simutrans_theme_making_notes
Simutrans テーマ制作についてのメモ
https://scrapbox.io/files/61b5aa6a30633b002369a304.png
この記事はSimutrans Advent Calendar 2021に当日飛び入りして案の定大遅刻で仕上げた記事です。ごめんなさい。
筆者は文章がこの世で2番目ぐらいに苦手なので箇条書きです。Chakuwikiみたいなものだと思って読んでね
TL;DR
「お前もSimutransのスキンを作らないか?」
備忘録も兼ねて少しだけTips
(120系以降のThemeについて解説であり、110系までのWindowSkinについてではない)
用意するもの
公式のテーマのソース(本体ソースに同梱) https://sourceforge.net/projects/simutrans/files/simutrans/
任意のテキストエディタ
任意のペイントツール
Simutrans Tikiwikiのリファレンス
tabファイル関係 https://simutrans-germany.com/wiki/wiki/en_ThemeDef
色指定 https://simutrans-germany.com/wiki/wiki/tiki-index.php?page=en_FactoryDef#mapcolor
デフォルトのテーマをクソだと思い続ける心 向上心
自分のデザインが最高であると思い込み続ける心 情熱と根気
ざっくりとした流れ
1. 公式のテーマのソースを用意する
2. 画像を描いてdatファイルを書いてpak化する
3. tabファイルを書く
4. themeフォルダに放り込む
ね?簡単でしょ?
テーマの構造
テーマを追加するためには何を作らねばならないか
2つのファイルからなる
tab
テーマ名、各種要素の色指定やUIの挙動に関するオプションを指定する
後述のpakファイルも指定する
pak
各種要素に使用する画像を指定する
他のアドオンと同様datとpngを作ってmakeobjでコンパイルする
つまり、目標としてはhogehoge.tabとhogehoge.pakを作ることになる
1. 公式のテーマのソースを用意する
無くても作れないことはないが大変なので公式テーマを改造する
上記「用意するもの」のURLから120.0.1以降の本体ソースをダウンロードする
simutrans-src-xxx.zipが本体ソース
解凍したフォルダの中のthemes.srcというフォルダがテーマのソース
2. 画像を描いてdatファイルを書いてpak化する
今回は「flat」テーマを改造の元にする
https://scrapbox.io/files/61b5cb5f999cf5001e5664cf.png
解凍したフォルダの中はこのようになっているはず
余談 : flat-skin-large.tabは高DPI環境向けのテーマ
このpngを描き換えていく
各画像とも、64pxタイルなら64pxタイルで、128pxタイルなら128pxタイルで全ての画像のコマ割りを合わせること
アドオン作成経験者なら描き換えること自体には困らないであろう
pngが何の為のものかわからなくなったときはdatを参照
英語ながらコメントで細かく解説がある
後述の各要素特有のメモも参照
一方、datについては変更する必要はほぼない
flatテーマがほぼ全ての要素を画像の使い回しなく使用しているため
書き換え終わったらいつも通りmakeobjでpak化する
$ makeobj pak hogehoge.pak hogehoge.dat
3. tabファイルを書く
simuconf.tabを改変したことのあるプレイヤーなら改変自体には困らないであろう
これも基本的にSimutrans Tikiwikiのリファレンスを見ればほぼ網羅されているため、補足と載っていない一部の定義について解説する
nameにテーマ選択画面で表示される名前を指定する
リファレンスを片手に各要素を指定していく
themeimagesに前項で作ったpakを指定するのを忘れないように
色指定について
hexカラーコード(#000000)
上述のリファレンスによる最大3桁の数字による色指定
が使える模様
定義
gui_color_text_minus
赤字(経営的な意味で)を表示する際の文字色
デフォルトは文字通り#FF0000
gui_color_text_plus
黒字(経営的な意味で)を表示する際の文字色
デフォルトは文字通り#000000
4. themeフォルダに放り込む
お使いのSimutransのthemeフォルダにpakとtabをシュゥゥゥーッ!!
Simutransのメニュー → 表示設定 → Select a theme for display → tabのnameで指定したテーマ名を選択 → OK すると
https://scrapbox.io/files/61b5aa6a30633b002369a304.png
最高にエキサイティン!なテーマの出来上がり。お疲れさま。
各要素特有のメモ
ここからは各要素に特有の注意事項を列挙する
どうせ息をするように仕様が変わるので深くは紹介しない
「Simutransにおいてはソースが最も正確なリファレンスなのだから」 ― Simutrans哲学について、vx04 vx04.icon
要素と名前
Button / Roundbutton - ボタン / ラウンドボタン
次の状態に分かれる
unpressed - 通常
pressed - 押下
disabled - 無効
color mask - カラーマスク(Roundbuttonにはない模様)
Editfield - テキストボックス
Listbox - リストボックス
Back - ウィンドウ背景
Titlebar - タイトルバー(120.2.2現在機能せず?)
