2-B14 AIによる質問を利用したメール返信支援システムの評価
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2-B14 AIによる質問を利用したメール返信支援システムの評価
三浦 悠輔(早稲田大学),楊 期蘭(東京大学),栗林 雅希(早稲田大学),松本 啓吾(東京大学),葛岡 英明(東京大学),森島 繁生(早稲田大学)
長くて丁寧な職場のメールに返信することは,時間がかかり,認知的にも負担が大きい.大規模言語モデルを用いた返信作成支援システムは,メール返信プロセスを簡素化することを目的として提案されているが,ユーザは依然として期待する出力を得るために詳細なプロンプトを作成する必要がある.そこで本研究では,受信メールの内容を基にAIによって生成されたシンプルで短い質問への回答を通じて,ユーザが返信を作成できる,質問-回答方式のアプローチを提案し,評価した.本研究では,12名と9名を対象に,実験室環境と実環境でユーザ実験を実施した.その結果,提案手法は従来のプロンプトベースのアプローチと比較して,ユーザが適切なプロンプトを作成する手間を省き,メールの品質を維持しながら,返信の効率を向上させ,また作業の負担を軽減することが明らかとなった.
近年、生成AIの活用が進む中、使いこなせる人とそうでない人のデジタルデバイドが課題となっています。
本研究では、生成AIを活用したメール返信支援において、質問‐回答方式というアプローチを、シンプルで使いやすいインターフェースで実現しており、既に実用的なものです。
特に、生成AIに精通せずとも多くの人々の生活が便利になる、という点を評価しました。
生成AIのような新しいテクノロジーが、人々の生活や社会に自然に溶け込んでいくような実用的な研究が今後更に増えることも期待して、本研究に企業賞を授与することに決定しました。