統一戦線工作部
United Front Work Department; UFWD, 中共中央统一战线工作部, 中国共産党中央統一戦線工作部, 中央統戦部
中国共産党中央委員会の直属で、中国共産党と党外各民主党派(衛星政党)との連携を担当する機構
現在の業務は、主に国内外における中国の印象・世論・影響工作と目される
外国のさまざまな中国人コミュニティーの組織を通して活動している
台湾問題やチベット・新疆における少数民族の弾圧などに関する世論操作
外国メディアが中国について報じる際の語り口の形成や、外国で中国政府を批判している人々への攻撃、影響力の大きい在外中国人の取り込み
コミュニティーを通じて中国共産党を熱心に擁護し、反中国共産党的な芸術作品に対しては「検閲」を実施
チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の活動への抗議
最近、この組織とのつながりが調べられ、制裁を科された在外中国人に、有名実業家の楊騰波氏
英王室のアンドリュー王子と交流がある
1949 内戦が終結し、共産党が中国を統治するようになるとなりをひそめたが、この10年間の習政権で、統一戦線は一種の復興を迎えている
米シンクタンク「ジャーマン・マーシャル財団」のマレイケ・オールバーグ上級研究員は、習氏の下での統一戦線について、「関連のあるすべての社会勢力と可能な限り広い連合を構築する」という点で、初期のものとほぼ一致していると話す。
活動が他の党機関と重なっているため、うまく実態を捉えられない
米ジョンズ・ホプキンス大学のホー・フォン・ホン教授(政治学)は、中国の活動となると「影響力とスパイ行為の境界線はあいまいだ」と言う。
このあいまいさは、中国が2017年にある法律を成立させた後に、さらに強まっている。その法律は、中国の国民と企業に対し情報調査への協力を義務付けるもので、政府への情報提供も含まれる。ホン教授はこれを、「実質的にすべての人を潜在的スパイにするもの」だとしている。
中国の国家安全省は、外国のスパイは至る所にいて「ずる賢く卑劣だ」と国民に警告する、ドラマチックなプロパガンダ動画を公開している。
中国から外国に特別に派遣された学生の中には、外国人との接触を制限するよう大学から言われ、帰国後に活動報告書を求められた人もいた。
それでも習氏は、世界に向けて中国をアピールすることに熱心だ。党の信頼できる部署には、中国の力を外国に誇示するよう命じている。