乗合バスの行先や経路を表す番号に関するガイドライン私案
2020年6月17日作成 #豐多摩研究所toyotamakenkyusyo.icon 2020年6月18日図、付番の考え方等追加 豐多摩研究所toyotamakenkyusyo.icon
2020-10-23 国交省ガイドラインの不十分さを加筆toyotamakenkyusyo.icon
2020-10-23 照合効率を高める原則を加筆toyotamakenkyusyo.icon
2020-10-23 アルファベットの識字率加筆toyotamakenkyusyo.icon
2020-10-23 番号の一意性加筆toyotamakenkyusyo.icon
目次
前書き
基礎概念
行先経路群のまとめ方
付番単位
使う字
付番の考え方
付番方法の案
既に系統番号等がある場合
前書き
乗合バスには多数の行先や経路があり、旅客はどのバスに乗ればよいか識別する必要がある。道路運送法施行規則第六十五条では、バスの外側に行先及び運行系統を表示しなければならないとされている。バスの識別をわかりやすく、簡単にするには、行先や経路を表す短い識別子を付けることが有効である。日本の多くのバスでは、行先や経路を表すために、行先番号や系統番号等が用いられている。しかし、番号がなかったり、番号があってもバスの行先や経路を識別するのが難しい場合も多い。このため、いまだ日本のバスは行先や経路がわかりにくいという問題がある。国土交通省は2018年10月に「乗合バスの運行系統のナンバリング等に関するガイドライン」を定めたが、わかりやすい番号を定めるには不十分と思われる。こうしたことから、わかりやすい番号の付番に資するべく、本ガイドライン私案を定める。
「わかりやすい番号を定めるには不十分と思われる」→具体的にどこが? にし.icon
国交省ガイドラインが不十分と思われるのは以下の点です。toyotamakenkyusyo.icon(2020-10-23)
何の情報をどのように番号で表すべきかが不明確なこと
用語の定義が曖昧で、系統番号と行先番号の付番対象が明確になっていないこと
番号の桁に対する意味付けのあり方を明示していないこと
統一的な付番規則を定めていないこと
国土交通省の「乗合バスの運行系統のナンバリング等に関するガイドライン」は下記で公開されている。
本ガイドライン私案は作者の限られた知見により書かれており、読者諸氏には積極的にご批判、ご質問、ご意見等をいただき、それを参考に拡充できれば幸いである。
なお、本ガイドラインは何かを強制するものではなく、判断基準に迷って困ったときの参考にするのがよい。
基礎概念
乗合バス
乗合バスは乗合自動車や路線バスともいい、不特定多数の旅客を運送する自動車である。
一般路線バス、高速バス、定期観光バス、コミュニティバス、デマンドバス、深夜バス、空港連絡バス(リムジンバス)、代行バス、廃止代替バス等がある。
日本の道路運送法では下記のように分類される。
道路運送法第4条による一般乗合旅客自動車運送事業(路線定期運行、路線不定期運行、区域運行)
道路運送法第21条による乗合旅客の運送
道路運送法第78条による有償運送(自家用有償旅客運送(市町村運営有償運送、公共交通空白地有償運送、福祉有償運送)等)
道路運送法によらない無償運送
道路運送法における路線と運行系統
道路運送法においては、バスが運行される道路の区間が「路線」である。
道路運送法においては、バスの便が路線を通って起点~経過地~終点を繋ぐ経路を往復まとめたものが「運行系統」である。
路線は枝分かれせず、別の路線との重複もない。
途中折り返しや途中分岐する経路は別の運行系統となり、複数の運行系統が一部区間で重複することがある。
本ガイドラインでは、「路線」と「運行系統」は上記の道路運送法の定義を用いる。
https://gyazo.com/e6c54d7495bfc7a08bfd8f786fb38fc4
運行系統群
途中折り返しや途中分岐する複数の運行系統をまとめて旅客向けの案内が行われることも多い。複数の系統をまとめたものを本ガイドラインでは「運行系統群」とする。
なお、運行系統群は地域公共交通確保維持改善事業実施要領で用いられている。
一般には、運行系統群を「路線」ということもある。しかし、本ガイドラインでは用いない。
https://gyazo.com/3863207f601f75fc1b00b9397b6745d8
