雨森芳洲は八十一歳から和歌を志した
雨森芳洲は八十一歳から和歌を志した
歳をとったその後に、和歌を勉強し始めた
芳洲の書牘(手紙)より
…兎角、古今をひたと読候はゞ、歌ことばにても覚え候はんやと存候に付、古今千遍読と申願を心に立テ申候而、最早百五十遍は昨日迄によみおほせ申候。今迄の積りにいたし候へば、八十四の七月に千遍の数満申候積りに御座候。
とにもかくにも、古今集をひたに読みましたら、歌の言葉も覚えることでしょうと思いましたので、古今集を千回読もうという願を心中に立てましてから、今や百五十回は昨日までに読みおわりましてございます。この経過どおりに進めば、八十四の七月には千回に達する見通しでございます。
元来八十一歳の時、古今千遍、歌万首と申ス所願を立候而、千遍読は二年かゝり相済、一万首は去年こしらへ仕舞申候。
そも八十一歳の時、古今集を読むこと千遍、歌を作ること万首という願いを立てましてから、千遍読みは二年かかって済みましたし、一万首の方は昨年詠じ終えましてございます。