禅と暮らす一週間。体験記 初日 2024年秋
https://gyazo.com/f44793ffe7e76d6ebc9dad172f048029
龍雲寺 涅槃堂
はじめに
準備編と概要編に続いて、一週間の体験記を書いていきます。浜松市の佐鳴湖畔にあるお寺で、どんなことを感じ、何を学んだのか。まずは初日のことから書き始めます。
出発の朝から到着まで
朝起きてからごはんを食べました。必要なものはそこまでないはずなのですが、「あれもこれも必要かな」と迷い結局リュックがパンパンに。一週間後に帰ってきた時のことを考えて、部屋の掃除と整理もしておきました。
12時頃に家を出て、電車を2回乗り換えて浜松駅へ。昼食は摂らないように言われており、とはいえそこまで空腹感はなかったのですが、お腹は食べ物を期待するようにグーグー鳴っていました。駅からバスに乗って30分くらい。バスを降りた時、大きなリュック背負った人がいないか見回したけど、降りたのは私だけでした。マップを見ながら坂道を15分くらい歩いて、ようやくお寺に着きました。
https://gyazo.com/30f340689c6b6ddf1af5da39058603a5
禅堂訪問者の入り口。本堂は向かって左の屋根のところにある。
お寺についてから
14時きっかりに到着。本堂の隣にある待合室で説明を待ちました。デジタルデトックスを希望してたので、注意書きが書かれた紙を受け取り、本当にやるかどうかの確認をされました。部屋の金庫にしまうことも可能なので不安な場合はそちらでもできると言われましたが、不意に取り出してしまいそうで怖かったから、完全に預けることに。
https://gyazo.com/3344e2e355b4ad9b613d9b51c79699d0
そのあと「懺悔紙」という和紙をもらって、裏に懺悔したいことを書きました。自分の気持ちを振り返りながら書いてたら、溢れる想いに涙が出そうになりました。その後、本当は懺悔供養があるはずだったんですけど、住職が別のお寺で晋山式に出席しているとのことで翌日に延期になりました。最後に誓約書にサインして、持っていた2台のスマホを預けました。
https://gyazo.com/206825bca7b9e75e1c5d784d9c1fedad
懺悔紙。三宝印が押されている。裏側には懺悔の文をびっしり書いている。
禅堂
この日は私含めて3人が入門でした。15分くらいの説明ビデオを見てから、宿泊施設の禅堂に案内されました。部屋に入った瞬間、シンプルで落ち着いた部屋を見て、少しホッとしました。窓からは佐鳴湖が一望でき、部屋の広がりを感じる素晴らしい景色でした。
https://gyazo.com/7f593174360cf97c7f62fcec4a54dc02
玄関を入ってすぐのところに洗面台があって、右側にユニットバスとトイレがあります。奥の7畳の和室には置き畳が敷いてあって、押し入れには布団一式、窓際に机と坐蒲(坐禅用の座布団)が置いてありました。ベランダ側は壁一面が窓になっていて、湖畔が一望できます。邪魔なものが一切なく透き通って見える景色は本当に圧巻で、スマホが無くて写真に撮れなかったのが今でも心残り。いつかこういう景色が見える場所に住みたいです。
夕方からの暮らし
部屋に入ってすぐトレーナーが来て、一週間の過ごし方や体調管理などの相談を行います。別料金でマッサージやパーソナルトレーニングなどもあり、予約を行うことができます。ファスティングを目的として来られる方も多いみたいです。今回は私が若い男性で坊主だからか、特に目的を話さなくても有料メニューは勧められず、個人的に入ってみたかった酸素カプセルだけを予約しました。
その後、夕方に有料のトレーニング教室があります。本教室は予約制ではなく、自由に参加することができます。初日はハタヨガでした。台北に住んでいた頃に何度かハタヨガレッスンに行ったことがあったので、なんとか付いていけました。体が硬いのでポーズがうまく取れないのですが、45分くらい身体を動かしたら、気持ちよく汗が出ました。
夜ご飯は18時15分から。みんなで「一つには功の多少を計り…」と食事五観の偈(げ)を読んで、禅寺らしい作法で食べました。黙食で会話禁止のため、お盆に乗った精進料理を静かにいただきました。特におかずのおからが絶品で、今でも味が忘れられません。精進料理、作ってみたいなぁ…。
19:30からは坐禅の時間です。初めてで本当に難しかったです。姿勢を正して20分間、「何も考えない」はずが、昔のこと、今日のこと、明日のこととか、仕事のこととか、次から次へと妄想が湧いてきてしまいます。外の車の音も気になるし、気付けば呼吸も浅くなります。終わった時は足が完全にしびれて、ふらふらでした。ただ、何も考えない時間を過ごすことがこんなにも難しいとは。
坐禅が終わると、おやすみストレッチを行い、禅堂に戻ってシャワーを浴びて就寝です。
一日を振り返って
初日は「作務衣(さむい)」とか「絡子(らくす)」とか「坐蒲(ざふ)」とか、初めて聞くし読み方もわからない言葉だらけでした。いつもならスマホでササッと調べられるのに、それもできなくて焦りまくり。時間割も持ち物も記憶を必死に探りながら手書きでメモしていました。
スタッフは優しかったけど、「基本は冊子を読んで自分で理解してください」という形で時間になると淡々と予定が進んでいきます。最初は知らない人ばかりだったし心細くて不安だったけど、これも修行の一つなんだなって。自分はホテルに宿泊に来た「お客様」じゃなくて、自分の意志でお寺に来た修行者として過ごさないといけないなと身が引き締まりました。
夜寝る時、布団を敷きながら「明日はちゃんと起きて集団行動ができるだろうか」と不安になりました。でも、なるようになるしかないと思います。翌日は朝6時には起きないといけないので、いつもより何時間も早い22時前に就寝。不慣れなマットレスと環境で、なかなか寝付けませんでした。
https://i.gyazo.com/5fa2dc4032f29bc4910e74668d8beba5.png https://x.com/share?url=https%3A%2F%2Fscrapbox.io%2Fwada-blog%2F%25E7%25A6%2585%25E3%2581%25A8%25E6%259A%25AE%25E3%2582%2589%25E3%2581%2599%25E4%25B8%2580%25E9%2580%25B1%25E9%2596%2593%25E3%2580%2582%25E4%25BD%2593%25E9%25A8%2593%25E8%25A8%2598_%25E5%2588%259D%25E6%2597%25A5_2024%25E5%25B9%25B4%25E7%25A7%258B&text=%E7%A6%85%E3%81%A8%E6%9A%AE%E3%82%89%E3%81%99%E4%B8%80%E9%80%B1%E9%96%93%E3%80%82%E4%BD%93%E9%A8%93%E8%A8%98+%E5%88%9D%E6%97%A5+2024%E5%B9%B4%E7%A7%8B