キリスト教神学と近現代の連続性
聖書・教義の解釈
究極の善なる存在であり、全知全能たる神は諸々の悪を認識するか?
こいつ悪を知っているのに放置してんのか?って話
神は個物を認識するか?
神の知は推論的か?
神に意志は存在するか?
意志があるとすれば、神の意志は可変的=途中で変わるのか?
神の摂理の下に全ては置かれているか?
神は全ての物を愛するか?
神は過去にあったことをなかったことにできるか?
天使は多数存在するか?
Y:『ダニエル書』には「彼に仕えていた者は幾千、神の御前にはべっていた者は幾万…」
N1:数は量的であり、連続体の分割に基づくが、天使は非物体的なものであるから、天使には該当しない
N2:あらゆるものは「一」に近いほど、多数性もそれだけ少ない。天使は神に最も近い存在である。神はこの上なく「一」なる存在であるから、多数体は天使にそぐわない。
→トマスの解釈1. 天使における数とは、連続体の分割ではなく、形相の区分に起因する
→トマスの解釈2. 「複数」が「一」に劣るのは、「合成」という場合のみであり、数の多い少ないは問題ではない
神に意志は存在するか?
意志があるとすれば、神の意志は可変的=途中で変わるのか?
Y:『ローマ人への書簡』にて、使徒が「あなた方が神の意志の何たるかを確認したるよう」
N1:意志の対象は目的であるが、神に目的はないため、神には意志もない
N2:意志とは欲求であり、欲求というのは所有されていないものを対象とするため、不完全である。よって神には不適合
トマス解釈1. 神自らが、全被造物に関して目的たる位置にある→神にも意志はある
自分という目的がある
トマス解釈2. 欲求は所有するものに対する愛というかたちでもありうる。この場合、神にも適合する
→自然科学における仮説や実験結果の解釈が重要
真空は存在するか?
なぜ内陸に海洋生物の化石が多数存在するのか?
惑星は円運動か?
Y:地球が宇宙の中心で、諸惑星が回っておりかつ、それは円運動である。円は上下左右対称で始終のない完全な図形(プトレマイオス、キリスト教)
N:全惑星が円運動しているとすると、ほんのわずか計算がずれる(ケプラー)
→ケプラーの解釈:惑星は円運動ではなく楕円運動している