行先経路と行先経路群
始発停留所、経由停留所、終着停留所とその乗降可否、往路と復路の別が全て同じものを本ガイドラインでは「行先経路」とする。
複数の行先経路をまとめたものを「行先経路群」とする。
往路と復路の別を除いて同じ2つの行先経路を合わせた行先経路群が、道路運送法の「運行系統」にあたる。
「行先経路」と「行先経路群」は本ガイドライン独自の用語である。「行先」は往路と復路の別、「経路」は始発停留所、経由停留所、終着停留所とその乗降可否を表すことを意図している。なお、基本的に運賃、事業者、営業所等は区別せずに同じ行先経路とする。
https://gyazo.com/a6006f17bf1f99f079cd85b12d6f1cfc
行先経路群のまとめ方
乗合バスを旅客案内する上で、個々の行先経路を個別に表すよりも、行先等をまとめた行先経路群で表す方が、簡潔に説明しやすいことが多い。
行先経路群のまとめ方は複数考えられるが、主なものについて、その特徴を示す。
行先経路をまとめない
https://gyazo.com/dd94690fc1845a61ba1eb23fc638880b
始発停留所が異なり、経由停留所と終着停留所が同じ行先経路をまとめる
https://gyazo.com/77e6275e0f0d16d6d5f879be2aef1580
同じ停留所から複数の行先経路のバスが出ている場合、その停留所から先の経由停留所と終着停留所が同じであれば、始発停留所が異なるどの行先経路のバスに乗っても同じ所に行ける。そのため、停留所から同じ所に行ける行先経路をまとめれば、乗るべきバスか否かを簡潔に説明できる。当然、このまとまりは停留所によって異なる。そこで、どの停留所においても、その先の経由停留所と終着停留所が異なるものが同じまとまりにならないように、細分化したまとまりを考える。
行先経路としては区別できても、同じ停留所を複数回通る場合には、何回目かは区別できない。
経由も区別した行先番号はこのまとまりに付されてる。
始発停留所はわからないため、途中始発で遅れにくい、座りやすい、といったことは判断できない。
目的地から時刻表を遡って出発時刻を調べる場合、どこから来るバスかわからないと、そのバスが出発地を通るか区別できない。
全体の案内やウェブサイトで時刻表や経路等を調べても、途中で合流してくる行先経路を区別できないため、実際に利用したい区間についての情報を得るのが難しい。
往路と復路が異なるため、行きと帰りの説明が異なり、対の関係がわかりにくい。
往路と復路が異なるまとまりになるため運行管理の単位としにくく、一部運休等の説明が難しい。
経由停留所が異なる行先経路がまとめられるため、運賃表を1つにまとめて説明することが難しい。
始発停留所と経由停留所が異なり、終着停留所が同じ行先経路をまとめる
https://gyazo.com/a390a2c05cb2cb32b4da7cf014c7051d
終着停留所(行先)のみを区別して説明する。
経由停留所がわからないため、この情報だけではそのバスに乗ってよいか区別がつかない。
「乗合バスの運行系統のナンバリング等に関するガイドライン」はこのまとまりに付すものを行先番号と定めているようである。
始発停留所と経由停留所が異なり、終着停留所が類似の行先経路をまとめる
https://gyazo.com/bf47d25c0489e9f7fe32b6ab51a93a87
終着停留所が類似のものをまとめて説明する。
経由停留所がわからないため、この情報だけではそのバスに乗ってよいか区別がつかない。
このまとまりに行先番号を付す事例がみられる。
往復以外が同じ行先経路の往復をまとめる(運行系統)
道路運送法の単位に一致しており、運行計画の管理と対応する。
往路と復路は運用が直結することが多いため、運休等を的確に説明できることが多い。
往路と復路の区別がつかないため、別に行先などを用いて説明する必要がある。
「乗合バスの運行系統のナンバリング等に関するガイドライン」はこのまとまりに付すものを系統番号と定めている。
類似の運行系統をまとめる(運行系統群)
類似の行先経路をまとめて簡潔に説明できる。
実際の東京バス協会式等の系統番号は、このまとまりに付されていることが多い。
途中始発・途中終着について
