月はいづこ秋の風こそやはらかし
https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86593540/rectangle_large_type_2_e393c99c5315953c6efab30f0f96ed74.jpeg?width=800
中秋の名月と聞いて、長女を連れて夜道を歩いて見たのだけれども、なかなか見つからない。探し回って、それでも見つからず、諦めて帰ろうとした瞬間、低いビルとビルの隙間に、巨大な満月が、のっと顔を出していた。
「おおっ」思わず声が出た。
いつもの月よりあんまり大きいものだから、一瞬、頭の中で情報処理が追いつかなかったのである。
ない、と思っていたものが、あった驚き、という単純なものではない。身体的な知覚に言語的な知覚が追いつかない感覚。
それが月だとわかっているのに、わかったことがわかっていない、なぜわかったのかもわからない。
それでもなお、圧倒的な存在感で、一年の中でも最大のエネルギー値で、いつもの街を照らしていた、そして、夜風は優しかった。