通信電波が届かなくても使える、GPSスマホのマップアプリについて調べてみた
災害時など、携帯電話の通信環境が使用できなくなった際、ナビアプリも使用できなくなります。
登山用などとして公開されているマップアプリでは、もともと携帯電話基地局の電波を受信できないところで行動できることを目的に作成されています。そのため、あらかじめ地図情報をGPS付きスマートホンにダウンロードしておくことで、GPS衛星の電波をだけを受信できれば、この地図上に現在位置を表示できます。GPS衛星の3基以上の電波を捉えて測位する関係から、地下・屋内では、現在位置の表示はできません。また、谷底・ビル街などでも位置の表示が困難となります。
マップの読み込み方法は、アプリによって異なります。
マップを表示させた範囲を、キャッシュ機能で保存して表示する方法は直感的で使いやすいのですが、キャッシュで保存したマップをどの期間保持できるか、また他のアプリとの関係でメモリが圧迫された時にも保持できるか、といったことが明記されていないことが多いです。また、使用したい縮尺のマップを全て表示しておかないと、キャッシュ領域には保存されませんから、広域でマップを見ただけでは、現地で詳細マップを表示できないということが起こります。
キャッシュ機能は無料で使用でき、保存容量を設定した範囲指定のダウンロード機能は有料となっているアプリも多いようです。
ルート記録、ナビゲート機能は、継続してGPS電波受信を行います。スマートホンのバッテリー消費が大きくなりますので、注意が必要です。
目標地点検索
通信環境が利用できる場合には、住所・施設名などで検索できる機能をもったアプリもありますが、携帯の電波・Wifiの電波が通じないところでは、これらは検索できません。車載の専用カーナビは、住所・施設などの位置情報をデータとして持っているので、これができているわけです。登山用マップとして、山のデータベースを持っているアプリはありますが、住所・施設は無理なようです。移動時の施設や地点を目標として登録するためには、緯度経度情報が必要となります。googleマップなどで、緯度経度情報は調べられますから、避難所情報などを事前に調べておいてリスト化しておく、ルート機能を使って、書き込んでおくなどの準備をする必要があります。
ルート共有機能
移動ルートを保存してパソコンに保存したり、仲間でルートを共有したりする機能を持ったアプリもあります。通信環境や機材・登録などが必要ですが、チームで支援に入る際に、共通化してデータ共有できると有用になるかもしれません。
アプリの紹介
スーパー地形 https://www.kashmir3d.com/online/superdemapp/ iPhone、iPad、AppleシリコンのMac、Androidで使用できます。キャッシュ機能で、見た地図も保存して通信環境なしで見ることができる(これは無料で継続して使用可能)。課金することで使用できる機能として、マップダウンロード機能があります。マップ保存容量を設定して、勝手に消えないメモリ領域に、国土地理院地図を「一括ダウンロード(縮尺違いを一括の意味)」することができます。起動して、3日間はこれらのフル機能を試すことができます。(ユーザーごとの買い切り、同一ユーザーであれば複数端末で使用可能)。1200円 Windowsパソコンとの連携は、カシミール3Dというソフト、または、WindowsにAndroidエミュレーターを載せて、スーパー地形を動かすことでできるようです。(カシミール3Dというのは、1997年公開の、パソコン山マップの老舗ソフトで、この作者が、スーパー地形も開発されているようです。ただし、カシミール3Dは、2022年12月のアップデートから更新がありませんし、公式にはWindowsのサポートも、10までになっています。うちのWindows11マシンでは、動いていますけれど。) ジオグラフィカ https://geographica.biz iPhone、Android データのダウンロードは、目的の地図を表示することで、アプリのキャッシュ領域に保存されます。保存は1ヶ月間で、それを超えると消えてしまいます。また、広域地図と詳細地図は別のデータなので、使いたい縮尺の地図で表示して取り込んでおく必要があります。地図を見る・GPSで現在位置を確認する・ネット接続時の検索などの基本機能は、無料。トラックログなどの機能を使用する際は、アプリ内課金(1900円)必要。