ある行先経路の途中に始発地がある行先経路のみをまとめることも考えられる。この場合、目的地から出発地へ時刻表を遡るときに分岐は生じない。
ある行先経路の途中に終着地がある行先経路のみをまとめることも考えられる。この場合、目的地へ行く途中で終着となることはあっても、間違った方へ行くことはない。
しかし、これらの場合、まとめ方が一意に定まらない(複数の行先経路の途中に始発地/終着地がありうる)。
明確な実例はみられない。
付番単位
本ガイドラインでは、運行系統群と行先経路の2階層に付番することを推奨する。運行系統群番号、行先経路番号とする。
番号は特定の対象を一意に識別することを意図している。そのため、最も細分化した行先経路が特定できるように付番する。これにより、行先等を確認せずとも、番号を見るだけで往路・復路の別も含め、通る停留所を明確に識別できる。
一方、乗合バスの行先経路は経由や始発終着が多少異なる複数がまとまって存在しており、旅客案内もそれに合わせてまとめて簡潔に説明できることが望ましい。そのため、運行系統群に付番し、そのまとまりを識別できるようにする。
1つの運行系統群に複数の行先経路が属するため、2階層構造とする。行先経路番号は運行系統群番号の枝番とする。1つの行先経路は1つの運行系統群にのみ属することにし、行先経路番号が一意に定まるようにする。枝番は必要に応じて省略してまとめて案内することも考えられる。
同じ方面へ向かう行先経路群や、同じ拠点停留所やバス通りを通る行先経路群は、地名を記号化せずにそのまま記したり、空港へ行くものは✈といったピクトグラムを用いる等、行先経路番号とは別に案内することが望ましい。なんでも独自記号化しても、暗号のようにわかりにくくなるため、地名などがそのまま使え、かつ非日本語話者への案内の必要性が低いオプション的な説明は、地名などそのまま使うことが望ましい。
ウェブ検索を考慮し、日本国内で番号が一意になるようにする。地域番号または拠点停留所番号を設け、その下の階層に運行系統群と行先経路の2階層を置く。
日本国内で一意にする必要性は全く無いと思う。たとえば18系統は、京都市バス、神戸市バス18系統、横浜市営バスなどたくさんあるが、系統番号を見て判断する以前に、都市も事業者も全然違っているのが明らか。
ウェブ検索でいちいち外国人や旅行者が事業者名や都市名を正確に把握・入力できるか、できたとして検索に正確にヒットするか疑問toyotamakenkyusyo.icon(2020-10-23)
一意にして困ることがなければ、あえて一意にしない理由がないtoyotamakenkyusyo.icon(2020-10-23)
利用者に都市や事業者といった(余計な)情報を意識させるのはどうかtoyotamakenkyusyo.icon(2020-10-23)
系統番号を一意というのは、データベースとかコンピュータ的な考え方すぎやしないだろうか。
鉄道の路線名や路線記号は一意ではないが、不都合はそれほど無い。東西線は日本にいくつもある。
高速道路や国道は日本国内で一意の番号だが、都道府県道は都道府県内で一意の番号、市町村道は市町村内で一意の番号だ。鉄道路線やバスの系統番号もそれと同様に、都市圏や運行エリアで一意であれば、冗長になりすぎることもなく、必要十分
バス停名は国内で重複がたくさんあり(市役所前など)、それで困っていることはないのに、バスの系統番号は一意にしなければならない必要性はない にし.icon
同一のバス停名は検索したときにどちらか判別するのが面倒で困る。地理に詳しかったり、土地勘があるならましだが、旅行者や外国人に易しいとは考えにくい。toyotamakenkyusyo.icon
一意の番号にすることで冗長になるのは、附番方式が下手であるか、活用方法が下手なためであり、附番することのデメリットになるとは考えにくいtoyotamakenkyusyo.icon
鉄道の路線記号が一意でないのに困らないのは、ウェブ検索はおろか、ほかの用途でさえまともに使われていないからでは?toyotamakenkyusyo.icon(2020-10-23)
バスの系統番号が一意でなくても困らないのも、単に使われていないからか?一意でないと使えないから使われないのか?toyotamakenkyusyo.icon(2020-10-23)
使う字
番号に使う字としては、数字(アラビア数字)、英字(ラテン文字)、漢字、平仮名、片仮名、ハイフン等が考えられる。
数字(アラビア数字)
