シャカシャカ補助記号×の提案
シャカシャカは局所的に決まるようにみえて、不思議な手筋が多いパズルとして知られています。
そんな不思議な挙動について、補助記号×を使うことで、見通しがよくなることがあります。
この記事では簡略記号◯、補助記号×の紹介とそれを使った手筋、実際の問題への利用を見ていきます。
簡略記号◯
×記号の前に、簡略記号◯について、説明します、
◯記号はシャカシャカを極限まで雑に簡略化して書いたものです。
長方形が伸びる時に、丸を楕円に伸ばすのではなく、2つ書く点が特徴です。
https://gyazo.com/242c65e96a9500e31b79207443c04597
定義
直角三角形のあるマスのうち色の塗られていない方の格子点に◯をつける
長方形内部で、格子点の対角線方向の4マスを◯に囲まれた格子点に◯をつける
https://gyazo.com/6036176c81f8d5a8e9479504d2450644
もしくは
面積2の斜め正方形の中心に◯をつける
https://gyazo.com/048b9ecf0f851091c09b26e8d10fd4a1
所感
丸を複数書くことで、部分的に決まる長方形にも対応できるが、
難しいシャカシャカで2択になるときには、丸だけで解き進めるのが難しくなります。
(2つの点を囲んだり、辺に線を引いたり等、工夫する必要があります)
そして、何より見栄えが非常に悪くなるという欠点があります。
動画
実際に解いている様子です
シャカシャカを線で解く
補助記号×
本題です。
◯と対になる概念として導入しましたが、×単体でも通常のシャカシャカに導入可能で、
手筋の見通しが良くなるため、今回紹介します。
定義
格子点のうち、◯がつかない箇所
シャカシャカにおいて面積2の斜め正方形の中心にならない格子点
https://gyazo.com/048b9ecf0f851091c09b26e8d10fd4a1
直角三角形の黒マス部分
外周
黒マスの周囲
白マスの周囲
も×の対象となりますが、
ほとんどのマスに×がつくことになるため、これらは既にマークされている / 自明な×格子点として省き、
要所にのみつけることを考えます。
使い方
×の周囲4マスに直角三角形の色の塗られていない側が来ないの形で使います。
https://gyazo.com/c1da42a08b485bcf2ac7d5cb5597c911
↑禁止形
×(外周、黒マス、直角三角形の黒頂点、他の白マス) によって4頂点を囲まれたマスは白マスになります
https://gyazo.com/3422065667084c97fd30851948e3b43d
×をつけた場所が他も決まって白マスになった、の形で変換することが多いです。
いきなり白マスが確定する場合は×をつける必要はありません。
×を使った基本手筋
直角三角形による斜め長方形の向かう格子点の隣のマスは×となります。
先ほどの記号を使うと◯の隣は×とも言えます。
https://gyazo.com/79850da1071cb7a3924757bb97f0dfe8
↓の形が禁止形なので、2x2範囲の隅に×を打ちます
https://gyazo.com/8463fbbadea08f66d13e481a4619ade7→https://gyazo.com/3c8368b8cd7d7080ed80918893015d8d
×を用いて書き直すことで、中央でも使えるようになります。
(2x2範囲については一般に書けるため、後述します)
上級手筋とされていた3マスの手筋も補助記号×を導入すると説明できます
https://gyazo.com/7733cd834edb4c9913e42424367fdccf
×を置くことで決まる手筋もあります。
×]]が1の斜めの位置に書かれた時、対角上に白マスが書かれます。
https://gyazo.com/795fb0cd4847d1cd108b5cd8c3bc8bf8
基本手筋の利用
これらの手筋を組み合わせることで、
今まで上級手筋として知られていた1の手筋の見通しがよくなります。
https://gyazo.com/e6fb7f11a1f47645d716060473262d9c
説明
黒マスが3マス離れて並んでおり、右側に1が書かれている時
左側のこの位置に直角三角形が配置されると
その右隣に×がつくことで
1の右、下が白マスになる
他にも1絡みの挙動は多く、
