国語:「イーハトーブの夢」「やまなし」飛び込もう!やまなしの世界へ~優れた描写表現の魅力を友達と伝えよう
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単元を通して身に付けたい力
【教科】
やまなしの場面や表現に注意しながら叙述を基に想像して読んだり、友達と交流したりすることを通して、自分の考えとの共通点や相違点を見付け、自分の読みを広げたり深めたりすることができるようにする。
【プログラミング】
繰り返し処理を組み合わせ、コンピュータに意図した処理を行うための指示を出している。【プログラミング的思考】
学習の流れ
「やまなし」を読み、初発の感想をもつ。学習計画を立てる。
「イーハトーヴの夢」を読み、宮沢賢治の生き方や考え方を確認し、「やまなし」の読みにつなげる。
「やまなし」の5月の場面と12月の場面の情景の大体を確認する。
かにの会話、ものの位置関係などを一枚の紙に表す。
叙述や言葉から、自分の感じたことを(明るい、暗い、怖いなど)、色で表す。
5月や12月の優れた描写表現を viscuit で表現し、お互いに交流して、自分の読みを広げたり深めたりする。
「-よう」などを使ったたとえ、「-よう」などを使っていないたとえ、言葉のひびきによって表す言葉などに着目して、作成する。(※もし、このような表現がなかったときの場面も作成して比べてみる)
viscuit で表現してきた5月と12月を見比べる。
(ポイント)全体で叙述をひとつにしぼることで、優れた描写に着目して創作したり、交流の場面で各々の感じ方のちがいに気付いたりすることができる。「まもなく、水はサラサラ鳴り~もかもか集まりました。」
これまでの学習をふりかえり、初発の感想と比べながら感想を書く。
成果と課題
教科書の本文と、viscuit の操作を行き来しながら描写を表現しようとする児童の姿や、叙述表現から自分の思いを大切にしながら表現する児童の姿が見られた。
一度 Viscuit で表現したものでは満足せず、友達の意見をもとに、プログラムを組み直したり、絵を代えてみたりと試行錯誤する姿が見られた。
普段は文を読むのが苦手な児童が、Viscuit で表現したいという思いを持ち、文を一生懸命に読んでViscuit で表現することをくりかえしおこなう姿が見られた。
本文の「ラムネの瓶の月光が」という場面では、実際にラムネの瓶を Viscuit の作品の中で描いている児童もおり、比喩表現を理解できていないという事が見とれた。
手書きが得意な児童が、プログラミングで苦戦してしまい、自分の考えが上手く表現できなかった児童もいた。
図工ではなく国語としてどう評価していくのがよいのか難しい。
Viscuit を活用したことで、単元計画よりも大幅に時数を必要としたことが課題となった。
作った作品を保存することが容易ではない。
今後の展望
これまでは、この単元を静止画(絵)で表現しながら学習してきた事例はたくさんある。今回の事例は、動きを取り入れることができるので、叙述の感じ方のちがいにおもしろさをさらに感じるだろう。
今回は、全員が同じものを使って学習している。今後は、各々が記述や絵、Viscuitなど、伝える(交流する)手段、を選択し学習すると、さらに深まりが見られるかもしれない。
出典
横浜市小学校情報教育研究会