0123456789の10文字がある。多くの言語で共通して用いられるため、多くの人が読み書きできる。
言語により音が異なり、その言語を知らないと聞き取ることができない。例えば、1は日本語では「イチ」、英語では「ワン」、中国語では「イー」、韓国・朝鮮語では「イル」と音が異なる。
2桁以上の場合は、同じ言語でも十進数として読むか、桁毎に読むかで音が異なる。例えば、23は十進数では「ニジュウサン」、桁毎には「ニサン」である。日本語では音読みと訓読みがある。例えば4は「シ」とも「ヨン」よも読む。0は特殊な読み方があり、日本語では「レイ」や「マル」、英語では「ゼロ」や「オー」等と読まれる。これらはそれぞれの言語がわかる人の間では、どの音も通じると考えられる。
言語に共通して、0123456789という明確な順序がある。
日本では、語呂合わせを用いた名古屋市交通局のC-758、運行開始年を用いた沼津市の沼2000、平城遷都1300年記念事業に伴う奈良交通の1300、増毛方面行に増える毛=ふさふさ=2323とかけた沿岸バスの23のような特殊な事例もあるが、一般的に使うことは難しいと考えられる。
英字(ラテン文字)
大文字のABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZの26文字と小文字のabcdefghijklmnopqrstuvwxyzの26字がある。多くの言語で共通して用いられるため、多くの人が読み書きできる。
日本語、英語、中国語、韓国・朝鮮語等ではほぼ同じ音であり、概ね聞き取れると考えられる。しかし、日本人の発音が必ずしも正確に伝わらなかったり、日本人による聞き分けが難しかったりすることも考えられる。例えば、B「ビー」とV「ブイ」や、T「ティー」とP「ピー」とD「ディー」が聞き分けにくい恐れがある。
言語に共通して、ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZという順序があるが、必ずしも順序を意味するものではなく、前後の字がすぐにわかるものでもない。
日本語ではあまり使われず、日本人にはなじみが少ないため、人によっては使いにくいことや覚えにくいこともありうる。日本人における識字率も明らかでない。
義務教育で英語の授業が何年もやるのに「なじみが少ない」とは?
アルファベットが読める人ばかりではないという意見があります。toyotamakenkyusyo.icon(2020-10-23)
そりゃあアルファベットが読めない人も探せばいるだろうけれど…
だからと言って、系統番号には数字だけを使うべきだとはならないでしょう
そもそも識字率のデータがない以上、明確な根拠とはなりえないtoyotamakenkyusyo.icon
義務教育に英語が導入されたのは新制中学校以降?toyotamakenkyusyo.icon(2020-10-23)
日本語ではローマ字として音を表すのに用いる。これにより、日本の地名の音を表せる。また、頭文字をとって短く表すことも一般的である。
漢字
漢字は多数の文字がある。日本語や中国語等の一部の言語でのみ用いられ、読み書きできる人が限られる。
言語により音が異なる。形も言語により多少異なるものがある。
同じ字で複数の音がある場合が多い。日本語では1つの字に音読みと訓読みがそれぞれ複数あることが多くある。また、同じ音の字も多数ある。このため、字を見ても読み方がわからず、聞いただけでも字がわからないことが多い。
日本の地名をそのまま、または頭文字等をとって表すことができるが、字だけでは読み方はわからない。
仮名
仮名は平仮名と片仮名がそれぞれ46文字程ある。日本語でのみ用いられ、読み書きできる人が限られる。
音は字とほぼ一対一に対応する。
あいうえお順やいろは順に順序を表すことができる。
日本の地名の音をそのまま、または頭文字等をとって表すことができる。
ハイフン
文字列の区切りにハイフン「-」が用いられる。音がよくわからず、日本語では「の」と読まれたり、読まれなかったりする。
文字列の区切りとしては、ハイフンを使う以外に字種を分けることも考えられる。例えば、ABC-DE-Fの代わりに、ABC012dのようにすることが考えられる。
望ましい字
漢字は少ない字数で地名を表すことができる。しかし、漢字文化圏以外や幼少の者は判別が難しく、地名をよく知らない者には読み方がわからず、聞いてもわからないという難点がある。仮名は読みは明確であるが、日本語話者以外には難しい。
