを掴む一助になるため記載
Kubernetes evangelist
ITの文脈だが、Kubernetesというコンテナ技術のエバンジェリスト
私たちにはエバンジェリストがいて、ドキュメントを用意して、いくつかのプロジェクトの事例を紹介できるようにしているのです。なので実際にデモをして、AMA(Ask Me Anything: 何でも聞いてほしい)セッションを設けるのです。私たちはたくさんの人からの関心を得るためにさまざまな戦略を試みています。
青山 真也氏