仏教哲学を、広く浅く、考える
日々の生活のなかで、ときどき、嫌なことや辛いこと、苦しいことがあった時なんかに「仏教って、もしかしたら、心を癒やしてくれるのかな」と思ったりすることがある、と、ある日、とある知人の女性は語ったのだった
意外と、似たような感覚を持つ人は多いかもしれない
例えばそんなふうに思って、書店で仏教書のコーナーに立ち寄ってみて、こう感じたことがある人も多いと思う
敷居の低そうな入門書に書いてあることは「そんなのわかってるよ」という正論が多くて、心に染みてこない
かといって、本格的な仏教の経典は、よくわからないサンスクリットや古文漢文の雨あられで、敷居が高い
宗派とか寺とかお坊さんの名前があまりに散らかっていて、どこから読んだらいいか、わからない
その直感は、間違っていません
なんとなく、ふらっと本屋で仏教書を読んでも、「悟り」や「救い」「導き」にたどり着く可能性は、極めて低いのです
そんなわけで、肉体派、実践派に飛び込む人もいる
とにかく般若心経を写経したら、心が落ち着くらしい、とか
なんだかんだ、お遍路さんはやってみるといいらしい、とか
思い切って、禅寺に入って修行しよう、とか
それもそれで、悪くないかも知れませんが、必ずしも、そこまでする必要も、ありません
実は
仏教とは、広く、浅〜く見ていけば、誰にだってスルスルわかるものなのです
誰に弟子入りする必要も、お布施を払う必要もありません
どういうことか
仏教哲学の根本的にあるのは「全ては変わっていく」という考え方
このことを、身体の芯から分かることによって、元気モリモリ、勇気百倍、今日という日を、意欲的に生きられるようになります
個別のお経や論文は、それを理解するための、ステップアップの道筋や、理解の枠組みを提供してくれようとしてきたのです
いまは、ネットも本も充実しているので、日常生活のなかで、可能な範囲で、適した順番で、適した情報に、触れていけばよいのです
大昔は、経典を写すのも手作業で、そもそも経済全体が貧しかったわけですが、いまは、情報に触れることが非常に簡単な時代ですので、とてもラッキーです
一方で、情報があまりに氾濫しすぎてしまい、本当に必要としている情報が、見つかりにくくなっている、という意味で、とてもアンラッキーとも言えますが・・・
さておき
なんとなく、仏教と聞くと
「無常」とか「四苦八苦」とかいって、なんだか灰色な、退廃的な、疲れた感じのイメージがありますね
「利他」とか「戒律」とか「修行」とか、我慢を強いるイメージもあります
さらには「虚無主義」とか「刹那主義」と思われることもしばしばです
極め付けが「よくわからない熟語が多い」「古くさい」「抹香臭い」ということになりがちなのですが
実はぜんぜん、そんなことはないのです
明るく楽しく元気よく、楽して生きようぜ
それは、限られた人の特権ではないんだぜ
誰だって、そこに行けるんだぜ
という構えが、その根本には、あるのです
問題は
それぞれの時代、それぞれの立場で、あまりに色んな人が「自分はこう思う」というものを積み上げ、ミックスし続けてきたせいで
「似たようなことを語っているのに、ちょっと違う」とか
「実は逆のことを言ってるのに、似た言い方をしている」とか
「それが当てはまる場合もあるけど、そうでないときもある」とか
色んな混乱が起きてきたのが、仏教哲学の歴史なのでした
もちろん、そうしたなかで、「あらためて、全体を整理しよう」とか「今度こそ、本当のことを語ろう」とか、整理、統合の試みも、なされてきたのだけれども、その結果、何が起きたかというと
「こっちのお経の方が正しい」とか
「あっちの教えが流行すると困る」とか
むしろ混乱が、かえって広がるばかりで
決定版が出ないまま、今日に至っています
さらには
明治維新では廃仏毀釈の嵐が吹き荒れたり
近代化とともに、西洋哲学が一気に流入したり
工業化、情報化、都市化のなかで、地縁血縁のあり方も変わったり
社会に衝撃を与えるような、カルト宗教の問題も発生したり
そんなこんなで、仏教というと、なんだかちょっと、あんまり近づきたくないようなイメージもあります
一方で
アメリカの先進企業に禅が流行したり
自然回帰志向のなかで、原始仏教的な、ヨガや瞑想が注目されたり
健康に良さそう、どこかで救ってくれそうだ、というイメージもあります
こうして見てみると、「仏教」と、ひとくちに言っても、そう簡単には「これが仏教だ」とは言い切れない、まさに「お釈迦さまもびっくり」な状況にあります
実は、だからこそ
現代こそ、仏教の核心に触れる、最も適した時代環境にあるのです
なぜならば、今日を生きる私たちは、仏教に関する、色んな情報やイメージの、細部には立ち入ることなく、あくまでフラットに、全体感を見ていくことができるからです
ということで
以下に、仏教哲学を、フラットに理解し、適度に実生活に活かすための、「7つのヒント」を、お示ししたいと思います
仏教哲学を考える、7つのヒント
※「7つのヒント」の、使い方
・それぞれのページで、3つずつ、都合21の素朴な疑問を取り上げます
・謎を解くための、手がかりも、提供していきます
・すべての「謎」に、自分なりの答えを出すことを、目標にしてください
・人によって、かかる時間の長短はあるでしょうけれども
・全部解けたら、きっと、明日が少しだけ、明るくなっていると、思います