年齢や言語等によらず多くの人に伝わりやすいように、英字と数字のみを使うことが望ましい。ハイフンも許容しうる。
英字や数字を用いる場合、次の点に留意することが望ましい。
B「ビー」とD「ディー」、M「エム」とN「エヌ」、Q「キュー」と9「キュー」は読みが近い。
数字の0は英語で「オー」と読まれることもある。
英字の大文字と小文字は一般的には読みが同じである。
Oとoと0、Iとlと1、bと6、qと9は形が近い。
読みや形が近いものは区別に用いないことが望ましい。これにより、読み間違いや聞き間違いをしたときに誤解するのを避けることができる。例えば、B12を聞き間違えたときにD12があると誤解する恐れがあるが、D12がなければ誤解する恐れは少ない。B12と同時にD13があっても、B13がなければ誤解する恐れは少ない。
英字は大文字のみを用いることが望ましい。英字の大文字と小文字をともに用いると、読みを区別するのが難しい。また、英字の小文字は小さく見にくいうえ、数字と形が似ているbやqがある。
番号の中の同じ位置には英字または数字の一方のみを用いることが望ましい。これにより、似たものがあっても、位置で区別できる。例えば、B23があれば、B12の1(イチ)をI(アイ)と誤る恐れは少ない。
付番の考え方
桁数が多いと視認性が下がるほか、覚えにくいという問題が生じる。数桁ずつに区切り、必要に応じて一部のみを用いることが考えられる。
日本にバスの運行系統は5万ほどある。運行系統群や運行系統の数は下記が参考になる。
ウェブ検索を考慮し、国内で重複なく付番することが望ましい。
運行系統の新設や変更を考慮し、番号数は余裕があることが望ましい。廃止になった直後の番号の使いまわしは、混乱を生じる恐れがあるため、避けることが望ましい。
各桁に意味をもたせることも考えられる。
各桁に意味をもたせると桁数が増えがちであるため、視認性や覚えにくさに留意する必要がある。
地名を記号化して覚える必要があり、必ずしも意味まで浸透しないことが多い点に注意する必要がある。
照合効率を高める原則toyotamakenkyusyo.icon(2020-10-23)
桁数を抑える:経由地などの解釈/意味づけでむやみに桁数を増やさない
桁を分ける:照合が必要な桁数を少なくする
解釈/意味を基準に桁を分ける:照合が必要な桁数の判断をしやすくする
日本語話者向けには経由地や行先の地名は番号と別に漢字でそのまま書くことも考慮することが望ましい。
空港や駅などは、非日本語話者も向けて、番号と別にピクトグラムを併用することも考えられる。
多数の運行系統が同じ道路をまとまって通る区間では、その区間を区別して番号とは別に記号化することも考えられる。
付番方法の案
地域番号または拠点停留所番号、運行系統群番号、行先経路番号の3階層とする。
地域番号または拠点停留所番号 英字3桁
地域番号とするか、拠点停留所番号とするかは地域により異なってもよい。
地域は「乗合バスの運行系統のナンバリング等に関するガイドライン」に準じ、生活圏、交通圏を想定している。207生活圏は広すぎ、タクシーの交通圏は狭すぎよう。
拠点停留所(ターミナル)の駅名の漢字1字を用いている場合、空港コードのようないわゆるAKB方式により英字にすることが考えられる。
地域内では下位の運行系統群番号が被らないようにし、表示を省けるようにすることが望ましい。
運行系統群番号 英字2桁
上位桁に方面等の意味をもたせることも考えられる。ただし、番号数が不足しないように留意する必要がある。また、付番規則を明確化し、例外が生じないようにすることが望ましい。
行先経路番号 英字1桁
既に系統番号等がある場合
既に系統番号等がある場合、急に新しい番号に切り替えると旅客に混乱を生じる恐れがある。そのため、当面は新旧の番号を併用し、運行系統の新設や再編の時等に新番号のみに切り替えていくことが望ましい。
既に漢字等が含まれる系統番号等がある場合、漢字部分のみ英字に置き換える方法が考えられる。例えば、都営バスでは「都01」系統に「T01」を併記している。しかし、既存の系統番号等が既に理想的なものになっている場合を除き、系統番号等を変える機会には、漢字部分のみ英字に置き変える等の中途半端な対応をすることは避け、全面的に理想的な系統番号等へ見直すことが望ましい。