禅と暮らす一週間。一日一食断食と仏教体験レポート 準備編 2024年秋
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龍雲寺 禅堂
今回は @sugoi_wada が担当します。
はじめに
先日、私は個人的に一日一食断食と仏教体験を行いました。今回は準備編として体験に行くまでをまとめました。
龍雲寺・禅堂に行ってきました
静岡県浜松市にある龍雲寺(りょううんじ)を訪れました。このお寺には断食道場があり、禅堂に宿泊することができます。
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断食道場と聞くと、数日間一切食べ物を口にしない厳しいイメージがありますが、龍雲寺では一日一食の食事が可能です。身体に過度な負担をかけない形での断食は、初めての方でも参加しやすい特徴があります。最大で一週間の長期滞在ができる点も魅力的です。
一週間のデジタルデトックス
今回、私は一週間の滞在を予約し、デジタルデトックスも行うことにしました。これはオプションのプログラムで、入門から最終日の退出までスマートフォンなどの電子機器を寺に預けることができます。不測の事態がない限り、途中で取り出すことはできず、自分で部屋の金庫に入れるよりもさらに厳格な措置となります。
龍雲寺ではテレワークも可能で、フルリモートで働く人は仕事をしながら滞在できます。そんな中、ソフトウェアエンジニアである私がデジタルデトックスを選んだ理由を率直に語りたいと思います。
デジタルデトックスを行うきっかけ
生活を振り返ると、常にスマートフォンを手放さず、暇さえあれば画面を眺める日々でした。フルリモートのため、同僚に直接会える機会はほぼなく、基本的に一人で仕事をしています。外出先でも自宅でも、リアルな人間より画面越しの人とのコミュニケーションが中心でした。常に誰かと連絡をとり続けている、そんな状況でした。
また、料理、家事、掃除など、あらゆる作業中も音楽、テレビ、ニュース、スマートフォンの動画と常に何かを同時に行い、集中できない状態が続いていました。良くないと分かっていても、つい無意識のうちに手に取ってしまうスマートフォン。このデジタルデバイス依存の生活から一度離れてみたいと強く思うようになりました。自分の意思だけで行うのは難しいため、今回の体験を良い機会と捉えてやってみようと決意を固めました。
当然ですが、デジタルデトックス中は仕事の連絡も取れなくなります。エンジニアリングマネージャーである私が一週間も休暇を取り、連絡が取れなくなることに不安もありましたが、CTOに相談したところ快く承諾を得られました。日程に関してはプロダクトの大きなリリースがないタイミングに合わせるようにしました。
修行のための準備
この貴重な一週間を有意義なものにするため、仏教に関する知識を深めることから始めました。最初に読んだ本は「反応しない練習」です。もともと抱えていた悩みに対して、仏教の教えを通じて解決の糸口を見出せる本だと知り、まさに私に必要な本だと感じて熟読しました。今でも、この本に出会えたことを感謝しています。興味があれば是非読んでみてください。
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他にも何冊かの本を読み、禅や仏教への理解を深めました。本に記載された瞑想法をいくつか実践してみると、少しずつ心が落ち着いていくのを感じました。仏教は「実践する宗教」とも呼ばれているため、知識を学ぶだけでなく、短時間でもいいから日常に取り入れることが大切だということを理解しました。この時点ではまだ入門していませんが、すでに心の中では始まっているかのような感覚でした。
入門一週間前、自分にとって大きな決断をしました。理髪店に行って髪を剃り、人生初の坊主頭にしたのです。最初は躊躇していましたが、この体験を通じて自分に変化を与えたい、見た目へのこだわりや虚栄心、プライドを手放したいという思いが強くありました。数日悩み、最終的には「髪の毛はまた生えてくるし、やってみよう。」と決意を固め、覚悟を決めました。学生以来足を運んだことのない理髪店に行き「3mmの坊主でお願いします。」とお願いしました。短くないパーマスタイルだった自分がいきなり坊主にすることに対して担当のスタッフが心配してくださいました。
坊主頭にしたことで、休暇までに残されたほぼすべてのミーティングで「その頭どうしたの(笑)」と話題となり、次週のミーティングに出られないことを説明しやすくなりました。
仕事からしばらく離れるための準備
デジタルデトックスの許可を得たはいいものの、一週間もの間、仕事の連絡を受け取れない状況には不安がありました。会社やチームメンバーが仕事を順調に進めていけるように、いくつかの準備を行いました。
まず、関係各所へ事前連絡を行いました。家族はもちろん、会社のメンバーや管理部にも滞在期間、場所、連絡先を伝え、基本的に電話の発信・受信ができないことを説明しました。
入門前の最終出勤日には、業務関連のメッセージをまとめてチームメンバーに伝えました。担当ミーティングのファシリテーションや進行上の観点を改めて整理し、各スクラムイベントの目的を文章化しておきました。曜日ごとにどんなことをすればいいかも想像して方向性をまとめておきました。
最後に、メンバーには内緒で Slack に予約投稿を仕込みました。一週間、毎朝のデイリースクラム時に自動投稿されるよう調整し、挨拶と業務メッセージを用意しました。
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内容は概ね既に共有済みのものと重複していましたが、この通知でチームメンバーが温かい気持ちになったと後から聞きました。地味な作業でしたが、一つ一つ丁寧にメッセージを作成し、時空を超えて想いを伝えることができました。
いざ、入門へ
これで準備が整い、入門に向けて出発する段階まで来ました。しかし、このまま書き続けると記事が膨大になってしまうため、今回はここで一旦締めくくりたいと思います。次回は、実際の禅堂での暮らしや気づきについてレポートします。どうぞご期待ください。
おまけ
一週間後、寺を出てからすぐに関係各所に復帰の連絡を済ませ、浜松を観光しました。週末だったため、すぐに仕事のメッセージを確認することは避けましたが、最終的に1000件近くの未読メッセージがあり震えました。翌出勤日は、誰もいない早朝に出勤し、ゆっくりと目を通しました。ミーティングや作業をしながらではありましたが、全てのメッセージを読み終えるのに三日ほどかかりました。
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