今まで先読みに頼っていた箇所について、手筋で処理することが期待できます。
上級手筋への組み込み
https://gyazo.com/3e4194b8a00c84986b8de801a82448f3
今まで、1つ飛ばしの1について、
中央左右に白マスを打つ
下の2択を思い浮かべて先読みする
のどちらかだったところ、
4ヶ所に×を打つというのが新たに加わりました。
おまけ: 2x2範囲の手筋まとめ
シャカシャカの長方形禁止は3つのL字禁止に言い換えることができます。
https://gyazo.com/13b792639cf9a973ef82d413b77e5d08
↑灰色部分は伸ばすこともできますが、それらも禁止形です
これらの禁止形を回避する形から様々な手筋が生まれています。
斜めL字については、直角三角形が置かれるなどで、
斜め1マスor 縦横に2マス◯が繋がった状態から
斜めに2x2に並ぶ範囲の状態が一気に決まります。
https://gyazo.com/62eda5e7f594c57abcd1991b24c85093
白マスによるL字については、
黒マスがあり、3x3の格子点がすべて×になってはいけない
黒マスがなく、3x3の格子点の隅の1箇所のみが◯になってはいけない
と置き換えられます。
例えば、このような領域があった時、上の白マスと合わせると3x3領域の7つが×で確定した状態となるため、
緑色部分は2択になります
https://gyazo.com/18f4420520abf2773e98c1169e773fd7
問題への適用
こちらの問題を例に説明します
https://gyazo.com/f84e25984889a6b8cb572a6f36e6025c
パズルスクエアで解くこともできます。
解説
https://gyazo.com/92a5ea47d4a2d0f03117b4c64fb87bee
まずは1つ飛ばしの1が決まり、そのまま左上が確定します。
https://gyazo.com/acc6aafb21bb2cc7517c3214ecfcd548
ここで、緑色地帯、右下に×がついていることから
白マスが一気に決まり、
https://gyazo.com/9066686e43a4f4b7927c478a31c68cf1
2x2領域を考えることで、このように決まります。
https://gyazo.com/0c1b3595e446c6bfdea0579d4804a668https://gyazo.com/7eaa5d699d95f88eea3d0b314d368557
その後、三角形と×が決まっていくため
R4C7の1の周囲が2択に決まります。
https://gyazo.com/07711f31c192b79fc2625f31e304dadahttps://gyazo.com/664c2f30d8a29a2b2cbcd9cf31b4b964
ここで、
黄色2x2の両端の記号は一致する
青色2x2の右下に◯を書き込むと中央にも◯を入れる必要がある
1の左上2箇所は一方にしか◯が入らない
議論から、◯は縦に2つ並ぶことが決まり
上半分が決まります。
https://gyazo.com/385bd357c05d346adeba6e90073c088ehttps://gyazo.com/5964076dffce177a09ea7862fbc6f6e1
https://gyazo.com/e573fd7ef612cc403207c23e9f4df5ee
水色2x2領域について、左上が◯になるならば、中央も◯になります。
灰色2x2領域について、空き格子点(左と下)の両方は◯になりません。
より、左側の×が決まります。
(この時点でユニークネスより、△も◯になります)
https://gyazo.com/1d5342ec6cce81f0fcbfa0b52b2bd8f8https://gyazo.com/4b3a2a71a8a45883b61910e332965eeb
空き格子点領域についても関係をみてみると、
緑2x2領域の下側のどちらかに◯
下段表出1の左上どちらかに◯、どちらかに×
灰色2x2領域の◯は3にならない
より、右図に確定します
最後に、盤面をシャカシャカに戻して、残りを埋めて
https://gyazo.com/1684927637e95328a5de2616bedc6f91
解けました。
まとめ
1絡みなど、2択の連鎖で活躍するイメージです
既存手筋を置き換えてみても面白いかもしれません。