別働隊
企業のスタンダードな人材からあぶれる者を別枠別用途で活用すること、特にそのような組織やチーム。
背景
一方で、そこからあぶれる者もいる
これらの者は現状戦力扱いされないし、採用もされない
が、これらの者が使えないことは意味しない、どちらかといえば使う側が下手なだけである
使い方を工夫すればよい
その一例として別働隊という概念を提唱する
概要
企業が標準的に求めている人材をスタンダードと呼ぶ
スタンダードの性質
Solid Career、特定のポジションやジョブディスクリプションに就く(~~エンジニア、~~コンサルタント、プロジェクトマネージャーなど)
必ず上司がつき、チームに組み込まれ、それらの運用に従わされる(たとえば朝会とペアワークを行うチームなら朝会とペアワークは避けられない) タスクがアサインされ、かつ管理される
職位も設定され、通常は平社員からスタートし、権限や裁量も絞られている(フラットな構造である場合でも新人の意見は聞いてもらえないなど事実上絞られていることが多い)
スタンダードにそぐわないが、活躍できる可能性のある人材をスペシフィックと呼ぶ
スペシフィックの性質
想定されたSolid以外のスキルや経験を持っている
スタンダードに対する管理以外の管理の仕方で動ける or 管理なしで自律的・自立的に動ける
タスク(直接成果に繋がる何らかの直接作業)以外の活動ができる
その名のとおり、特定(Specific)の用途には強い、というニュアンスがある
本当は特別(Special)と名付けたかったが、スタンダードからの反発が強いことが想定されるため、下手に出る意味でもSpecificとした。Specificであれば「特定の用途にだけ使える道具」感が出るため、スタンダードらも自尊心を保てる
スペシフィックを上手く扱うための部隊を別働隊と呼ぶ
別働隊のあり方はスペシフィックごとに設計する必要があるが、傾向は出る
別働隊の設計例
発達障害
ADHDの場合、
発散が得意なのでアイデア出し、壁打ち、広い範囲(社員全員など)へのインプットや刺激に適する
ASDの場合、
言語偏重とこだわりが強いので新規分野の探求、体系化、提言・提案(あるいはそのたたき台)の作成に適する
こだわりの強さと動作性の高さを双方備える場合、定型作業や単調作業に強い可能性がある
夜型
日中寝て深夜に活動するような超夜型人材の場合、
24/7など高い可用性が求められるシチュエーションで、深夜帯を担当できるかもしれない
時差により日本では深夜帯となる時間帯でも海外チームとコミュニケーションできるかもしれない
強い趣味
(サラリーマンの適性やスタンダードとしてのスキルは微妙だが、強い趣味を持っているケース)
YouTuberとして登録者10万人以上の活躍を見せている場合、
動画・編集エバンジェリストとして社内の動画編集のサポート、および啓蒙ができるかもしれない
プロではないが、プロに近い水準のアマチュア物書きである場合、
筋トレ、エクササイズ、ダンスなど身体アクティビティに詳しい(大会優勝や副業兼業で稼げるレベル)場合、
従業員の健康を運動面から啓蒙できるかもしれない
向上心がなく、昇進やスキル向上にも興味がなく、ワークライフバランス保てる程度に仕事できればそれでいいやという人の場合、
スタンダードが嫌がる社内の雑務を専任で行うと助かるかもしれない
特にエンジニアリングを生業とする組織では「技術には全く興味ないが、エンジニアが嫌がる雑務や渉外ならできる」という人が少なくない。スタンダード的に言えば、このような者もエンジニアとして使うことになるが、別働隊的に捉えると、エンジニアとして扱うのはやめて雑務や渉外に専念させよう、となる → オッドジョバー 別働隊というチームの設計
管理しない
成果物をレビューする形にする
ただし締切に間に合わない場合など、催促のコントロールは必要な場合がある
雑務や渉外の代行
スタンダードな人材はフルスタック寄りであり、普段の仕事からコミュニケーション(特に顧客など社員以上にデリケートな存在とのやりとり)、雑務全般まで自分で行うことが要求されるが、スペシフィックにそれらをこなせるとは限らない
こなせそうにないなら、そこは潔く巻き取る
巻き取るための人材を別途設定する
この人材にもスペシフィックが使える可能性はある
おそらく個々人が全く異なるワークスタイルや特性を持っているため、一つのやり方に合わせてもらうのは良くない
もちろん同質のスペシフィックが集まっている場合はペアワークが使える可能性もある
別働隊への参画
本人の意思を確認する
基本的には本人の意思を尊重するべきである
意思としては、スペシフィック候補自ら声を上げているケースと、こちらから本人やチームを見に行かなければわからないケースがある
一方で、スタンダードで貢献できる余地がない場合は、業務命令的に別働隊に持って行くのが望ましい
スタンダードとして居るよりはマシだと考える