Gadgetback - ウィンドウ周りの部品の背景(120.2.2現在機能せず?)
Checkbutton - チェックボックス
Posbutton - ポジションボタン?
Scrollbar - スクロールバー
バー自体(Scroll bar)とスクロールボタン(Scrollbar knob)をまとめて定義している
Gadget - ウィンドウ回りの部品
ウィンドウ上の各アイコンとウィンドウリサイズのノブ
Divider - 要素を区切る水平線
タイトルバー(Titlebar)
(122.0時点)指定が効いてないやん、どうしてくれんのこれ
ウィンドウ回りの各アイコン(Gadget)
gui_titlebar_heightでアイコンサイズより大きくしても上下方向にセンタリングされない模様(なんでやねん)
dat側で他のアドオンと同じく画像にオフセットを指定できるのでそれを使うと楽
スクロールバー/スクロールボタン(Scrollbar)
ポジションボタン?(Posbutton)
ポジションボタンという一般的でないUI要素も去ることながら、両者の使い分けはややこしい
ライバル会社ウィンドウに使われる会社選択ボタンはスクロールボタン(なんでやねん)
選択式リストボックスの隣にあるのもスクロールボタン
車両ウィンドウの「指定路線」はポジションボタン
メッセージ表の当該箇所に移動するボタンはポジションボタン
ボタン(Button/RoundButton)
ButtonとRoundButtonで何が違うのかは今回検証していない
4つの状態と9つの部品で、36コマからなる
状態
通常
押下
無効
カラーマスク
不可解な仕様なので後述する
部品
左側上段
右側上段
中央上段
左側中段
右側中弾
中央中段
左側下段
右側下段
中央下段
愚痴
自称UI評論家(?)としては、マウスが乗った時(ホバー)の状態の表現も欲しい
ボタンが無効の場合はそもそもボタンごと非表示になってたり(なんでやねん)、SimutransのUIは表現に一貫性が無い
そのため無効状態の画像は活躍の機会が半分ぐらいに減っているのが残念な所
前述のPosbuttonは特に顕著
リストボックス(Listbox)
路線一覧で一編成も設定されていないスケジュールなどで表示される灰色は変えられない模様(なんでやねん)
描画について
近年COVID-19より深刻に蔓延しているフラットデザインに叛逆して凝ったデザインを作る際にハマったのでメモ
ボタンで検証したが各種要素共通と思われる
描画順について
まず、左側上段パーツを全て描画する
次に、右側上段パーツを全て作画する
最後に、余白があれば中央上段パーツを作画する
引き伸ばしはせず繰り返される(なんでやねん)
描画基準点は画像左上
余白部分がpngより小さい場合ははみ出る分が切り捨てられる
上下方向でも同じ処理(下段を描画して、余白に)
特にボタンで凝ったデザインのものを作ろうとするならば、tab側で指定したUIサイズとpngのサイズをきっちり合わせておく必要がある
透過pngについて
対応した120系(どのver以降か忘れたが)以降であればカラーマスク以外のどの要素にも透過pngが使える
半透明なウィンドウ背景にすることも可能
しかし各UI要素を半透明にしても下のウィンドウと合成されていい感じになるわけでは無いので注意
ボタンのカラーマスクについて
要は透過色以外のピクセルに色を乗せて色付きボタンを表示する時のコマ
各種グラフのボタンやライバル会社のボタンに使われている
前述のとおり透過pngは使用できない(無視されて色が乗らない)
半透明にして元のボタンにさらにオーバーレイ合成する…なんて高度なことはできない(させて)
ボタン等の描画順が同じように適用されるらしく、各パーツオーバーレイが重なって謎のラインが入る(よくわからん)
いかがでしたか?
今回チラ見せしたしたテーマはいずれ配布を予定している。
Simutransのスキン作成を通して、SimutransのUIには一貫性が無いことが理解できたであろう。
とはいえ、今後のいともたやすく行われるえげつない行為 息をするように行われるアップデートで、徐々に整合性が取られていくことに期待しよう。本記事もいささか解説不足な部分が多いので、徐々に追記していく。行けたら行くわ
#simutans #アドオン作成