快楽制御法
コンピュータ・サイエンスにおけるマルコフ決定過程によって形式化できる https://gyazo.com/b6446eaf97c4ae93d76640f27b301693
快楽を快楽が得られるまでの遅延τと結果の確実性cで整理すると、「短期的な快楽」と「長期的な快楽」に分類できる やればすぐに気持ちいいことがポイントで、行動から報酬(快楽)が得られるまでの時間が非常に短いのが特徴
即効性と確実性があるため、人はつい繰り返しそれを求めてしまう
時間をかけて育つ深い満足だ。即効性はないが、いったん得ると長く残る プロセス性。単発では終わらず、勉強→試験→改善→合格→卒業のように段階が連なる 計画と自制を担う前頭前野が働き、報酬系と連動して長期目標への集中を支える 快楽によって最適化アプローチが異なる
短期的快楽: 量の最大化
すぐ・ほぼ確実に報われるから
ゲームなら「あと一戦」「もう一回ガチャ」、SNSなら「ちょっとだけ更新」の頻度が自然と増える構図 プロセスや環境の洗練——やり方を改善し、フィードバックを取り、成功の当たり方策に寄せていく
問題演習の設計・復習のタイミング・テストでの想起といったプロセスを練るほど、良い点を取れる確率が上がる
なぜ人は短期的快楽を優先してしまうのか
報酬を目前にしたとき、私たちの脳内ではこの感情システムと理性システムが綱引きをおこなう 短期的快楽への衝動は、この「情動の脳」の強力な働きによるもの 本来、目の前の食べ物を逃さず確保するなど生存上有利な適応だが、現代社会ではこの性質が貯金より浪費を優先するなど非合理な選択につながると指摘されている
短期的快楽から抜け出す方法
「遅延τ」と「確実性c」を操作して設計的に快楽から抜け出す2つの方法を推奨
高い頻度で起こす好ましい行動(=好きなこと)を、低頻度の望ましい行動(=やるべきこと)の報酬として与えると、後者の発生率が上がる
例:30分勉強したら10分だけSNSを見ても良い」「部屋の片付けが終わったらご褒美にアイスを食べる
何か欲求が湧いたとき、「すぐには行動に移さず○分待つ」と決めてみる
この「待つ」訓練を少しずつ伸ばし、10分、15分…と欲求の猶予時間を増やしていく
watatoshi.iconこの遅延報酬は自分に合うかも。やってみよう
環境へのアプローチ
第一に、睡眠・食事・運動によって身体エネルギーを高く保つのと同時に、マインドフルネス(呼吸・短時間瞑想)を活用し、前頭前野のトップダウン制御を高め、衝動や渇望に対する“反応しない余白”を広げるのを推奨 実装はシンプルで、「衝動を感じたら3呼吸して現状にラベル付け→長期の目的を一句で想起」が基本形
第二に、環境を先に変える。短期的快楽の手が届く距離と出会う頻度を物理的に下げる(スマホを寝室と机から退避、グレイスケール化、サイト遮断、夜は充電を別室に)。 第三に、コミットメント・デバイスを使う。時間ロック、デポジット(破ったら罰金を失う)、周囲の人に監督を依頼する、など“未来の自分を縛る”仕組みは行動経済学で効果が確認されている 最後に、定期的なメタ認知レビューを入れる。「侵食チェック(週1)」で、短期的快楽にどれだけ時間を払ったか・どの場面で破られたかを見える化し、高リスク状況と対処を更新する。これは依存症領域で標準のリラプス・プリベンション(再発予防)の考え方で、“一度の破り=失敗ではない”と捉え直すほうが、長期の維持に効く。 watatoshi.iconこれは今からでも出来そうなやつ
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